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10・3月議会 一般質問(3)

業務委託契約に最低制限価格を

 最近、火葬場の運営を受託した業者が、まともに仕事ができず、利用者の批判もあってもとの業者に戻ったという話を聞きました。安ければ安いほどよいという委託契約の失敗例ではないでしょうか。
 いま官製ワーキングプアが問題になっています。そのことと関連して「公契約条例」の必要性が話題になっています。公の請負契約は会社の資格や技術力に加えて働いている人の待遇や会社存続のための利益は守られるかなどが十分に検討され、最低制限価格が設定される必要があります。こうした条件を無視して安ければ安いほどよいという考え方は公序良俗に反するものといわなれればなりません。ところが現実に公契約がデフレ・スパイラルや官製ワーキングを生み出しているという批判さえあります。
 このさい、委託契約について抜本的に見直し、最低制限価格の設定、公契約条例の制定などを検討すべきではないでしょうか。見解を求めます。

 【市長答弁要旨】
 平成22年1月からの都留市火葬場「ゆうきゅうの丘つる」の管理業務委託については、平成21年12月4日に当市への入札参加有資格者名簿の施設管理業務に登載されている業者を指名し、火葬業務の内容等を定めた管理業務仕様書に基づいた入札を行い、最低価格で応札した者と契約を締結した。落札業者に対しては、落札後、業務に支障をきたさないことを確認した。
 今回の利用者からの批判は、1月4日・5日に行った火葬業務で、不手際・無礼な行為等があり、利用者に不愉快な思いをさせてしまったもので、業者の業務遂行に対する認識不足等が最大の原因だと考えられる。なお、火葬業務については、市民の皆様に迷惑がかからないよう業務停止することなく、早急な対応をした。
 最低制限価格の導入については、全国的には業務の適正な履行が確保されないおそれがある等の理由により導入している自治体もある。本市では、昨年度から品質が確保される総合評価方式による建設工事の入札を実施するとともに、今年度は、業者から提案された内容を審査し、決定するプロポーザル方式による業務委託を実施した。
 入札制度については、現在、様々な改革を実施しており、最低制限価格の導入についても、実際の応札額について、当該業務の履行が可能であるかどうかを詳細にチェックする低入札価格調査制度の導入などと併せ、検討してまいりたい。
 公契約条例の制定については、公契約に係る国・県などの動向を見据えながら、労働基準法等の労働関係法、最低賃金法、独占禁止法との関わりなどを、今後、研究してまいりたい。

 

 落札業者に対して「業務に支障をきたさないことを確認」したが、「業者の業務遂行に対する認識不足」は見抜けなかったわけです。
 行政が低価格競争をあおり、労働条件の引き下げやデフレ・スパイラルを進める結果にならないために、最低制限価格の設定と公契約条例は今後も重要課題です。