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Inside Farming Vol.73



にわかエンスー


 世の中の人の趣味や興味の対象はいろいろだ。一般的に趣味といえば、音楽、読書、ファッション、旅行、ギャンブルなどなどが挙げられるが、好きな分野は人それぞれである。蓼(たで)食う虫も好き好きといわれるように、自分が興味を持っていても他人が全く興味がなかったり、逆に「なんでそんな事に興味があるの?」と質問したくなるような他人の趣味だってある(他人の趣味を否定はできないが・・)。
 また、熱中の度合いも人それぞれである。その分野について一通りの広範な知識をゲットすれば満足する人もいれば、行くところまでトコトン突き詰めなくては気がすまない人もいる。後者の場合、常軌を逸して過度に熱中してしまい周りの人間が理解できない場合さえある。特に”マニア(ma・ni・a) ””フリーク(freak)””フェチ(fet・ish)””ワナビー(wan・na・be) ””○○ラー(・・・er)”などと称される人たちの、その分野における知識や価値観は常人のそれとは別次元にあるものだと言ってよいだろう。多くの場合、彼らの知識量は本当に賞賛に値するものである(その価値観や蘊蓄(うんちく)を他人に押し付けない限り・・・という条件は付くが)。
 
 そんななかで、「自動車」は、いろいろな世代の多くの人を虜にしている対象のようだ。
 
 最近は何かに熱中している人を”エンスー(en・thu・si・asm:出典は○金○ビの渡辺和博氏だろうか?)”といい、特に自動車に熱中している場合に多く用いられるらしいが、実際、私の周りをちょっと見渡すだけでも、エンスーの数はかなりなものだ。国産車なら30代でセルシオやウインダムといった高級車を所有する者や、スカイラインGT-RやセリカGT-4などのスポーツカーを駆るもの、ランドクルーザープラドやレグラス等の大型のオフローダーを所有している友人達は間違いなくエンスーだろう。いかにもこだわりを感じさせる外車を所有している友人も意外と多く、プジョー205GTi、プジョー405ブレイク、ポルシェ・ボクスター、ルノートゥインゴ、アウディ・クワトロ、ボルボ・エステートなどが私の知るところだ。私が記者をしていた頃の大先輩氏がベンツ、ジャガーと乗り継いだというメール下さったことがあるが、この先輩などは、きっと怖いくらいの蘊蓄(うんちく)を有するエンスー・オブ・エンスーなんだろうな、と思ってしまう。
 
 自動車の場合、エンスーかどうかはその人が所有する車種やカスタム度を見ればある程度は判るといってもいいような気がするのだが、一概にそうとも言えないのが面白いところだ。なぜなら、誰でもが、新車の購入時には、にわかエンスーになるという現象が発生しするからだ(だから自動車エンスー人口は多い)。
 
 多くの場合、車が決して安い買い物とは言えないだけに、車を購入する際には、自分が購入した車のマニアでありフリークでありフェチでありエンスーになってしまう。なぜ、この車を購入したのか!という購入動機に始まって、デザイン、装備、オプションの設定、エンジンの形式、年式、すべてについて”思い入れ”と蘊蓄(うんちく)を語らずにはいられなくなる。そして、自分の購入した車に対しての他人の無神経でネガティブな発言に耐えられなくなる。短期間だがテンションの高いエンスーである。

 で、今回初めて自動車の話題を取り上げた私はエンスーですか?といわれれば、現在、短期間だがテンションの高いエンスーに突入したことを告白しよう。このエンスーに突入する前は、もう8年以上も自動車雑誌を買ったことがなかっし、カー・ショップにも殆ど行ったことが無かった。洗車だって、年に何回というありさま。そんな私の独断と偏見に満ち満ちたエンスー体験。その価値観や蘊蓄(うんちく)を他人に押し付けまくりそうなテンションで、これから数回に渡って書いてもイイですか?(続く・・笑)





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