| 前へ | Top |2007年〜 | 次へ |
9月議会 一般質問報告(2)

高校の統合問題について

 6月議会で同僚議員がこの問題について取り上げました。市長は谷村高校の存在意義について強調し、「県の示した各市一校の枠外で考えることか妥当な判断」と明確に答えました。
 事務報告で見ても谷村高校の卒業生の9割は県内に就職し、8割は郡内に就職しています。まさに地域経済を支える中心的役割を果たす人材を輩出しており、谷村高校のかけがえのない役割を示しています。市長答弁は多くの人に歓迎されました。
 ところが、同じ事務報告で、県に対する要望の中に「市内2校の高校再編問題に併せて、再編後の空いた敷地や施設を活用した中高一貫校のほか、特に、工業高等専門学校など、産業振興に伴う人材育成機関の誘致等が実現できるよう県において積極的に取り組むこと」と、市長答弁とまったく反対の、再編を前提とした要望項目があります。時間差があるとしても理解に苦しむ記述です。
 交渉は退路を断って臨んでこそ説得力も迫力も出てくるもので、「もし再編がされた場合には」などという立場では主張は通りません。市民の2校存続の願いをしっかり受け止め、ぶれることなく交渉に当たるべきと思います。あらためて市長の見解を問うものです。

【市長答弁要旨】

二校の存続を要求していく

 6月議会定例会一般質問の答弁で述べたように、谷村工業高等学校、桂高等学校の二校存続は本市の基本姿勢である。
 谷村工業高校は、富士北麓・東部地域唯一の職業教育専門校であり、隣接して開設が予定されている県立産業短期大学校都留キャンパスとの連携により、さらなる充実が期待でき、郡内地域の産業を支える優秀な人材育成の拠点として、必要不可欠であり、県の示した各市1校の枠外で捉えるべきものと考えている。
 一方、桂高校は、普通科と文理科を有し、東部地域において、昨年度、普通科校で唯一定員を満たしている高校であり、都留市はもとより他の東部地域や富士北麓地域からも万遍なく学生を集める中核的な高校である。
 また、本市の平成32年度までの中学校卒業者数の減少率を、東部地域の2市と比較すると10%以上低くなっている。
 議員の指摘は、本市として高校再編問題は看過できない事案であり、県の打ち出した高校再編のテーマである「魅力と活力ある高校づくり」を本市の特異性の中で捉えたとき、公立高校における中高一貫校設置の可能性と優位性を本市が有していることから要望したものである。また、全国に58校が設置されている工業高等専門学校を、誘致及び設置をすることが適切との判断をし、要望したものである。
 工業高等専門学校の設置は実現しなかったが、本年3月には県立産業技術短期大学校都留キャンパスの設置が正式決定され、谷村工業高等学校から短期大学校へと5年間の一貫した高度工業教育への明るい兆しが見え、本市の要望が、ほぼ達成されたものと考えている。