Building21 【大引・束】 04/18/2003・04/19/2003

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04/18/2003

前回の打合せからほぼ1週間.
現場が気になって仕方が無く,午後年休取って見学です.

現場に行ったらなんとN建築士がいるではありませんか!
現場を見ながら色々と話が弾みます.
N:母屋2Fの北側腰窓は,緑道からの視線を外すためにもう少し高くても良いかもしれないですね.
H:でも,高くすると吊り戸棚が高くなりすぎて使いにくくなるかも….
N:それなら窓に微妙な角度を付けたルーバー状の格子を付けましょうか?

N:階段・1Fトイレのルーバーも外からの視線気になりそうですか?
H:目の前のコンクリートが見えるのも味気ないし,目隠しを兼ねて植栽したらいいんじゃないかな?

N:2Fに大型家具を搬入する場合の搬入路も考えた方がよいですね.
H:手持ちの家具は大丈夫だと思いますが….
N:将来買うかもしれないですよ.

N:ハイサイドライトのブラインドと換気扇が干渉するかもしれませんね.
H:細いワイヤーを張ってブラインドが換気扇に引かれないようにガードできませんか?
などなど….
かなりはしょって書いていますが,現場を見ながら話をすると,新たな点が見えてきます.

やはり現場に行かないと分からなかったり,気付かなかったりすることって多いですね.
だからHydeは暇さえあれば(暇を作ってでも)通っちゃうわけです.
やっぱり現場は楽しいですよ♪

Photo Image
基礎の立ち上がり内壁およびその周辺にスタイロフォームが貼られていました.
コンクリート部が露出していますが,コンクリート内にも一面スタイロフォームが施工されていますので,断熱基礎となっています.
大引に直接フローリングが張られていきます.

Photo Image
大引と束です.
高さの調整をしているところで,水糸が見えています.
束の右に見える金属の棒は,基礎コンクリートのアンカーに固定されており,大引を下に引っ張っています.
上からの荷重と下からのテンションによって,大引はしっかり固定されることになります.
この部分は図面には指示が無かったそうですが,棟梁の「こうしといた方がいいだろう」との配慮から施工していただいたそうです.

ところで,色々な建築現場の写真を見ると,束には大抵プラ束や鋼鉄束を使用しているようですが,この家の場合は見ての通り木製です.(材は檜だそうです.)
確かにプラ束などに比べると太さもあり頑丈な印象を受けるのですが,木は乾燥すると痩せますし,白アリ等による虫害を受けたり,腐ったりする可能性もあります.
プラ束や鋼鉄束の場合には高さ調整ができ,虫害を受けたり腐ったりする心配がありません.
ちょっと気になったので仕様書を見ましたが特記はないようです.
契約書添付の見積書を見るとプラ束で見積られていました.
Hydeとしては束の材質が何であろうと,将来不具合(床鳴り等)が出なければよいのですが,敢えて見積に入っていたプラ束を使用せず木製の束とした理由と,木痩せや虫害などに対する耐性がどうであるのかが気になります.

もう一点,この部分で気になった点がありました.
現場で大引の材が何かを聞いたところ,米栂であるとの返事をもらいました.
米栂は白アリに弱いと聞きますので,Hydeは床下に使用する材に米栂を使用することに不安を持ったのです.(白アリの進入路はないような気もしますが…)
契約書に何らかの特記が入っていないかと思い確認したところ,”特記仕様書 木工事”に次のような指示を見つけました.
防腐・防虫の処理 見え隠れ部分の抱水面上に接する部分,及び地盤より1m以内の部分に行うものとする
”見え隠れ部分の抱水面上に接する部分”とは多分土台のことでしょう.
この部分には既に防腐・防蟻剤が塗られてあります.
今回の大引は”地盤より1m以内の部分”に該当するのではないかと考えました.
防腐・防蟻剤を塗った様子はありません.
防腐・防蟻剤は使わなくて良いものなら使いたくはないのですが….

早速(と言っても翌朝ですが…)これらの点についての確認メールを送りました.

↑↑↑確認しました↑↑↑
翌日昼過ぎに現場に行った際,棟梁から「束プラ束にするって連絡入ったけど…」と聞きました.
朝起きてからメールを送ったのですがすでに棟梁に話が伝わっているとは,T社H氏めずらしくレスポンス速いです.
棟梁がおっしゃるには,
  • 現状の(木製の)束はガッチリしているので強度は問題ない 逆にプラ束より強いだろう
    (確かに頑丈そうだ by Hyde)
  • 白アリ等の被害は水気があると問題だが,この基礎なら心配ない
    (外から水が入ることはなさそうなので,給排水管からの漏水がなければ大丈夫そうだ by Hyde)
  • 束が腐る心配も同様にない
  • 木には表裏があり,フローリングや大引は上を木表にしているので,反りが入っても床鳴りがするようなことはない 
    (説明を受けて…なるほど! by Hyde)

    ※ 木表・木裏と乾燥による反りに関してはこのページが参考になります.
それらの説明を受けた後,携帯でT社H氏に連絡を入れました.
見積にあったプラ束が木に変更になったいきさつや,不具合等の起こる可能性について確認し,Hydeとしては敢えてプラ束でやり直さなくても良いと考えた旨,しかしN建築士の判断を仰いでもらいたい旨を伝えました.
防腐・防蟻剤については,公庫仕様では大引に塗る必要があるとうたっていないとのことでしたが,一応契約図面に特記されていることですし,こちらもN建築士に確認を取って指示に従っていただきたい旨伝えました.

↑↑↑メールもらいました↑↑↑
N建築士から大引と束について説明のメールを頂きました.
関係ありそうな部分だけ抜粋します.
■大引について
地盤=土のことです。ですから外壁面以外はベタ基礎+スラブ下断熱+防湿シートで処置できているので防腐防蟻無しで構いません。

■束について
すいません。現場から変更の確認もらってました。特に性能や金額に影響する部分ではないのでお伝えし忘れてました。

メリットも多そうなので最近はプラ束で指定することが多いのですが、実際には規格が現場と合わないことも多く、転びやすく揺れや浮きに対しては弱いといったデメリットもあるので、その都度の現場に合わせて適宜施工者判断で構わないことにしています。
今回もT社H氏からは木製の束にしたいと聞いており、施工者判断に任せる旨を伝えております。
逆にプラ束の方が楽だし安いので木製の束で指示していてもプラ束を用いる現場もあります。決してケチってる訳じゃないでしょう。

腐りや蟻に関してはベタ基礎でスラブ下断熱および防湿処置してますからどちらでも差し支えないと考えています。
経年変化についても床板のSPF自体が素性の良い木ではないので束がプラ束だからといって絶対に床鳴りがしないわけではありません。古くなったらメンテナンスしい限りはかなりの確率で床なりするんじゃないかと思います。
大引に関して,Hydeは”地盤=基礎”と勘違いしていました.
申し訳ないです.
防腐・防蟻処理しないでも大丈夫であるとのお墨付きをもらえましたので,もともと塗りたくなかったし,現状のままで良いと考えている旨連絡しました.

束に関してはN建築士は了解済みだったようですね….
詳細な説明をいただけましたので,これで納得できました.
しかし,プラ束に関して様々なページを見ましたが,デメリットについて書かれているところはなかったです.
まあ,製品の特徴にわざわざデメリットを書くこともないのでしょうが….
床鳴りの可能性はプラ束であろうと木製の束であろうとあるようです.
プラ束なら調整は楽そうですが,自分で床下に入って調整することもないでしょうから(Hydeの体格で床下に潜ったら身動きが取れないと思われます…),不具合が出た時にはどっちみちT社に連絡を入れて調整してもらうことになるでしょう.
メールの最後を,
もしも酷い状況になればT社H氏に床下潜って調整してもらいましょう。(笑)
と締めくくっていましたから,不具合出たらH氏呼ぼ〜っと!

Hydeの心配も杞憂に終わりましたので,今回の件はこれで終了です.

Gallery
Photo Image 04/18/2003

The 仕事人!


その他前回から変わったところは…
Photo Image
母屋2Fのフローリングが完成していました.
すっかり養生されちゃっていて,仕上がりが見られないのが残念です.

Photo Image
フローリングが張られたので,懸案だったあらわし梁とフローリングの間に入れる調整材も確認できました.
ガレージではかなり気になったのですが,こちらはあんまり気になりませんでした.
棟梁が材を選んで目立ちにくいようにしてくれたのでしょう.

Gallery
Photo Image 04/18/2003

離れ側2Fの水回りです.
ポッカリ空いた穴には浴槽が入ります.
左の床は浴室の床で,Building20の根太を渡りあごかけで梁に接合している写真の上側になります.
Photo Image 04/18/2003

母屋側の階段スペースです.
脚立で毎回上り下りしています.
脚立の左側のスペースに冷蔵庫を置く予定ですが,現在使用中の冷蔵庫は扉を右に開くタイプなので,次に買い換えるまではちょっと開けにくいかもしれません.


04/19/2003

今日も行ってしまいました.
昨日はHa-chanを保育園に迎えに行く時間になってしまい,余り現場にいられなかったので少々不完全燃焼気味だったのと,今日はKumadonがHa-chanを連れてお出かけしているので,現場で気兼ねなく見学できるのでした.

Photo Image
フローリングの張り方を変える部分です.
手前側のまだ張られていない部分は,写真の板に突きつけで垂直に張られます.
突きつけられた部分には引き戸のV字レールがのるのですが,レールを留めるために釘が打たれます.
ほぞの部分に釘を打つと,釘の中程が宙に浮いてしまい効きが悪くなりますし,ほぞの部分が割れてしまう可能性もあります.
そこでこのほぞを埋めるために角材を差し込んであります.(下図参照)
細かいことですが,こういったところを先を見越して施工していただけるのはありがたいです.

Photo Image
本実(ほんざね)の接合部です.
この部分もV字レールがのるので突きつけになります.
この断面は,通常の施工時には壁に接してしまうので見ることができません.
ここも手前のフローリングを施工するまでしか見ることができない部分です.

Photo Image
1Fトイレ(手前は洗面)のフローリングが張られました.
養生される前にパチリ.
やっぱりいい感触♪

Gallery
Photo Image 04/19/2003

大引を下方に引っ張るための金属棒はこのネジ穴に締め込まれていきます.
Photo Image 04/19/2003

The 仕事人!


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