Building01 【地盤調査】

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以前建築士お二方に家創りの相談をしていた時,購入予定の土地を実際に見て貰い,地盤は大丈夫そうであると判断して貰ったことがありました.
その後資格確認に行き,「宅地地盤支持力調査結果」なる冊子を受け取ったので,建築士お二方に内容をFAXでお送りし,データを見ていただきました.
その際にも,「概ね地盤には問題なし」との見解をいただきました.

都市公団では,スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)の結果を基に長期許容支持力度を計算し,「宅地造成地盤性能評価基準(案)」に基づく品質目標値の30[KN/m2]以上の推定許容支持力が求められています.
Hyde達の購入予定の土地の場合,擁壁側と画地中央部のそれぞれの推定許容支持力は,52.5[KN/m2]及び43.2[KN/m2]でした.
建築士お二人から「問題ない」と言われていましたし,数値だけ見ると都市公団の品質目標値を上回っているようですので,「さすがに都市公団はしっかりしているな〜」などとお気楽に安心しきっていたのでした.

ある時”住まいの水先案内人”で紹介されていた”Project Esu”を訪れたところ,どうやら未来のご近所さんらしいことが分かりコンタクトを取りました.
HP上にも,ちょうど地盤調査を行った後ぐらいの時期で,その内容と結果が公開されていていました.
Esuさんのところでは,都市公団の「宅地地盤支持力調査結果」では良好な地盤との見解が出されていたにも関わらず,他の調査会社の結果では軟弱地盤であるとのこと….
今回購入した我々の画地は,西側に約3mの擁壁があり,その上にある土地です.
擁壁を造るためにはいったん土をすくって擁壁を築き,そこに土を埋め戻しているはずです.
以前のお気楽な考えに不安の影がよぎりました.

その後,Esuさんのところは地盤改良をするとの決断を下し,その結果が逐次公開されていきました.
人頭大の砕石や錆びたスコップなどが出てきたそうです.
また,この頃になると周囲でも工事を始めるところが多くなってきて,Esuさんからちょくちょく周りの情報を教えて貰いましたが,多くの画地で地盤改良をしているとのことでした.
もうお気楽な考えは吹っ飛びました.
家の間取りの方向性も見えてきたので,N建築士にお願いして地盤調査をすることにしました.
調査日は6月中旬の平日になり,残念ながら調査自体は見学することができませんでしたが,後日詳細な報告書を出してくれるとのことですからあきらめましょう….
ちなみにかかった費用は, 5ポイントで\70,000- + コーディネート料\7,000- + tax でした.

…で,調査後数日経ってメールで状況を確認しました.
N建築士曰く,「まだ、大まかな様子だけしか判らないのですが、芳しくありません。特に擁壁側がかなり悪い様子です。」とのこと.
予想はしていました.
でも,大丈夫であって欲しいとのわらをもつかむ思いがあったことも否定できません.
予算的にかなり厳しいところに持ってきて,さらに地盤改良か!?
お先真っ暗です….

数日後の打合せの時,「地質調査報告書」を受け取りました.
都市公団で貰ったものより立派な冊子で,試験中の写真も貼付されていました.
見に行かれなかったのは残念でしたが,何となく写真を見ると雰囲気は伝わってきました.
でもやっぱり見たかったな〜.

「地質調査報告書」によると,「(5ポイントの)SS試験結果の最小値から,ベタ基礎による長期許容支持力度qaは20.75[KN/m2]程度と算定される.」とのことです.
都市公団の調査ポイントとは違う箇所で試験していますが,それにしても”長期許容支持力度”は半分以下ですよ!?
しかしこの”調査ポイント”の影響はかなり大きいようで,実際長期許容支持力度の算定値が出ていたのは最も軟弱であろうと思われる1ポイントのみで,他の4ポイントについての算定結果が出ていないのですが,試験結果を見るに,この1ポイントの換算N値は他に比べて極端に低いようです.
元々SS試験は簡易な試験方法ですから,正確な意味での「地耐力」を測ることはできないようです.
…で,N建築士の判断は,「構造の専門家と相談した結果,今のプランで建築するのであれば,地盤改良しなくても,基礎形状や配筋等で大丈夫だろう.」とのことでした.
ここはN建築士と構造の専門家さんを信じるしかないですね.

結論 : Hyde達は地盤改良なしで,ベタ基礎でいきます!
【追記1】
構造上,地表改良して対応した方が有利かもしれないとの提案がありましたので,”地盤改良なし”は変更になる可能性が出てきました.

【追記2】
地盤改良をすることになりました.
表層改良工法(土とセメント系固化材を混合攪拌して固化させる工法)を採用予定とのことです.

【追記3】
10年保証を付けるために,鋼管杭工法による地盤補強をすることになりました.
詳しくはPlanning48 【地盤補強】をご覧下さい.

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