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10・3月議会報告

オプトからの寄付は返さない?

 予算委員会でオプトからの寄付5千万円の扱いについて質(ただ)しました。この問題については後日、議会の全員協議会にたいしても執行部から説明がありましたが、市の立場はいっかんして「法的に問題はない」というところにとどまっています。しかし、それでいいのでしょうか。

脱税容疑で2人が起訴される
 新聞報道による事件の概要は、都留市の太陽光発電用部品製造販売会社「オプト」と笛吹市の関連会社「笛吹」が、04年〜08年の間に総額約24億円の所得を隠し、約7億2千万円の法人税を脱税したとして、両者とオプトの前会長らが起訴されたというものです。
 この事件を受けて、山梨県と笛吹市は09年度、工場の新設などにたいする助成金として「オプト」に計5億2600万円、「笛吹」に計5億1800万円を交付する予定でしたが保留しています。県議会ではこの交付を含む2月補正予算を日本共産党の小越県議だけの反対で可決しています。
 また、県と笛吹市はすでに2007年度に「オプト」に交付した助成金計2億7900万円について、県は「裁判で脱税事実が確定した時点で返還などの対応を決める」としています。
 一方、両社は3月25日ごろ、助成金の申請辞退を申し入れています。

都留市との関係では
 都留市が受け取った5千万円の寄付について、市は「オプト」が脱税した中から出したものでなく、弁護士とも相談して適正に処理されたことを確認していると主張しています。しかし、法人税の脱税は、当然のことですが法人市民税に連動してきます。その後、ニュースにはなっていませんが、法人市民税も修正申告されたはずです。その額がいくらになるか不明ですが、寄付された額より多い可能性があります。税金として納めるべきものを納めず寄付するというのでは本末転倒です。
 私は「条例では『返す』という条文がないので難しいだろうが、『ふるさと寄付条例』の精神(都留市にはこの規定を設けた施行規則がありません)では『公序良俗に反するものの寄付は受けない』ことになっている。当然返すべきだ」と主張しました。
 議会の一部には「法的に問題がなければ貰っておけばよい」という意見もありますが、一方で「『オプト』はたぶん有罪になる。そういう会社から金をもらっていいのかということになる」という声もあります。

「渇すれども盗泉の水を飲まず」
 孔子がその泉の名を嫌って飲まなかったという故事に基づき、「どんなに苦しくても、不義不正には近づかない。心事の高潔なたとえ」(新明解国語辞典)です。さらに「貧すれば鈍する」という言葉があります。こちらは「貧乏になると頭のはたらきが鈍くなる」という解釈のほかに「品性がさもしくなる」(広辞苑)という解釈もあります。
 市長の考えはよくわかりませんが、市の財政がどんなに厳しくとも、心根は高潔であってほしいと思うのは私だけでしょうか。