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Inside Farming Vol.42 (Japanese)



ホームページ作成の基本(技術編)
 
 さて、前回の予告どおり、今回のテーマは「ホームページ作成の基本」の”技術編”だ。技術といっても、読みやすいHTMLを書く方法だとか、Java Scriptだとか、CGIとか、FTPの仕方などを取り上げるのではない。そういうことはある程度までホームページ作成ソフトにまかせれば良いことだ。それよりももっと初歩的な段階でホームページ製作者が技術的に気を使うべき事はある。

 例えば私のメイン・マシンは17インチ・ディスプレイ(解像度1152X864)、モデム通信スピード56kbps、Internet Explorer4.01、Celeron450Mhzというデスクトップ環境だが、就寝前に主にニュース・サイトをチェックする時は解像度640X480の液晶モニタ、モデムスピード28.8kbps、IE4、CPUはPentium100MhzというノートPC環境である。この非力なノートPC(もっと非力なPCも世の中には山ほどあるはずだ)でもストレスないホームページを作る知識と技術に時間を割いて欲しいのだ。

 つまり「訪問者の環境依存しないで正しく表現されるページを作る技術」が重要であると思う。具体的には、解像度に依存しない、通信速度に依存しない、インストールされているソフトや、ブラウザに依存しない、という事だ(またしても当たり前過ぎてゴメンね)。

 「解像度に依存しない」ためには640X480ピクセルでも可愛らしいレイアウトで表示されていて、1024X768で表示した時も、それほど違和感がないレイアウトにしたい(さすがにiモードまで対応しろとはいえないが・・別ページで対応するしかないですね・・)。640X480環境の人を考えれば新しいブラウザを開くようなtarget属性の設定は最小限にしておきたい。同様にPOPUPウインドウはたいへん”うざい”。画像や文章は縦スクロールなら許せても、横スクロールしないと閲覧できないようではちょっと不便だなという気持ちになる。

 「通信速度に依存しない」ためにはデータを小さくする、必要以上のものをダウンロードさせない、という事が大切だ。一番利用する画像データなら標準で20KB前後の大きさに抑えたい。画像に特別意味がある場合を除いて40KB以上はちょっと大き過ぎるだろう。MIDIサウンド、ビデオの有無を言わさぬ自動再生は控えたい。低速回線では音楽が鳴るまでページの表示が止まってしまう事がある(静かなオフィスや深夜に突然音楽が流れても困るしね)のだ。フォントのダウンロードも避けたい。ActiveXなどをダウンロードさせる事はセキュリティの面からも個人的には薦められない。
 
 「インストールされているソフトやブラウザに依存しない」というのは、特にマルチメディア関連の再生の場合に注意すべき事だ。JavaやFlashやShockwave,Real Playerは効果的な視覚効果が期待できるが、訪問者に再生環境が必要だという事を忘れてはならない。そういう意味からも動画を扱う多くの場合GIFアニメーションで対応するのが無難であろう(UNISYSの特許問題が最近しばしば問題になっているようだけれど・・・)。
 HTMLタグの中には古いブラウザではうまく表現されないものがある。そう考えるとかなり一般的に使われてるframeタグでさえ使用には慎重になる。表現力が豊かで扱いやすそうなダイナミック HTMLも同様な理由で却下。もちろんスタイルシートの使用はさらにブラウザを限定するし、多くの場合Netscape Navigatorのユーザに対して失礼になるようだ。
 付け加えておくと私のようにブラウザ設定(Inside Farming 26参照)でサウンドもビデオもJavaScriptもアプレットも再生しない(画像も表示しない設定にしている人もいる)人にも情報が伝達されるような心配りも持っていたい。

 総括するとホームページを作るとき、技術的に注意することは、新しい技術を使わない事だ!という一言になる(なんという結論だろう!肩透かしでゴメンね)。
 
 もちろん例外はある。マルチメディアがコンテンツの中心である場合や、技術的なPRの為に新技術を多用して斬新さを演出する場合だ。アーティストやクリエイターのホームページはそれで良いはずだ。ホームページ閲覧者の環境を絞リ込める場合や故意に絞り込む場合も自由な技術で表現することが可能なはずだ。でも、最終的には、市内電話料金が爆発的に安くなり、すべてISDN以上の通信速度になり、Iモードで800X600くらいの解像度で見れるようなインフラが整うまでは、ホームページのスタンダードなスタイルは上記であることは揺るがないだろう。

 以上、参考になったでしょうか?。それとも当たり前すぎましたか?この当たり前の技術の範囲で、多彩な表現をすることが難しいんだよね。
 次回は「ホームページ作成の基本(反面教師編)」です。
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