池田真理子のワクワク報告

読みたい新聞、捨てられない新聞     (08年2月1日)

 調布市の党の「新春のつどい」後に、33歳の映像カメラマンと話しました。

 映画の撮影所を経てフリーのカメラマンとして、下請けの仕事をこなす毎日。都内の自宅に帰るのは、月の半分もありません。「体が健康であることだけが土台。技術や創造力を養う暇もないほど劣悪な労働条件」です。

 そんな彼が絶対に読みたいのが、『しんぶん赤旗』。自宅で購読している日刊紙は、長期の出張の際には、地域の党員に頼んでストックしておいてもらっています。「1ヶ月、2ヶ月前のものでも、その活字に込められたものを読まないまま捨てるわけにはいかない」と言います。地方で仕事をしている時に、入ったそば屋がその地域の『しんぶん赤旗』配達のポストだとわかって大感激したことも。

 なぜそんなに『しんぶん赤旗』なのか。「自分と同じような状態で働いている人がたくさんいる。それを少しでも良くしようとしている。みんなが知りたいことをきちんと知らせてくれる。他の新聞とはまったく違う。とくに国際面が面白い。世界を見る指針だ。『赤旗』のおかげで、テレビの報道を鵜呑みにすることはない」。

 きょう2月1日は、『しんぶん赤旗』の創刊80周年の記念日でした。1928年、野蛮な天皇制と侵略戦争に抗して、非合法の困難な活動の中で日本共産党が機関紙として発行。国民に反戦と民主主義をよびかけました。小さく折りたたんで靴底にしのばせるなどして人から人に渡され読まれました。いま百数十万人が読むこの新聞を、あなたも読んでみませんか。


共産党も政党助成金をもらえば?   (08年2月3日)

  一日雪模様の中、武蔵村山市大南地域で、籾山市議と一緒の小集会に参加。「共産党も政党助成金を受け取ったほうがいいのでは」という発言がでました。他党と同じように共産党も受け取れば、募金を集めなくてもいいし、「しんぶん赤旗」の購読料値下げで読者も増やせるのではという考えでした。

 別の参加者は、「最近『赤旗』を読み始めて、いろんなことがわかってきた。税金から政党に多額の補助金を出すというのはおかしい。国民にとっては支持もしていない政党に強制的に献金させられること。こんな制度はまちがっていると腹が立ってきた」と発言。

 政党助成金は憲法違反の制度で、廃止すべきものです。それを受け取るわけにはいきません。募金や購読をお願いするのは、たしかに苦労をともないます。でもその活動が、悪政を変えるために党の見解を伝え一緒に運動をひろげ、さまざまな要望を聞かせていただく大事な場です。日本共産党が、国民の立場に立ち続けられる一番の保障です。

 一方、毎年300億円以上の税金を山分けしている他党はどうでしょうか。自民党本部の活動資金の6割が税金、民主党は84%が税金。それ以外を企業献金などでまかなっています。これが金銭感覚のマヒや国民のくらしへの無頓着につながり、「政治とカネ」問題や使い切れない助成金の貯めこみまで起きています。

きっぱり廃止し、その税金は、国民のために使うべきです。

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記憶と共生の場に     (08年2月1日)

 いま超党派でハンセン病問題基本法制定の動きがすすんでいます。東村山市の多摩全生園入所者自治会長の佐川さん、全国ハンセン病療養所入所者協議会事務局長の神さんと懇談しました。谷川、徳留比例予定候補、田村参院予定候補、地元で法制定をめざす100万署名をとりくんでいる方たちと一緒でした。

 懇談の前に、自治会の岩間さんに所内を案内してもらいました。就学前後の子どもたちが親元から引き離され収容された「少年少女舎」や逃亡防止のために掘られた堀の残土を積み上げ築山にした「望郷台」。郷里に帰れないままの4千人が眠る納骨堂。堂の傍らの小さな「尊厳回復の碑」は、所内で強制堕胎させられた胎児のホルマリン漬け36体を供養したものです。

 一世紀以上続いた隔離絶滅政策で、治癒していても故郷に帰ることができなかった入所者たち。その終生を保障するとともに、全国13の療養所の医療や福祉の施設・機能を厚生労働省管轄で一般市民にも開放して地域と共生したいというのが、入所者の希望です。「その際も、他国にない旧らい予防法のような法律で1996年まで人権侵害を続けた国の責任は史実として刻んでほしい。それがくりかえさない保障だから」。


麦の穂と鳩     (08年2月7日)

 うれしくワクワクする出会いでした。お相手は、2千数百年前のメソポタミア文明時代の青銅の像。高さ40センチくらいの立像で、右手に麦の穂、左手に鳩を持っています。

 1月16日付「しんぶん赤旗」一面の「いま憲法9条を―宗教者は語る」で、神奈川県の泉蔵院住職北村公秀さんが紹介した像です。その紙面を見た彫刻家の要請にこたえて北村さんが快く貸し出してくれた像を、私も直接見ることができました。

 2001年9月9日、ニューヨークの同時多発テロが起きる2日前に、パキスタンを訪問中だった北村さんが、ガイドからその像を譲り受けます。像は、ガイドの友人がタリバンの攻撃で壊される難を避けるためにアフガニスタンのカブールから命からがら持ち帰ったものとのこと。

 文明を象徴する麦の穂と平和を象徴する鳩。女性と思しきやさしく静かなたたずまい。その像を日本の宗教者に託したパキスタン人の思い。憲法9条を守り生かす共同をとよびかける北村さん。自分が彫るべき姿をこの像に見出した彫刻家。2千数百年の時の流れを超えて、平和を希求する心が響きあっています。


外からの応援ではなく、仲間として一緒に  (08年2月7日)

 東村山市の山口議員と一緒に、新しい党員を迎えました。元気はつらつの女性です。夫は元国鉄労働者で日本共産党員。国鉄分割民営化に反対したことによる不当差別で、JRに採用されず裁判をたたかってきた方です。その夫を「行商生活でも支える」と気丈に励ましてきた妻。日本共産党も一生けんめい応援してくださっていました。

 「ぜひ入ってください」とすすめると、「後援会員としてがんばるから」とのこと。でも世直しは国民みんなでやるもの。今の日本共産党の勢力だけでは足りません。身近な人からどんどん党に入っていただき、仲間を増やしながら政治の流れを変えたい。マスコミの共産党無視作戦に対しては、草の根の仲間づくりが一番の力です。外から見ているより、党員としてやれることをやったほうがどれほど生きがいあることでしょう。

 心を決めた彼女は別室の夫に報告。「すごい!すごい!」の声が聞こえました。入党申し込み書に記入する妻のそばで、夫君は何度も涙をぬぐっておられました。ふっきれたさわやかな笑顔で玄関外まで送り出してくれた女性。私が一番うれしい出会いです。


米軍基地は、日本人の雇用の場になっているのでは? (08年2月10日)

 東久留米市東部地域での小集会。若い女性が、「沖縄にとっては、米軍基地が若者の安定した就職先になっている。米軍基地を撤去したら働き場所がなくなるのでは」と発言。

 年配の方が、歴史をひもといて説明されました。「明治維新では、180万人の武士が俸禄を失った。第二次大戦直後には、空襲で家や工場を破壊され、大量の人が軍隊や中国から引き上げてきた。一気にたくさんの人の仕事や生活を保障しなくてはならないことは、何度も経験している。国が国民のための仕事をすれば解決できることだ」。別の方は、「沖縄の米軍基地は、島の中央部で平地の半分を独占しており、それが産業を発展させる一番の妨害物になっている。撤去したほうが、観光・文化産業も豊かに発展する」。

 10日は、岩国市長選の投票日。米軍の空母艦載機を厚木基地から59機も岩国基地に移転し、アジア最大の100機を超える戦闘機基地にするのを容認するかどうかが問われました。岩国市民はこれまで住民投票と市長選で反対の意志を表明。それに対して政府は、市庁舎建設補助金35億円を一方的にカット。推進派市議も市長の予算案を4度も否決。市長が「民意を問いたい」と選挙になったものです。井原市長が「基地に依存しないまちづくり」を訴えたのに対して、当選した元衆議員は、「日々の生活が大事。夕張のようになってしまう」と脅しの演説。

 アメリカのために、国民にアメとムチで対応する政府。たたかいはこれからです。


「ちりとてちん」のおじいちゃん  (08年2月13日)

 有明コロシアムで開かれた東京の日本共産党演説会。厳しい寒さの中、1万2千人が参加。志位和夫委員長の話は、説得力抜群でした。私も一言訴えました。国民から希望を奪う政治を大本から切りかえようと。

 楽しみにしていた俳優米倉斉加年さんのお話が胸に沁みました。準備された原稿をていねいに読まれました。「(「しんぶん赤旗」が)なぜ80年続いたか。真の人間の生きる命の声だったからです。真の生きる人間の声は死にません。小林多喜二の言葉は生きているのです。私たちは特別、多くのことを望んではいません。一部の強い者たちのための政治ではなく、99%の普通の国民のための政治を望んでいるのです。体の弱い人、年取った人、収入の低い人、女子どもたち、みんなが働いて生きていける、平和・自由を望んでいるのです。」

 NHK連続ドラマ「ちりとてちん」で、おじいちゃんの言葉がヒロインの若狭(喜代美)を導くように、米倉さんの言葉の一つ一つに重みがありました。ドラマ同様に人間味があふれていました。舞台から降りた米倉さんと一緒の写真に収まり、大満足です。


机上の認識    (08年2月15日)

 後期高齢者医療制度と障害者自立支援法問題で、厚生労働省と交渉。政府は国民が置かれた実態をふまえない、机上の認識だなと改めて痛感しました。

 障害者自立支援法問題で、私が聞き取った事実にもとづいて問いただしたことへの返答は、驚くものでした。「応益負担」で障害者年金しか収入のない障害者が利用料負担に苦しんでいることには、「軽減措置をとっている」。事業所運営の日払い方式により減収で困窮している点でも「月額払い方式にもどすつもりはない。休む人がいても困らないように定員以上に登録してもらえばよい」というもの。

 さらに、一般企業への就労を促進するための就労移行支援事業や、就労継続事業にペナルティが課せられている問題でも、「就労させないで、いつまでもい続けられることになるから」という認識でした。障害を持ち、作業所や授産施設で地域に支えられながら働いている人たちを鞭打とうというのでしょうか。

 国民からかけ離れた政治はどうしても変えたいと思います。


封書で届いた全員解雇   (08年2月15日)

 業務用肉を販売するチェーン店「肉のハナマサ」が、直営店の約半数47店舗を2月15日でいっせい閉鎖。18日付で閉鎖店舗のパート労働者800人を全員解雇。あまりにもひどいやりかたに、一人の労働者から相談が持ち込まれました。

 閉店前の安売り作業に追いたてながら、パート労働者の自宅に封書で、「閉鎖店舗のパートタイマーの皆様へ  解雇通知書 …」という一枚を送りつけてきただけ。突然の仕打ちに、泣き出す労働者もいたそうです。長期間働いている人も最近契約をむすんだばかりの人もいます。それぞれが生活がかかっているのに。

 「一生けんめい働いてきたのに、こうしたやりかたはどうしても納得できない。許せない」。企業がもうけ至上で、働く人を人間として扱わないノンルールの風潮は、あまりにもひどいものです。一方で勇気を出しこうして声を上げる動きも広がっています。


そんなひどいことをするはずがない     (08年2月16日)

 江東区内で宣伝活動。宣伝カーのそばで後期高齢者医療制度中止を求める署名をよびかけたところ、80歳の女性は、75歳以上を差別し、高い保険料を天引きする制度についてまったく知らず、「年金が本来月8万円もらえるはずだったのに、額がカットされ介護保険料も天引きされて6万数千円になっている。一人暮らしでお金がなくてカツカツの生活なのに、いくらなんでもそんなひどいことをするはずがない」と。別の女性は、わざわざ宣伝カーに寄ってきて、「税金が増税前は7万円だったのに、17万円に跳ね上がった。2倍半よ。病院の窓口負担も1割から3割に3倍になったのよ。もう私は頭にきているの。おたくたちがんばって」。

 そのひどすぎることを平気で実施しようとしているのがいまの政府。医療への国の負担を減らすために、高齢者を犠牲にしてはばかりません。毎年2200億円の社会保障費を削る一方で、犯罪が相次ぐ米軍基地向けに毎年ほぼ同額の「思いやり予算」を確保するのですから、許せません。とにかく国民が大きな声をあげる時です。


思いは同じ―宗教者との対話        (08年2月19日)

 「宗教人と日本共産党との懇談会―社会と人生を語る」に参加しました。宗教者との懇談は初めてのことだったので、とても楽しみにしていました。

 参加された方は、金毘羅大権現神職、真宗大谷派住職、日蓮宗住職、天理教、キリスト教のプロテスタント牧師やカトリック信者など。宗教といっても幅が広いようです。

 集まりを知り、わざわざ福島からかけつけてくださった曹洞宗住職は、「敗戦までの8年間に檀家で10人が戦死。当時は17~8歳で結婚し、30歳前後ですでに4~5人の子どもを持つ人もいた。先日最後の戦争未亡人の葬式があった。夫が中国の占領地で戦死し、戦友が遺骨を運んできた。すでに法事も済み、夫の弟と再婚していた。未亡人は号泣した。戦友は遺骨を運んだことを悔やんだ。さまざまな体験の中で、日本共産党だけが信頼できると思っている」と発言。日蓮宗の住職は、「学徒出陣で出征。朝鮮半島北部で捕虜となりシベリアに送られ、4年間鉄道建設などに従事。1948年に帰国し焼け残っていた寺を再興した。シベリア帰りの赤い坊さんと呼ばれた。宗教は心の問題とともに環境にも重きを置いている。戦争中は日蓮宗も弾圧された。日蓮の立正安国論と共産党の考え方は一致している。宗教は来世の理想から入るが、政治は地味な現実から出発する。国民大衆の立場でがんばっている日本共産党を尊敬している」。

 たくさんの注文も出ました。「姿勢はいいが名前のイメージがよくない」「選挙の時だけではなく日常的に接してほしい」など。社会悪を許さず、人々の幸せを願い、自らの生き方を探求する姿勢は同じです。本当にもっと日常的にお話を聞かせていただきたいと思いました。


一足先のひな祭り           (08年2月20日)

 きょうは北区内の宣伝行動。25歳の若さいっぱいの池内さおり小選挙区候補と一緒に、街頭で訴えました。

 お昼ごはんは、団地内で行われていた食事会で。会場には内裏雛が飾られていて、春らんまん。池内さおりさん、相楽区議と私の3人並んで「三人官女だ!」と写真に収まりました。楽しく、おいしい食事で心もほぐれました。


もっと公営住宅を増やして   (08年2月22日)

 公営住宅施行令改正について、国土交通省からの説明を受けました。説明は、はてな?の連続でした。ここでもまたセーフティネットを壊そうとしています。

 公営住宅の入居申し込み基準を政令月収20万円から15万8千円に引き下げ、明け渡しが迫られる「高額所得者」の政令月収も39万7千円から31万3千円に引き下げます。入居対象の枠が狭められ、現在入居者の3割が家賃値上げになります。

 困窮者の入居を優先するというのですが、今の入居者も低所得者です。一番の問題は、公営住宅が少なすぎることです。今でも都営住宅の申し込みは30倍を超えています。新規建設をしないからです。より困窮者が増えたのは、今の政治が原因です。政令月収以下の貧困層が広がり、ネットカフェ難民やホームレスも増えています。だからこそ、安くて安心な住宅確保に政治が責任を負うときです。

 入居者からも、一人暮らしの高齢者ばかり集めた団地では、コミュニティがつくれず、草取りも外注、孤独死が増えていると報告されました。都営住宅の承継問題もあります。旧公団住宅の縮小・民営化問題もあります。住宅は人権、新規増設をとの運動をしなくてはと思いました。


保育士もワーキングプアでいいのか   (08年2月22日)

 多摩地域のある市の職員さんたちの小集会に参加しました。

 正規職員がどんどん減らされ、仕事がきつくて定年まで働き続けられずにやめる人が続出。それでも正規職員は補充せず、臨時・嘱託職員の代替で業務がこなされています。図書館も祝祭日の開園や平日の時間延長など、市民サービスの充実をすすめていますが、一方で職員は減らされています。生活保護課でも、ケースワーカーが一人当たり100世帯を担当するという過密労働です。新たな申し込みの相談は2~3時間かかります。窓口に人が来ると、みんな下を向いてしまうといいます。

 保育園では、非常勤保育士さんが正規より多いそうです。でもその給料はあまりにも少なくて、保育園を二つ三つかけもちしている人もいます。自分のくらしが安定しないで、子どもと系統的にかかわれなくて、保育士としての働きがいをもてるでしょうか。

 政府が地方自治体向けに人件費削減の号令をかけ、保育分野もコスト削減、民営化をおしつけています。ここにもまた「構造改革」路線の害悪があらわれています。

  (写真は、清瀬市新婦人内後援会で)

学力テストと教材売り込み    (08年2月29日)

 息子はこの4月で中学生になります。この数ヶ月間、息子と保護者宛で進研ゼミ(ベネッセコーポレーション)から、通信教育案内の何種類ものパンフやリーフを入れた豪華な封書が送りつけられてきます。

 「○○くん専用」「○○中の授業も定期テストも最初から大成功!」「全国約75万人のデキル中学生が選んだ勉強法」など、刺激的な言葉が踊り、なぜか息子の個人名も進学予定の中学校名も刷り込まれています。テレビCMもおこなわれていますから、相当の広告費用です。

 昨年4月に、小学6年と中学3年を対象に全国一斉学力テストが実施されました。息子はその対象でした。その3ヶ月前には東京都の小学5年と中学2年を対象にした学力テストも受けています。この東京都と国がおこなっている学力テストを一手に請け負っているのが、進研ゼミ(国のテストは、NTTデータも請負)。

 昨年はテスト実施に77億円、今年の予算案も62億円。特定の大手受験企業が、税金で自分たちの営業に有利な情報を独占して、さらにもうけるしくみです。その食い物にされているのが、子どもたちです。

 国も東京都もテスト結果を個人に返したのは、試験後7~8ヵ月後です。どこを間違えたのかもわからない点数だけの結果です。この数字だけで、学校間、行政区間の順位争いが起きています。これが教育であるはずはありません。勉強嫌いをひろげるだけです。

 全国も東京都も学力テストはきっぱり中止すべきです。

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