Planning45 【工事請負契約 基 打合せ#2】

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地鎮祭の翌日,T社H氏にご足労頂いて契約の概要について説明して頂きました.
早速前日に行った打合せの内容(【工事請負契約 基 打合せ#1】参照)を盛り込んだ見積書を持参してくれました.

懸案であったペアガラスの価格については,見積書に転記する際にサッシの価格を二重に計上してしまってあったとのことで,前日の見積より約80万円ほど下がっていました.
…と言うことは,最初に単板ガラス→ペアガラスとするために+60万の参考価格が出ていたのが,前回の見積で+100万になり,そこから−80万になったので,実質的に単板ガラス+20万でペアガラスに変更できる計算です.
これはこれで「本当にこれでいいの?」と思わないでもないのですが,まあ,安くペアガラスに変更ができるのであれば,こちらとしてもうれしい限りです.
ちなみに,+60万の時は雨戸を中止すると思っていたので網入りガラスにしてあったものを,今回雨戸が復活したので網を抜いたとのことでしたので,全く同じ仕様のガラスではないようです.

梁上笠木水切りとデッキ下コンクリートの件も,こちらの意向を汲みして見積もっていただけましたので,納得できる価格になっていました.
もちろん砂利敷きの部分はN建築士の指定の石になっていたので,その分の減額効果もありました.

さて,金額的な内容は概ね解決できたように思いますので,続いて契約約款の内容についてです.
T社は”民間(旧四会)連合協定 工事請負契約約款”を使っているようなのですが,これだけ読んでもよく分かりませんから,Webで他の約款を検索して調査しておきました.
比較対照としたのは,”財団法人 住宅保証機構”の”住宅完成保証制度/工事請負契約書・工事請負契約約款”で,住宅性能保証制度のものではないのですが,大部分は参考になりました.
”住宅金融公庫”監修の契約書と約款も参考にしようと思ったのですが,あいにくWeb上で全文を見つけることができず,また,これを購入しようにも時間的に入手することができませんでしたので,今回は上記のものとの比較だけを行いました.

素人判断ですが,概ね同じ内容ではないかと思います.
素人でも分かる違いは,”履行遅滞・違約金”の条文で,遅滞日数1日につき,民間連合協定では4/10,000,住宅保証機構の方では1/1,000であったことくらいです.
この件は当日時間的に説明を受けられませんでしたので,後日メールで確認しました.
まだ結果を貰っていませんが,返信あり次第追記します.

↑↑↑【追記】↑↑↑
住宅金融公庫・監修の約款によりますと,違約金は”請負代金に年14.6%の割合を乗じて計算した額の範囲内”と言うことになっているそうです.
…ということは,1年を365日として,  になりますから,民間連合協定のものと同じ率でした.
住宅保証機構のものがなぜ若干高めなのかは分かりませんでしたが,民間連合協定と住宅金融公庫が一致しているという点で安心感はあります.

次いで可能な限り条文を理解しようと試みました.
持って回った言い方で取っつきにくいですが,まあ何とか分かったような気がします.

最近欠陥住宅問題等が社会問題化しており,”瑕疵の担保”の部分は詳しく説明を請いました.
2000年4月1日に施行された”住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)”を簡単に言うと,”新築住宅の取得契約において,基本構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分)について10年間の瑕疵担保責任(修補請求権等)が義務づけられる”というものです.(以下”法的な10年保証”と呼びます.)
どちらの約款にもこの件についての記載があったのですが,気になるのは”実際に保証してもらえるのか”と言うことです.
この点について直接質問しましたが,「胸を張って保証しますと言いたいところですが,残念ながらそうもいえないのです…」とのお返事でした.
Hydeとしては,「法律で保証せよと言っているのだから保証してくれて当たり前じゃないか!」と思うのですが,実際には事は単純じゃないようです.
もしも工務店が倒産して存在しなくなっていたらどうなるか…保証してくれる工務店が既に無いのですから泣き寝入りです.
工務店が健在でも,欠陥を修繕するために莫大な費用がかかる場合,無理して行えば倒産にもなりかねなかったら,工務店側としては直したくても直せない状況になるかもしれません.(これはかなり善意の解釈です. 実際には直したいなんて思わないでしょうから…. これは別にT社の姿勢を非難している訳ではなく,常識的に考えて,工務店側が損するようなことを好んでしたがることはないだろうと言う意味です.)

実はこの点が気になっていたのは,相見積を取る際に”財団法人 住宅保証機構”の”住宅性能保証制度”(以下”保証機構の10年保証”と呼びます)を利用できる工務店かどうかをN建築士に確認したことがあり,今回お願いする予定のT社もこの制度に加盟していることが分かっていたのですが,N建築士の減額案でこの保証部分が削られてきていたのでした.
T社が手抜き工事をすると思っている訳ではないですし,さらにN建築士の監理が入りますので滅多なことはないとは思うのですが,お願いする以上きちんとした確約が欲しいのが本音です.
”法的な10年保証”が制度化されており,これによって保証されるのであれば,敢えて有料で”保証機構の10年保証”を付けなくても良いかと思っていましたが,T社としては「保証できます!」と胸を張って返事できない様子ですから,こちらとしても自衛の手段を講じておくに越したことはありません.

ちなみに,”保証機構の10年保証”の保証料は誰が払うべきかと言うことになるのですが,工務店が健在であれば,この保証制度によって修繕費用の80%が支払われる訳ですから,負担が軽減されるのは工務店に他なりません.
しかし工務店が倒産してしまった場合には,補修費用を全額施主が負担しなければならないところ,80%が保証機構より補填されますので,施主側の負担は実質20%で済みます.
前者であれば工務店が払うべきだと思いますが,後者であれば自分のために掛ける保険という意味合いが強くなります.
さて,工務店が保証料を払った場合,その出所はどこになるかということですが,工務店の利益は契約した施主からの工事代金として発生する訳ですから,保険を掛けた分の利益を守るためには,施主に対して工事代金を増額してくるでしょう.
見積内の項目数は400〜500程はありますから,それらの中に保険料相当額を分散して潜り込ませることは造作もないことでしょう.
結局なんのかんの言っても工務店側は商売ですから,結局は施主側が負担する事になるはずです.
そう考えた時,うやむやのうちに保証料を払わされるのではなく,別項目として見積書に保証料の金額が書かれていた方が,Hydeとしては透明な見積書であると感じました.
付ける付けないはこちらの考え方次第と言うことになりますから….

もう一つ保証が絡む案件があるんです.
Hyde達の土地は地盤改良(表層改良)を行うことになっているのですが,これを専門の業者(10年保証つき)に依頼するか,基礎屋さん(特別な保証は無し)に依頼するかで見積額が違っていました.
地盤改良工事も”法的な10年保証”の中に入っているはずですが,住宅の躯体以上に修繕費用がかさむ部分であると思われます.
家の礎になる部分ですから,ここに問題が発生したら家自体に深刻なダメージを与えるのは想像に難くないです.
この部分も減額の際に安価な方にしようかと思っていたのですが,色々調べて保険を掛けておくべきところであると感じました.

T社は地盤改良工事の見積を地盤改良の専門業者(J社)に依頼しており,その見積が高いところを如何に安くできるかと言うことでいろいろ交渉していただいたようでした.
実際にJ社の見積書を見せて頂きましたが,T社の見積金額はJ社のものより低い価格で提示されていました.
H氏の話によると,全てをJ社に任せるのではなく,J社の指導(?)のもと,人的労働力等をT社から提供する代わりにコストダウンを図ってくれたようです.

T社H氏自身も一級建築士で,自社の設計・施工物件を扱っておいでです.
自社設計の場合には”保証機構の10年保証”と,必要があればJ社の保証付の地盤改良をお願いしていると言うことで,第三者機関による保証を推進したい考えであるそうです.
Hyde達の場合,これらをあわせると見積金額の1%以上の費用負担になるのですが,両者とも10年間保証期間がありますから,1年あたりで考えれば自動車の任意保険よりもずっと安い保証料です.
幸い最初に書いたとおり,見積金額自体減額されてきていますので,自分を守る意味での保険として,これらは保証付のもので行くべきではないかと考えました.
ここまで話をして,後は支払い条件とか工事工程表などの確認をしましたが,T社H氏は「本日は説明のつもりで参りましたので,実は印鑑等は持参していないのです.」とのことでしたので,またまた契約は延びてしまいました.
1週間後には工事が始まる予定なのに良いのかな?

後日N建築士にも相談しましたところ,「10年保証の件ですがつけておいた方が宜しいかと思います。これからはだんだん一般的になってくると思います。」との事でしたので,正式にT社に”保証機構の10年保証”と”J社による保証付き地盤改良”を依頼するメールを送りました.
次回こそいよいよ契約(のはず…?)です.


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