◆池田真理子ワクワク報告

さわやかに、6千人の三多摩メーデー  (08年5月1日)

 緑に囲まれた井の頭公園。今年の三多摩メーデーは、これまでにまして活気にあふれていました。もう黙って入られない。その思いと運動のひろがりが、連帯と団結の心を熱くさせているようです。

 デモ行進では、土建組合のみなさんのデコレーションが目を引きました。姥捨て山や悪政の張本人の張りぼてが、軽トラの荷台にそびえたっています。ところが、井の頭公園は緑の森。木の枝にさえぎられて前にすすめません。「去年も同じ失敗しているのに。また高くつくりやがった」というぼやきも聞こえました。でも、「ざけんな!後期高齢者医療制度」「暫定税率 ざけんな!」ののぼりのとおり、怒りが張りぼてを高く高くさせたようです。

 党の議員や候補者のみなさんと一緒に参加者を激励したり、デモ行進をしましたが、「共産党の出番ですね」「自民党をやっつけてくれ」などの声をいただきました。本当にがんばり時です。

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東京の農業の位置は大きい    (08年5月2日)

 東久留米市の党市議団のみなさんと、市内の経営者クラブ会長、体験農業塾主催者、酪農家の3軒を訪ね懇談しました。きょうもたくさん教えられました。

 一つは、麦の買い上げ価格が1俵60キロで1800円、1キログラム30円にしか過ぎないこと。一反栽培して5俵の収穫で1万円にもなりません。肥料代、収穫に必要なコンバインや乾燥機など農家の負担からするととてもやっていられません。「農家だけがんばれと言われても限度がある。『認定農業者』や税制などのしばりをつけないで、意欲を持って経営でき、再生産も可能なようにすべき」という意見でした。

 2つ目は、「東京の農地は、全国一土地が肥えている」ということ。そして、「東京の野菜栽培がなくなれば、全国的に影響が出るほどの影響力をもっている」ということです。東京には農地はいらないと言わんばかりの政府の農業政策に対して、都市農業の比重と役割をもう一度整理しなくてはと思いました。

 3つ目は、東京の酪農についてです。東久留米市に酪農家が2軒あることをはじめて知りました。東京全体では80軒です。訪ねた酪農家は江戸中期からの古い農家で、終戦翌年に食糧難対策として東京都から牛を借り受けて以来、頭数を増やし現在は31頭を夫婦と跡継ぎの息子さんとで飼育されています。糞尿は堆肥化して近所の農家や市民の園芸用に活用してもらっているそうです。

 ここでも経営は苦しい状態です。森永乳業との契約で出荷しているため、高い脂肪分を求められ、輸入飼料に頼らざるをえません。その輸入飼料が高騰し、関連資材もすべて値上がりで、生産コストが上がっています。固定資産税だけでなく、免税点を1千万円に下げられた消費税もあり、「税金に追われている」状態とのことです。

 牛の乳房炎などで抗生物質を服薬させると、1週間程度は出荷できず、絞った乳は捨てることになります。夏場の暑さに弱い牛は、体力を落として病気になりやすいため、牛舎で大きな扇風機を回すそうです。地球温暖化の被害はここにもありました。

 お話をうかがうたびに、農家のみなさんが、農業を通じて世界にも日本の政治にも広く通じておられることに、学ばされています。


自然と文化を堪能しました   (08年5月6日)

 連休は、家族3人で、長野県戸隠高原へ出かけました。3人とも山歩きが大好きですが、高い山はまだ雪の中。そこで高原ハイクとそば好きの夫と息子に配慮して、戸隠行きとなりました。

 雪を抱き切り立つ戸隠連峰と、淡い緑を刷毛ではいたような唐松林の芽吹き。桜、水芭蕉、カタクリをはじめ野山の花がいっせいに咲き競い、野鳥がさえずる。自然の豊かさ、生命力を感じさせる春の風景でした。そういえば、長野市から高原に向かう途中のりんご畑も、白い花でおおわれていました。

 雑木林の中を歩き回り、そばも堪能。修験者の護身術から始まったという戸隠流忍法を伝える忍法資料館とからくり屋敷は、息子が大喜び。早朝6時半からの戸隠神社社殿での奉納神楽も鑑賞。天照大神がこもった岩戸を、天手力雄命が投げたものが、はるか信濃の戸隠の地に落ちたという神話伝承を、神官と地域の少女の巫女が踊り演じます。山岳信仰の地ならではの、奥深い文化を感じました。

 民宿の女主人は、新幹線が長野まで通じて日帰りも可能になったことで、宿泊客が減ったこと、スキー人口も減ったことで、経営は大変だと話していました。

 山間の集落ごとのバス停や店の壁などに日本共産党の衆議院候補のポスターが貼られており、「ここでもがんばっているな」と励まされました。


大いに対話し、訴えたい    (08年5月9日)

 清瀬市の農協支店で、都市農政推進協議会会長の岩崎さんらと懇談。ざっくばらんに2時間もの交流となりました。ここでも、後継者問題、税金問題が大きいこと。地方とは違う都市農業独自の問題があることなどが話されました。

 「農家としては、安心、安全な農作物の供給に責任を負う。農地の保全にも努力する。行政は、消費者とどうつなぐかの仲介役をもっと果たすべき。農業のある街づくりといいながら、農業予算がわずか2%では、いかがなものか。」「地産地消で学校給食とむすぶには、何が必要か」「先代までの農業で、落ち葉や生ごみなどの堆肥で地力を貯金してきた。自分たちの代でその貯金を下に、マルチ農法で栽培してきた。次の代はどうするか」「農家として低農薬に努力してきたが、一方で大気汚染は、農作物が吸収するという問題。水問題も含め、総合的な見地が必要」などの問題意識も交わされました。

 農業問題は、日本社会の土台問題として、奥が深いものだとつくづく思います。

 夕方からは、清瀬市議団のみなさんと、駅頭で後期高齢者医療制度の中止をもとめる宣伝署名行動。日本共産党は、撤廃の一点での国民的共同をよびかけるアピールを発表しました。この問題でも、改めて多くの方と対話したいと思っています。


こんな制度を通すなんて野党も悪い?  (08年5月10日)

 きょうは、東村山市の青葉町で「みんなで語ろう くらしと政治INあおば」に参加。生活道路の整備がおくれていること、火災報知器の設置義務問題、地上デジタルテレビジョン放送問題、ストマ(人口肛門)の保険適用など、身近な生活要求もつぎつぎに出されました。

 一番議論が集中したのは、やはり後期高齢者医療制度問題。65歳から対象になる障害者の方、息子の被扶養者だったのがわずかな年金から介護保険料とともに天引きされることになった方、定額制による診療内容への影響を心配される方など、どれも切実で怒りをこめた発言でした。「88歳の方が、米寿を祝うどころか生きていてつらい。死にたいといっている。お年寄りをやっかいばらいの制度は本当にひどい」など。この制度については、学習会をひらこうという提案がありました。

 「こんな制度を通してしまうのは、野党も悪い。宣伝が足りない。国民に広く浸透するようなとりくみをしてこなかったのが問題だ」という発言には、日本共産党ががんばってきた姿をぜひ知ってほしいと思いました。医療解体をすすめる政治に対して、「誰でもいつでも保険でよい医療を」と対決してきたのが日本共産党です。2006年の医療改悪法案に正面から論戦したのも日本共産党。地方議会でも論戦し地域の宣伝署名もとりくむなど、今の世論の高まりに果たした日本共産党の役割は大きいと思います。

 民主党は法案に反対はしましたが、その国会論戦は、法案の核心である患者負担増、病床削減,後期高齢者医療制度などにふれないもので、医療専門誌に「かえって『総論賛成』という印象を国民に与える」と指摘されるものでした。そもそも、民主党は、日本経団連に「政府の医療費給付費より抑制する」と公約し、「包括払い制度の推進」「入院用ベッドの44万床削減」を提唱するなど、医療切捨てを与党と競い合う立場です。

 もちろん現在は、野党4党で後期高齢者医療制度の廃止法案を共同で国会に提出しています。私たちもこの共同を大切に、国民的な反撃をしなくてはならないと思います。

 目を向けるべきは、与党の卑劣さです。2年前に決めながら、制度の中身を国民に知らせるのは直前。保険料額も天引きされて始めて知るという事態、診療内容がどうなるのかいまだに周知徹底されていない状態です。とにかく廃止まで追い込みましょうね。


意気盛んな土建組合のみなさん   (08年5月11日)

 東京土建組合村山大和支部の創立40周年記念式典に日本共産党として招かれ、あいさつをさせていただきました。

 あいにくの雨で冷え込んでいましたが、東大和市中央公民館を会場に、周辺にはたくさんの模擬店も出、活気づいていました。東京土建の中央役員の方からは、30万人の土建労働者の過半数15万人の組合をめざしていることもうかがいました。

 テントであいさつをすると、すぐ立ち話の政治談議になります。自民・公明政府への怒りがふつふつたぎっているのを感じます。

 会場でいっしょになった武蔵村山市の竹原議員と村山団地に回りました。前日後期高齢者医療制度中止の署名用紙を配布してあった号棟に回収に回る予定になっており、それに同行ささていただきました。すでに署名して待っていてくださったり、その場で書いてくださる方など、関心の高さを感じました。


早く2大政党になればいい?  (08年5月11日)

 東大和市の向原・東街地域の「ズバリ!そこが聞きたい」つどいに参加。案内を地域に全戸配布したとのことで、互いに知らない方も多かったようです。ここでも、シルバーパス、多摩格差、都営住宅の承継問題、後期高齢者医療制度など、たくさんの要望や意見が出されました。なかには、「野党の方に、はがゆいところがある。きょうは、聞きたいことを箇条書きにしてきた」と、憲法、BSE、アフガン給油、ODA、思いやり予算の5点で日本共産党の見解を質問した方もいました。

 政治を変えたいという思いは、参加者共通です。「こんなひどい政治なのに、なぜデモや集会をやらないのか」という意見も出ました。さらに、「共産党はなぜ伸びないのか」「野党が団結して与党に対決すべき。統一戦線政策が弱いのでは」「2大政党にしたほうがいいのでは」「共産党の立候補は自民党を応援しているようなもの」などと続きました。

 これらの意見は、これからの日本をどうしていくのか、どうすれば変えられるのかにかかわる大切な問題です。こうして国民的な議論が深化してきているのだと思います。

 私は、日本共産党が統一戦線の立場を綱領にも明記し、党として門戸は開いていること、しかし、国政選挙で政策上民主党と共闘する条件がないことを話しました。さらに自民党と民主党という二大政党制づくりが、財界のてこ入れで推進され、どちらが政権についてもアメリカいいなり、大企業中心の基本路線で変わらない受け皿作りになっていることを話しました。選挙では対決ポーズをとっても、昨年秋の「大連立」騒ぎにみられるように、連立や政界再編の可能性は色濃くあります。この2大政党が小選挙区制という選挙制度で支えられているのです。

 参加者から、「国政も地方政治も変えるのは国民だ。国民が責任をもって選ぶべきだ。汚職で辞めた議員でもまた選んでいるじゃないか」と発言がありました。本当にそのとおりです。私も率直に、党としてがんばる決意とともに、外から叱咤激励するだけでなく、国民が政治を変えるために、党に入り大きくしてほしいと訴えました。


命の計算     (08年5月15日)

 後期高齢者医療制度廃止を求める署名2万3千筆を、国会にもちよりました。小池晃参議員、笠井亮衆議員も参加して、この制度廃止までさらに運動をひろげようとエール交換。

 三鷹市会議員の大城さんが、署名用紙を入れた袋に書き付けられた声を紹介してくれました。「年寄りにとって住みにくい現在の環境を長年にわたってつくってきた自民党政治に対し、憎しみ以外に表現のしようがありません。自民党員は羞恥心の持ち合わせがないように思います。食べるのがやっとと思われる年金から、かってに医療保険料や介護保険料を差し引いて、介護の現場は見るに耐えない欠陥商品で、この制度をつくった方々は、何と感じているのか、憎しみと怒りが残るだけです」。

 私も、保険料負担の具体的な実態を聞き取り調査してきました。家計簿をもとに、電卓で計算します。清瀬市の夫婦と娘さんのそれぞれが障害をもつ3人家族の場合。昨年度の医療と介護の保険料、利用料と窓口負担の合計が83万円で、年金収入の2割以上。家賃や水光熱費、食費など必要経費をのぞけば、まったくゆとりがありません。

 妻は78歳で後期高齢者。夫は71歳の障害者で75歳制度に移行するかの選択が問われました。移行すれば3人で4万7400円増、娘と二人で国保に残っても2万7200円増。移行しないことにしましたが、負担増に変わりはなく、4年後の移行時には保険料はもっとふくらむしくみです。「数年で生活保護を受けざるを得ないでしょう」。

 実態を聞かせていただいた方たちは、年金収入も支出の中身もあけすけに教えてくださいます。もう隠すものもないほどぎりぎりの生活ぶりです。電卓をたたきながら、政府が社会保障2200億円毎年削るその先で、こうして命が削られていると感じます。

 今度は、億と兆を単位に、政府のお財布を計算してみたいと思います。どこにムダ遣いがあるのか、どこに本当の財源があるのかを。その方が、ずっと希望が持てるでしょう。


中国四川省大地震募金も寄せられました    (08年5月16日)

 きょうは、東村山市内で後期高齢者医療制度問題を中心に宣伝行動。夕方は、市議団と地域後援会のみなさんといっしょに、新秋津駅で署名も訴えました。

 1時間で100名近い署名。同時によびかけた中国四川省大地震とミャンマーサイクロン災害への救援募金も、5千4百円寄せられました。あたたかい心を感じてうれしかったです。


今子どもたちに必要なのは何か   (08年5月17日)

 武蔵村山市の大南地域の市政懇談会に参加。

 「市は、子どもの学力をあげるためにどんな対策をとっているのか」という発言がありました。

 籾山市議からの市政報告では、市が今すすめているのは、エリート教育のモデル校として「小・中一貫校」をつくること。隣接する小学校と中学校を合体して、冷暖房完備の重層体育館、エレベーター設置、芝生の校庭など豪華な施設建設に15億円を投入、カリキュラムも在学中に英検3級をめざし、銀行と連携した金融セミナーなども検討しているという特異な内容です。この学校だけは市内全域から通学を認め、他校では禁止しているバス、自転車通学、マイカー送迎も検討するという特別待遇です。

 他の小・中学校の施設改修要望は先送りされ、耐震化も全校の体育館をはじめ校舎の未実施も残されたままです。学校での消耗品や図書費に使われる学校配当予算も削られています。同じ市立学校で、意図的につくりだされる差別と格差は、まったく許せません。

 東京都が先行し、全国でも実施されるようになった学力テストが引き起こした自治体間の順位競争。多くの自治体で市独自の学力テストを実施したり、進学塾の講師を招きいれたり。そしてどこでも、学校が使える予算は削られ、施設整備は遅れたまま、統廃合も強行。

 どの子も豊かに学べるよう、今何が必要なのか。大いに議論が必要です。そして何よりも急がなくてはならないのが、30人以下学級実現ではないでしょうか。東京都にせまるとともに、国の制度として確立する必要もあります。


「原爆で死ねばよかった」    (08年5月18日)

 清瀬市の台田地域のつどいに参加。タイトルは、「どうなっている日本、どうする日本!『一票一揆』の世直しへ、みんなで語り合おう」。

 先日の武蔵村山市での懇談会の直後に、参加していた77歳の女性から、話しかけられました。「後期高齢者医療制度は、本当に許せません。私は長崎で被爆しました。たくさんの病気をし、苦労してきました。この年になって、国からこんな扱いを受けるなんて。いっそあの原爆で死んでしまえばよかったと思うんですよ」。私は息がつまりました。

 きょうのつどいで、その声を紹介しました。私は練馬区に移動しなければならず途中で退席し、後で聞いたのですが、この声をめぐって意見が交わされたそうです。同じく被爆された方が、「そんなことを言ってはダメ。生き抜いて、みんなに語ってほしい」と。もう一人は、「私はその女性の気持ちがよくわかる」と。

 いずれにしても、ここまで高齢者の心を傷つけているのが今度の制度だということです。被爆者の女性は、最後にこう話されました。「かかりつけのお医者さんも、この制度はひどいと言っています。そのお医者さんから、『選挙ですよ。そこで決着をつけないとね』といわれたんですよ。共産党に本当にがんばってほしいと思っています」。

  (写真は、練馬区中央後援会で)


「生活がかかっているものが応援するほうが強い」  (08年5月19日)

 6月15日投票の港区長選にむけた港民主区政をつくる会の決起集会であいさつ。日本共産党地区委員長の金子たかしげさんが立候補します。

 六本木の森ビルに代表される超高層ビル群。「国際競争力」の名で国も東京都も規制緩和で大規模再開発を後押し。区の「まちづくり」方針から「住み続けられる港区」の文言が消え、再開発に今後9年間で200億円もつぎ込む計画です。「江戸っ子」にたいして「芝っ子」と呼ばれる地付きの区民が追い出されています。一方で福祉は削られ、住民サービスの民間丸投げが進行。金子さんの「再開発よりくらし優先へ」との力強い決意表明に、会場は熱い熱気で応えていました。

 グループホームの介護職の若い男性の発言が心にひびきました。グループホームの夜勤は一人で9人の利用者を介護。「現場は悲惨という言葉が合う」。夕方4時半から翌朝9時半に職員が出勤してくるまで、17時間拘束されて手当ては3500円。1時間あたり205円。給料を上げてほしいが、介護職給与が利用料と介護保険料からの給付でなりたっているため、利用者負担につながります。「どうすればいいのか。せめてもう一人職員が増えるだけでも今よりいい介護ができる。本当にせっぱつまっている。福祉問題は死活問題だ。オール与党の相手陣営が強いのではない。生活がかかっているものが応援するほうが強い。がんばってほしい」と。


文化後援会のみなさんと新宿宣伝   (08年5月20日)

 新宿駅西口で、文化後援会のみなさんと宣伝。

 民族芸能を守る会の米谷さんは、「庶民の芸能を後の世に伝えたい。世の中が平和であってこそ芸は楽しめる」と。俳人の鴨下さんは、俳句を紹介しながら訴えられました。「重税やうつむき咲きの梅の花」「ワーキングプアと呼ばれふきのとう」「安売りや男も寒い列に就き」「胸よぎる『ムンクの叫び』後期高齢」「手から手へビラ語りだす冬帽子」「大声で読みたき9条青き空」。原水爆禁止運動のなかでつくられ歌い継がれている「青い空は」を作詞した詩人の小森香子さんは、亡夫の友人で82歳の品川正治さんが、「82回9条を守れと講演をして死にたい」とおっしゃっていることを紹介。東京のうたごえ後援会のみなさんが、「青い空は」と「人間のうた」を力強い男声合唱で響き渡らせました。

 私は、後期高齢者医療制度の廃止と、若い人たちの世界一高い学費や劣悪な労働条件打開を訴えながら、いっしょに未来をひらこうと呼びかけました。

ずっと聞いてくださっている方もいました。


「アメリカいいなりを抜け出れば、どんな可能性が」?     (08年5月21日)

 東京の労働者学習運動にたずさわる人たちの「明日を語る仲間の会」主催の集まりに参加。仕事帰りの人、遠くから駆けつけてきた人などで、楽しい語らいの場になりました。

 一つ話題になったのが、「アメリカいいなり」をめぐって。「日本の支配層がアメリカへの従属にしがみつくメリットはどこにあるのか」「アメリカいいなり状態をはずしただけでも、大きな影響があるのか」。

 「アメリカいいなり」の根幹にあるのは安保条約です。戦後直後のアメリカの全面占領期につくられた従属の体制が、この条約を軸に今なお続いているのが日本の一番の問題です。この条約を国民に知らせないまま単独で署名したのが吉田首相、今の安保条約に改定したのが岸首相。アメリカによって免罪された戦犯勢力が政界中枢をにぎり、2世、3世議員や首相を生み出す人脈を構成しているのも異常です。

 日本財界総本山の日本経団連役員企業が外国資本の比重を高めていること、現会長の御手洗氏は以前アメリカキャノン代表、前会長の奥田氏はアメリカトヨタ代表だったことなども紹介されました。

 軍事的にも経済的にも政治的にも、このアメリカいいなりの枠組みから抜け出れば、どんなに豊かな可能性が開けるでしょう。南米の活気あふれる自主的経済運営、東南アジアの平和の共同体運動、EUの地球温暖化問題などで見せるイニシアチブ。憲法を生かし、経済力を生かし、世界の進歩的流れと合流できれば、世界全体にも貢献できます。

 「日本は、もっと国民的に議論すべきでは」。本当にそのとおりです。日本の今とこれからをみんなで熱く語り合いたいですね。この場でも、労働者の搾取、後期高齢者、農業、教育と話題はつきませんでした。


「後期高齢者医療制度は、まだよくわからない」  (08年5月23日)

 東大和市で吉野議員と各老人クラブ会長宅に、日本共産党の新しいアピールを届け、懇談しました。

 「すでに地域の団体から頼まれた署名をあつめた」「戦争であちこち体を悪くしている。いっそ戦死してしまえばよかったなどと話している」「今の負担でも、夫婦二人で1年のうち1ヶ月は食べないでいるようだと話している」などの声がありました。

 でも一方で、「あきらめていて、話題にならない。制度が始まったばかりで、実感としてわかりにくい。どれだけ保険料が上がったのか、計算していない」「負担増なのかどうかよくわからない」という状態もあるようです。

 ていねいなとりくみが必要だと思いました。(写真は、東大和市駅での宣伝)


「希望がもてない政治は変えよう」  (08年5月24日)

 練馬駅からはじまって、国立駅まで主要駅宣伝。

 国分寺駅でごいっしょした川合市議の演説で、国分寺市の28の老人クラブのうち24のクラブ会長が連名で後期高齢者医療制度廃止を求めるアピールを出したのを知りました。請願署名にもとりくんでおられるとのこと。「すごい!」と思わず声に出してしまいました。

 私は、後期高齢者医療制度問題とともに、若い人たちにむけ、政治を変えようと訴えました。今の「構造改革」政治の一番の犠牲者は青年です。「世界一高い学費」に学びの進路を閉ざされ、人間らしい雇用の場が壊され、一番の貧困と格差に苦しんでいます。

 いつまでもアメリカいいなりの日本であってはならない、いつまでも大企業中心で国民が犠牲になる政治であってはならない。政治を変えるのは私たち国民。その希望を若い人たちと共有したいと思います。


憲法ミュージカル「ロラ・マシン物語」  (08年5月24日)

 感動の舞台でした。人間の尊厳と正義を問いかけ、100人の市民キャストの迫力ある歌と踊りが客席を圧倒します。

 13歳のとき、フィリピンを侵略した日本軍により目の前で父の首をはねられ、2年間も「従軍慰安婦」として拘禁されたトマサ・サリノグ(愛称ロラ・マシン)さん。16歳で解放された後も心の傷を抱え苦しみながら生きてきました。トマサさんは、1992年に50年間の沈黙を破り、「慰安婦」とされたことを名乗り出ます。他の被害者とともに東京地裁に提訴し、2000年女性国際戦犯法廷で証言。2007年4月に78歳で他界。

 「安倍首相、私たちが語った真実を認めるよう、あなたへ要請します。それが、私が祈り求めてきた正義です。私たちは日本の平和への取り組みについて知っていますが、正義がなければ世界で平和は実現されません。私が死ぬ前に正義が実現されることを願います」。昨年3月末、亡くなる直前に日本の安倍首相あてに出された手紙です。彼女の願いはまだ聞き届けられていません。

 舞台を通じて、フィリピン、韓国、台湾、中国などアジア各国で日本軍の性奴隷とされた女性たちの告発が、それぞれの国の民主化運動の前進を背景にしていることに、改めて気づかされました。私たちの国、日本はどうなのかと問いただされる思いでした。日本政府の態度を変えさせる責任は、私たち国民にあります。


「やっぱり30人学級だ」    (08年5月25日)

 先生たちの集まりに参加しました。発言のなかで、貧困家庭のひろがりと30人学級が話題になりました。

多くの市で、就学援助基準を生活保護基準の1.1倍など、ほとんど変わらないところまで下げています。それでも、児童の中での比率が6割という学校もあるなど、深刻化しているようです。家庭訪問で、ドアを開けるだけでその実態がわかるとのこと。

 雑誌『週刊東洋経済』5月17日号が、「子ども格差」を特集しています。「今のニッポンには私立小学校受験に350万円もかけてもらえる子どもがいれば、中学3年生になっても九九ができない子どももいる」。表紙に踊る言葉はショッキングです。

 こんな時だからこそ、どの子も基礎的な学力を身につけられるように、手厚い支援が必要です。それなのに、政府は文教予算を毎年削減し、5兆円の軍事費よりずっと少ない。地方自治体の教育予算も削られ、図書をはじめ学校の備品もお粗末。憲法上無償のはずの義務教育での重い父母負担も解消すべきです。

 広がる学力格差の解決のためにも、やっぱり30人以下学級だと思いました。定数40人は、教室ではすし詰め状態です。学校の統廃合などで増えている大規模校。美術などの専科教師は、40人近い生徒を10クラス担当することも。一人で400人の生徒を相手にします。30人以下学級だと、それが例えば260人に。この違いは大きい。

 30人以下学級は、全国で東京都だけが拒否しています。先生たちは200万人を目標に署名運動を始めています。ぜひご協力を。


「問題のある制度」で一致   (08年5月26日)

 町田市の老人クラブ連合会役員会と医師会長を訪問し、後期高齢者医療制度廃止での共同の申し入れをおこないました。殿村、佐々木市議、古橋小選挙区候補といっしょです。

 それぞれ「大事な問題であり、検討したい」「朝からテレビにかじりついてみている。超党派でとりくんでほしい」(老人クラブ)、「問題のある制度であり、長く持たないでしょう。現在アンケートで意見を集約している」(医師会)などの回答でした。

 本当に熱い国民的課題になってきたと実感します。これまでの垣根を越えた共同を広げたいと思います。 (写真は、練馬区での宣伝)

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「国民の力ですよ」            (08年5月31日)

 東久留米市の社会保障推進協議会と年金者組合が主催した「今、日本の医療のあり方を考える」勉強会。雨の中を70数名が参加。私も、日本医師会代議員で前医師会長である尾崎治夫氏の小気味良い講演に、医療のあれこれが整理された印象でした。

 「医療費亡国論」に対して、「日本の医療費は本当に高いのか?」と問いかけ、OECD加盟24カ国中22位であること、国民医療費32兆円に対して、パチンコ産業30兆円、年間レジャー費72兆円と、国民の遊興費のほうがはるかに多いと指摘。国の借金の増加も2005年の国の国債・借入金伸び45.9兆円にたいして、社会保障費伸びは0.3兆円。医療費の増加が借金増の原因ではないと反論されました。

 アメリカの医療と日本の現状の問題を解明した後、「では、日本の医療をこれからどのようにしていけば良いのか」と問題提起。「医療を経済にあわせる(現行のやり方)のではなく、経済を医療にあわせる」「皆保険制度を堅持するために、欧米先進国並みにGDP比を現状の8%から2%あげて10%にするためには医療費40兆円(プラス10兆円)が必要」「医療費増で医療スタッフや施設を確保し、雇用を増やし経済の活性化にもつながる」と。

 質疑応答の最後には、「医療をどうするかを決めるのは国民の力ですよ。EU型の社会保障、教育、医療を大事にする国にする必要がある。後期高齢者医療制度だけではなく、来年からの70~74歳の2割負担問題もしっかりとりあげてください」と。

 みんなが励まされる内容でした。