ここでは,融資・共有持分に関してHydeが調べ,考慮した点を紹介します。
【ご注意】 |
Hyde達は都市公団の土地分譲によって土地を求めました。
現金でポンと買えればうれしいのですが,逆立ちしたってそんな資金は出てきませんので,融資を受けることになりました。
当初,土地代金の支払いも含めて財形住宅融資1本で行こうと考えていたのですが,財形住宅融資の実行はどんなに早くとも上棟後(”中間資金の受け取り”を利用した場合)になってしまい,とてもではないですが都市公団の支払い日程には間に合いません。
一応銀行に「財形住宅融資が支払われるまでの間,つなぎ融資してくれないか?」と聞いたのですが,「できません!」の一言で終わりでした。
そこで,他からの融資を検討したわけです。
都市公団の土地代金の支払いには二通りあり,一つは一括払い,もう一つは都市公団の割賦払いの利用です。
都市公団の割賦払いを利用せず他からの融資で支払う場合には,一括払いを選択する必要があります。
融資として検討したのは都市公団の割賦払いと銀行ローンです。
以下に両者の比較を掲載します。
以上のような観点から,Hydeは都市公団の割賦払いを選択しました。
内容 都市公団の割賦払い 銀行ローン 融資限度額 土地の価格−約200万円 土地の価格の8割 審査 都市公団の土地購入資格と同じ 必要 金利 10年まで 2.85%
10年以降 4.00%商品によって様々
長期固定金利は少ない返済期間 最長 30年 最長 35年 繰上返済手数料 不要 必要な場合も不要な場合もある 団体信用生命 任意
(金融公庫の様に連名で加入できない)不要
(金利に入っている)保証金 不要 場合によっては必要な場合もある 抵当権設定登記
登録免許税不要 必要 名義人 本人のみ
共有名義人(妻)は連帯債務者となれる本人のみ
妻は連帯保証人になる住宅ローン減税 連帯債務者は受けられる 連帯保証人は受けられない
- 返済期間
- 都市公団の割賦払いを利用する上で,これが一番のネックになりました。
返済期間が最長30年と他の融資(財形住宅融資や銀行ローン)より短いので,それに伴って月々の返済額がアップしてしまいます。
しかし逆に考えれば,返済期間が短いので,その分の金利を支払う必要もなくなるということですね。
シミュレーションの結果,月々及びボーナス時の返済額がかなり増額することになりますが,どうにか返済できる額であると判断しました。
- 審査
- 都市公団の場合,土地の購入資格があれば,無審査で割賦払いを利用できます。
銀行ローンの場合,当然審査が必要になってきます。
審査のためには土地の契約が具体化していなければなりません。
都市公団の土地分譲の場合ですと,資格確認が終了している必要がありました。
しかし資格確認時には支払い方法を決定している必要があったので,この時現金払いを選択して,万が一銀行ローンを受けられなくなった場合には,せっかくの当選が水泡に帰してしまいます。(申込金の\50,000もパー)
これはどうしても避けたかったです。
確実性を優先させるなら,都市公団の割賦払いを使うしかないと言うことです。
- 融資限度額
- 1,000万円以下の土地でもない限り,都市公団の融資限度額は魅力です。(但し年収による制限あり)
銀行融資の場合には,金融機関にも依るでしょうが,土地代金の8割までが融資限度とのことでした。
仮に3,000万円の土地の場合,都市公団では手持ち資金が約200万円あれば済むところを,銀行ローンでは約600万円必要になる計算です。
この時借入額を極力減らしておく方がよいのは分かっていましたが,その後に控えている建築士との契約や,家屋の新築,新居へ移り住んだ際に必要になる家具・設備等の購入など何かと物入りで,手持ちの現金を少しでも残しておきたいとの考えがありました。
- 繰り上げ返済手数料
- 都市公団の割賦払いの場合,繰上返済手数料がかかりません(ただし50万円以上10万円単位でしか返済できません)。
…ですから,まとまったお金の都合がついた場合,一部繰上返済しても,余分な出費は必要ありません。
一方銀行ローンの場合,繰上返済には手数料が必要なところが多いようです。(手数料不要のところもありましたが…。)
ところで繰上返済から話はそれますが,銀行預金してますよね?
何で自分の金を預けてやっている銀行から自分の金を引きだすのに,時間外や休日だからって手数料払わなければならないんでしょうか?
人件費がかかっているし,設備投資だってしているし,理屈では分かりますが,感情的にどうもね…。
閑話休題…
とにかく無駄な手数料は極力払いたくないと言うのがHydeの強い希望だったりします…。
- 金利
- 銀行の金利は都市公団の割賦払いの金利に比べれば魅力的ではありましたが,それらは長くても5年程度までの固定金利でした。(5年間の固定金利といえば財形住宅融資と同じなのですが,そちらに比べるとそんなに魅力的な金利というわけではありません。)
都市公団の金利は有利とは言い切れませんが(10年目で金利が上がります),返済期間を通じて固定金利です。
2002年・2003年は相変わらず超低金利状態ですが,バブル期にはローン金利が7〜8%程度まで上がっていたと聞きます。
今から30数年間,この超低金利が続くのであれば銀行ローンに飛びつくのですが,さすがにそれはないでしょう。
それに,どうしても銀行ローンの方が有利だと思える状態になれば,都市公団の割賦払いから借り換えれば済む話です。
しかし逆はできません。
後になっても選択肢のある方が柔軟に対応できるのではないかと考えました。
- 連帯債務者 vs. 連帯保証人
- 都市公団の割賦払いも銀行融資の場合も(財形住宅融資や金融公庫のマイホーム新築融資等も…),融資限度額の算定にはHyde(本人)の年収にKumadon(妻)の年収を合算して計算することができます。
しかし,都市公団の割賦払いの場合にはHyde・Kumadon共に住宅ローン減税の恩恵を受けられますが,銀行融資では受けられません。(住宅ローン減税の項で後述)
また,連帯債務者であれば不動産を共有名義にした場合,実質的な負担割合に応じた持ち分の割合で登記しても贈与と見なされませんが,銀行融資の場合は,あくまでも融資を受けたのは本人のみであるとの見地から,妻の名義を入れて登記すると,出資金の額によっては贈与税が発生する可能性があります。(共有名義にこだわらなければ問題ないのですが…。)
- 抵当権設定登記 登録免許税
- 税額は本則で債権額の4.0/1,000,但し,住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記の税率の軽減(措法74)が適用されると1.0/1,000になります。
例えば銀行から3,000万円借入した場合,登録免許税額は30,000円になります。
都市公団の割賦払いの場合,住宅金融公庫や財形住宅融資の場合と同じく非課税になります。
さて,この判断が吉と出るかどうか…?
都市公団の土地に限らず,登記時に土地を共有名義にする場合には,共有持分の割合を決定しておく必要があります。
HydeもKumadonも定職に就いていますので,年収こそ多少の違いはありますが(年齢も勤務先も違いますから当然です),二人で共有すべきであると考えました。
その際問題になってくるのが共有持分の割合です。
二人三脚でローンを返していくという考えからHyde達は割合をevenにしましたが,この際以下の点について考慮しました。
- お互いの名義の手持ち資金がいくらあるのか
- 総予算中,手持ち資金以外はローンでまかなうことになるわけですが,手持ち資金の出資額が等しくなければ,ローンの負担割合が変わってきます。
例えば,土地・建物を含めた総予算が5,000万円,夫名義の手持ち資金が1,000万円,妻名義の手持ち資金が0万円であったとすると,ローンに頼る金額は4,000万円になります。
共有持分の割合が1:1だったとすると,それぞれが負担すべき金額は2,500万円ずつになりますが,夫はそのうち1,000万円を手持ち資金として出資しているわけですから,ローンの負担金額は2,500万円−1,000万円=1,500万円,一方妻は一銭も出資していないわけですから,ローンの負担金額は2,500万円−0万円=2,500万円となるわけです。
もしもこのローンの返済額が月々80,000円であったとすると,夫の月々の返済金額を円,妻の月々の返済金額を円とすれば,お互いがevenに出資したことになります。
ボーナス返済がある場合にも同様の割合を掛けて返済額を決定する必要があります。
贈与税の非課税限度額は110万円ですから,ぴったりこの金額を返さなくても贈与税が発生することはないかもしれませんが,他から何らかの贈与を受ける場合もあるかもしれませんし,税務署に痛くもない腹を探られるのは嫌ですから,しっかりと計算をしておいても損はないと思います。
共有持ち分を決めて返済額を計算するスクリプト の部分を適宜変更してを押してください。
の部分は自動的に計算されます。
返済額がマイナスになった場合は,その共有者の現金出資額が多すぎて,希望の共有持ち分にすることが出来ないことを意味します。
- ローンを返し終わるまでお互いの収入から返済可能な額を負担できるか
- 上で計算したローンの負担割合を加味した年間の返済金額が,夫及び妻それぞれの年収をオーバーしていると問題です。
オーバーした分は一方から他方への贈与と見なされてしまいます。
夫婦で定職に就いており,定年までお互い職を離れる気がなかったとしても,何らかの事情で職を離れなければならなくなる可能性も否定できません。
職を離れなかったとしても,例えば妻が妊娠・出産する場合,多くの場合有給である産休以外に育休(こちらは手当は出るが基本的には無休)を取ることになるでしょう。
育休中は妻の年収がガクッと減ります。
最も好ましいのは,年収が減ったとしても,ローンの年間返済額を上回る年収があることです。
この場合は何ら問題は起きません。
年収がローンの年間返済額を下回ってしまったとしても,差額が贈与税の非課税限度額である110万円以下であれば,短い期間のことですし,不足分を夫からの贈与によってまかなうことは可能です。
万が一何らかの事情で一方が職を離れたとすると,そちらの年収は無くなってしまうので,そちらの年間返済額がそっくりそのまま他方からの贈与と見なされてしまいます。
その金額が110万円を超えれば,越えた分については贈与税が発生しますので注意する必要があります。
可能な限り返済負担率の高い方の年間返済額が110万円を超えないようにローンを組むと良いと思います。
また,職を離れる時には退職金が出ることでしょうから,その分を繰り上げ返済して返済負担率を下げることも有効だと考えます。
なお,住宅ローン減税の適用を受けた場合,むこう5年間以内に贈与を受けたとすると,受けた分の贈与税が発生しますので,この点も注意が必要です。
- 土地代金で都市公団の割賦払いを利用し,建物で住宅金融公庫の融資(財形住宅融資を含む)を利用する場合
- 融資を受けた場合,土地・建物には抵当権が設定されます。
土地代金の支払いに銀行融資を利用した場合には,土地に対してまず銀行が第一順位の抵当権を設定しますが,金融公庫と契約した後,金融公庫には第一順位の抵当権を設定する必要があるので,銀行の抵当権は第二順位に下がります。
この金融公庫の抵当権は,建物を建築するための融資であったとしても,土地に対しても第一順位の抵当権を設定しなければなりません。
都市公団は金融公庫と同じ公的機関であるため,割賦払いを契約する際に第一順位の抵当権を設定します。
その後建物を建築するために金融公庫から融資を受けたとしても,都市公団の第一順位の抵当権を外すことはできません。
金融公庫と都市公団と間に取り決めがあり,このような場合,金融公庫は土地に関しては第二順位の抵当権で甘んじてくれます。(建物については金融公庫が第一順位の抵当権を設定します。)
この際,土地と建物を共有名義で登記する場合,土地と建物それぞれの共有持分の割合が一致していなければならないそうです。
最初に土地を登記するわけですが,実質建物の共有持分もこの時決定されてしまいますから注意が必要です。
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