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Inside Farming Vol.96



LAN上のPCをリモート制御(WOL)


 考えて見れば、家庭内でLANを導入するメリットとはいったいなんなのか?

@複数のPCからインターネットに高速接続できる環境の実現、Aルータを介した接続で常時接続のセキュリティ・アップ、という当初の2つのメリットは我が家では未だ高速回線の開通待ちである。したがって、現在、我が家でLANを導入するのメリットは、BFD,CD,CD-R等のドライブ、プリンタ等の周辺機器、HDDストレージの共有C複数のPCに散在するファイルの自由移動D重い処理をクライアントPCからサーバPCに丸投げ、の3点くらいだろうか。だが、無線LAN構築熱が冷めてみると(構築している時は楽しかったが)メリット@Aがない以上、家庭内でLANが必要か?という「投資対効果」の根本に関わる問題が発生していることを告白しなければならない(笑)。

 そこで園主は、意地でも、無線LANを利用しようとして、ノートPCで作成したファイルのコピーをデスクトップPCであるCeleron450に保存してみたりする。そうなると、今度は逆に、必要に迫られて、一週間で3,4のファイルしか更新していないにも関わらず、ノートPCとCeleron450に転送保存してあるファイルの同期を取らなくてはならなかったりする(ちなみにファイルの同期にはRealSyncを使用。ネットワーク上でも動作が軽快で使いやすいフリーソフトだ)。

 そんな使用方法の良し悪しはともかくとして、そんな使い方をしていると、1階で使用しているノートPCからLAN経由で突然に2階の一室に置いてあるCeleron450にアクセスしたくなることが"しばしば"発生する。しかし、その度ごとに2階までCeleron450の電源を入れに階段を登っていたのでは、LANなんて無いほうがいい(笑)。だからと言って、Celeron450の電源を常時ONにしておく行為は、たいへんな不経済である。

 そこで、LAN上の他のPCからリモートで電源をONにできるWake up on LAN(WOL)を導入することにした。幸い、Celeron450のマザーボードであるAbit BH6はWOL対応だ。LANボードも10BASE-Tボードから100BASE-TXボードにしようと思っていたから、丁度いい。迷わず100BASE-TXでWOL対応のボードを購入だ(余った10BASE-Tボードは再利用)。
 購入後、さっそくCeleron450の10BASE-TボードをPCIバスから引っこ抜いて、そこにWOL対応LANカードを嵌め込む。カードに添付の説明書はほとんどが意味不明な日本語訳文で書かれており役に立たなかったが、マザーボードのマニュアルによると、どうやらLANカードから出ているセンサをマザーボードのWOL用電源+センサと結線すればイイらしい。そして次にBIOS設定でWOLをenableに設定する。これで準備完了だ。

 新しいLANボードとルータをケーブルで繋ぎ、例によってIPアドレスを取得すればCeleron450は再びLANの一員となる。さっそくノートPCからWOLを試すとしよう。使用するソフトはVectorで探したwol。シンプルだが必要十分な機能を持つ素晴らしいフリーウエアだ。ターゲットマシンのLANボードのMACアドレスを設定しておくことでダブルクリックでターゲットマシンを起動させることができる。
 どれどれ(ダブルクリック)。Oh、本当に起動した。スゴイ。しかし、Celeron450は起動直前にネットワークに接続するパスワードを要求してくる。これを自動で入力するようにしなければそこでストップだ。この問題を解決するためには、Windows98付属のユーティリティTweakUIを使用する。TweakUI のNetworkタブを開き、オートログインに設定。これでOKだ。

 そうなると、今度は、電源もリモートで切断できなくては困る。その為にはネットワーク上のPCのリモートコントロールソフトとして有名なWinVNC(フリーソフト)を導入するとしよう。ターゲットマシンであるCeleron450ではWinVNCのサーバソフトをスタートアップで常時起動しておくようにする。クライアントになるノートPCからは、ターゲットを指定してWinVNC Viewerを起動すると、あら不思議。Celeron450の画面がノートPCの画面上に現れる。これでもう、電源を切るどころか、Celeron450を自由自在に操作可能になる。これもなかなかスゴイソフトだ。感激。

 これで、電源on/offだけでなく、一気にDのメリットが威力を発揮できる環境になった。例えばDの例として、ノートPCからWinVNC経由でCeleron450を操作し、Celeron450をインターネットにダイアルアップ接続させ、Celeron450にファイルをダウンロードさせることもできる。低速回線で時間のかかるダウンロード作業の丸投げである。これでLANの有用性も大幅にアップ。かなり使い勝手も向上し、満足、満足である。

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