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Inside Farming Vol.74



自動車雑誌もなかなか面白い


 にわかエンスーになるには、兎に角、自動車について知らなければならない。私の場合、何年もの間、車に興味がなかったから、友人達と車の話題をする事が殆ど無かった。友人達も私が車について興味がないという事を知っているから、私に車の話題を振る事もなかった(みんな大人だね〜)。そんな訳で、私は誰にも頼らずに一人静かに内密にエンスーにならなければならない。そのために、まず幾つかの雑誌を購入することにした。
 
 私は暇があれば書店を覗きたくなるような人間だが、書店で自動車雑誌の棚の前に立つことがほとんど無かった。そのため、ここに至って改めて、自動車の棚がファッション、パソコン、経営・教養などの棚と同じかそれ以上のスペースが割かれていることを認識した。
 とにかく、自動車雑誌は多い。全ての自動車がカタログ的に網羅されている月刊誌や、新車情報を中心に話題を集めた週刊誌が数冊ある。ちょうどモーターショウの時期なのか、モーターショウの出展作品を中心にした別冊もいろいろな出版社から出ている。全編1車種だけを扱うカタログの延長みたいな雑誌もある。エアロパーツや内装のカスタマイズ、音響システムのカスタマイズ、または、エンジンのチューンをメインにした雑誌となると”にわかエンスー”の理解をはるかに超えた世界がそこに存在する事を知る。他に中古車情報誌の数もかなりある。

 面白いのは国産車を中心に扱う雑誌と輸入車を中心に扱う雑誌では雑誌の装丁(紙質や写真のフレーミングやレイアウト等)が全く異なっていることだ。ちょっと大判な輸入車系の雑誌では、自動車だけでなく、ライフスタイル系の読み物記事まであったりする。スーツや時計の公告が入っているのも特徴だ。それに比べて国産車系はメーカーのプレスリリース用と思われる写真を利用して装備や価格を説明する記事とか、競合する車種を比較して値引きランキングを掲載するとか、保険の上手な入り方とか、実用的な話題が多いことに気づく。
 
 ホントに8年ぶりくらいに自動車雑誌を読むものだから、読んでいると幾つか違和感を抱くことがあって、そこがまた面白い(慣れればたいした事でもないが)。
 
 まず、読んでいる記事がパブ記事(pub・lic・i・ty:公告主とのタイアップ)かどうかの判断がつかない。ファッション雑誌の多く記事はパブ記事だと認識しながら読めるが、読み慣れていない自動車雑誌ではその判断の基準を持ち合わせていないのだ。どう見ても提灯記事みたいなのが、署名記事であったりして5、6ページも書いてあるのはいったい、どちらなの?
 
 パブ記事と見分けがつかない事と共通するのだが、記事中に主観的な表現が多用されるのも特徴的だ。結局、車は嗜好品(好き・嫌いが購買動機)という要素が強いために、記者のインプレッションが重視されるからこういう文になってしまうのだろう。でも、例えば「ラテンの陽気なノリを感じさせる走りだ」とか「イギリス紳士の生真面目さと王室の気品が同居する内装だ」って言われても、ねえ(私が適当に作った文ですが、いかにも、ありそうでしょう)。逆に、ライターの表現力を楽しむ(評価する)くらいな気持ちで読むことが必要であるわけだ。
 
 さて、最後の違和感は用語である。自動車は今、ミニバン、セダン、ワゴン、コンパクト、SUV、スペシャリティ・・とかにカテゴライズされているようであり、私の知るRVとかワンボックスとかいった表現は見当たらなくなってしまった。まさに浦島太郎気分である。さらに、自動車もパソコン以上の技術進歩があるらしく、ESP、HID、イモビライザー、ティップシフトなど新語がいっぱい。
 
 とにかく、にわかエンスーになるのも大変なのだ(続く・・笑い)。。





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