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自衛隊ってなんでしょう?

 東部広域連合議会の研修に参加しました。先々週の都留市議会の研修に続いての研修ですが、今回のテーマは「養護老人ホーム」です。もともとは老人ホームといえばこの養護老人ホームのことでした。高齢者福祉に力を入れた自治体や、地域の実情から必要に迫られた自治体が設置しましたが、社会環境の変化や介護保険の対象施設が特別養護老人ホームになったこともあって、養護老人ホームはやや影が薄くなりました。
 今週はこの研修内容を書く予定でしたが、研修が16・17日、「手紙」作成が18日で、まとめる時間がありませんでした。それでこの研修の帰路、企画した旅行社のコースに「エアーパーク」(!)と称した航空自衛隊浜松広報館があったので、これについて触れたいと思います。ときあたかも国政の中心に座った沖縄の基地問題です。

ガイドさんも悩む説明
 ガイド付きの旅行に参加すると誰でもガイドさんの知識に驚くのではないでしょうか。今回もその例に漏れず、ベテランのガイドさんは知らないことはないといった名調子でした。そのガイドさんが、「国を守るために必要なのでしょうが、いまバスの中でも聞こえるような騒音に基地周辺の人たちは悩まされています。それが毎日」と、遠慮がちでしたが疑問を呈してもいました。参加した議員のなかに共産党議員が二人いると聞いていたのかもしれません。
 沖縄の人たちは名護の市長選で、ついに結論を出しました。「基地によらない経済発展を」と。これは基地依存の経済、基地との共存が宿命でないこと、自・公政権が終わり、別の可能性が開かれたことを実感したからではないでしょうか。そして何よりも基地は移転ではなく撤去へ、アメリカとは従属でなく対等の関係へと、真に希望のある将来に道を開く結論でした。
 にもかかわらず、民主党政権は「抑止力」を口実に基地移転を模索しています。展望のない「5月決着」で目の前の論戦から逃げ回っています。その根底に「日本を守る自衛隊」という、国民の誤解にすがる情けない姿が見え隠れしています。

「日本を守る」という大嘘
 そもそも自衛隊は日本を守るために作られたものではありません。米軍の補完部隊として作られ育てられたものです。たとえば自衛隊のトップをつとめた来栖弘臣氏は「日本の現在置かれているポジションと自衛力形成の過程を見ますと、陸上自衛隊は米陸軍、海上自衛隊は米海軍、航空自衛隊は米空軍が、それぞれ自分の手足として使う目的で育ててきた」(「VOICE」 85年10月号)と語りました。こんな当事者の証言はたくさんあります。そして日本の米軍そのものが日本を守るためとかアジアの戦争を防ぐ(抑止)ためでなく、アメリカの世界戦略に沿った戦争遂行のために存在することは「しんぶん赤旗」読者ならよく知っていることです。
 「自衛隊は日本を守る」「米軍は抑止力」、この二重の嘘を広く知らせる必要を、自衛隊を美化する「エアーパーク」で強く感じました。