第三回 短期集中でギリギリ合格ラインを狙う! 試験を申し込むまでは自分が行政書士のための試験勉強をしようとは思っていなかった。それゆえ勉強のための時間は1ヶ月強。加えて林檎の収穫期と重なるのでかなりタイトな勉強が必要になった。今思えば、それは私には適したスケジュールだったようだ。 初めに断っておくが、この短期集中勉強法をチャレンジする前提として「法律を読む」ことができるという「素養」というか「忍耐によって得られる能力」が必要になる(これが結構なハードル)。実は資格試験挫折者の典型で何でも広く浅く手を出す私は、ここ3年程、途中で中断することを繰り返しながらダラダラと民法をかじっていた。果樹園でおよそ似つかわしくない民法T、U(東京法経学院出版)などを半分眠りながら読んでいた日々も、知らず知らすにそんな素養が身についたと思えば無駄ではなかった。 さて、いよいよ受験勉強開始。時間的な制限からいきなり問題集に挑戦。「行政書士法令編過去問350題」(法学書院 2400円)「うかるぞ行政書士予想問題集」(週刊住宅新聞社 2400円)の2冊を最低2回はやろうと考えた。やるべき法令はたくさんあるので、中学高校でなじみのある憲法、感覚的に理解しやすい行政書士法、そして法律の中心で基本となる民法、行政法へと順番に進めていく。 一般には全く馴染みのない行政関連の法令に入ったあたりでペースがガクっとダウンするのでそこでくじけない事が大切だ。行政関連法令は初めて見る用語の理解が大変なのだ。ここでは参考書(「行政書士合格ノート97」(東京法経学院出版 3399円 ブックオフで半額の1700円で購入・・・ほんとは古い参考書は止めたほうが良い))を併用することにした。逆に地方自治法などは自分の住んでいる市町村の議会の仕組みや、首長(市町村長)の権限、条例を知ると思いながら勉強すれば馴染み易い(余談だが、これらの法律を勉強した事で初めて首長に強力な権限が集まっている事を知った。それからちょっとした行政通(ツウ)になれて嬉しい!)。 その他の法令では、労働法や戸籍法などは身近なために理解しやすいが、行政不服審査法は内容が自分なりに整理できるまでは大変だった(といっても恐れるに足らず。問題は条文レベルだ)。 一般常識問題については間に合うはずが無いので初めから採点対象基準点+アルファの60点狙いで残りは捨てることにした。やったのは「うかるぞ行政書士予想問題集」の一般常識だけである。といっても内容はなかなか充実していて歴史、思想史、経済史、漢字、物理、数学、などなど広く浅く知識を付けるには充分だった。久しぶりに連立方程式を解いてみると、学生時代に戻ったような懐かしさがある。一般常識の勉強を始めるとなかなか楽しくて、そこで覚えた知識を思わず人にひけらかしたくなるから不思議だ(オヤジ化の始まり)。 800字で書くという論述対策は完璧に捨てた。というか、インターネットでInsideFarmingを書いているからなんとかなるだろう、という甘い期待で何もしなかった。
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