トリばあちゃんの部屋


 トリばあちゃんがそばを打っています。
お客さんが来たりすると、いつものうどんに
そば粉が入ります。 今ではめったに作りませんが、
昔は毎日のように作っていたそうです。
このあたりも昔は米があまり取れず、
小麦や大麦が半ば主食でした。
米が食べたくて食べたくて、田んぼがほしくてほしくて・・・
そんな昔話をしながらそばを打ちます。
水を引くのが大変だったのです。
 うどんが名物と言う所は米が取れなかった所です。
今ブームの讃岐うどん。
あの讃岐も水が確保できるまでは
米はなかなか取れなかったのです。
 自分で食べるものは自分で作る。
そうやって生きて来たばあちゃんには、
したたかな強さがあります。
その強さがそばを作ります。
多少幅は不揃いですが・・・
今日はばあちゃんがネギを植えています。
親戚にもらったネギを庭の隅に植えます。
こうやって、こうやって・・・と教えてくれます。
見ているとテキトーです。
家庭菜園のように丁寧ではありません。
植えたって水なんか掛けません。
雨が降ればちゃんと根付くと言う自信があります。
プロですから。
ブドウ園のビニール張りで一休みです。
さすがに疲れたようです。
でも若い者には負けません。
こうやって休みながら次の段取りをしています。
今年はどうだんベー
あの木は植え替えたほうがいいかいのー
そんなことを考えながらノド飴をなめています。
今ちょっと風邪気味で
ノドがいたいのです。
トリばあちゃん、今日はとうもろこしの種まきです。
こうやっていくら作っても、大きくなるのが
楽しみなだけで、いくらも食べられる
わけじゃねぇよ、などと言いながら
出来たら孫にでも送ってやるベーとか言って
種をまきます。
一袋の半分を蒔いて、後はもう少ししてから
隣に蒔きます。芽が出たら、
ビニールに穴をあけりゃいいさ、
そう言って一休みです。
これから105日後収穫できるそうです。
トリばあちゃん、今日は近くの山で木の芽取りです。
車で10分ほどの榛名山のふもとです。
この時期になると心が騒ぎます。
木の芽や蕨などを取るのが好きなのです。
もう出たかいのー、まだだんべーと
とっても楽しみにしています。
今日は袋にいっぱいの木の芽と
少しの蕨やタラの芽が取れました。
腰は曲がっていても、とっても元気です。
帰って早速木の芽は佃煮になりました。
台所はとってもいい香りでした。
ブドウ園の草退治が終わりました。
近頃では草が生えても気にしない人もいます。
でもトリばあちゃんはきれいにしないと
気がすみません。
おらぁ腰が曲がってるから上向く仕事より
下向いて草刈してるほうがずっと楽だ、
とか言いながら延々とやってます。
まぁ、いつかは終えらいのー。
それが口癖です。
この前、家で米をついて、糠がありました。
糠でもくれべーや、と根元に撒いてやります。
もうすぐ芽かきが始まります。
芽かきや房作り、そしてジベ処理〔種無しにするための処理〕袋掛けと
ばあちゃんの苦手な作業がこれから続きます。草刈などはお手の物。
でも、どうしても上を向いての作業はつらいのです。
ぶどう棚での作業にはこんなビールやジュースなどのケースも
役立っています。ばあちゃんには必需品です。片手で体を支えながらでも
作業は若いものには負けません。毎年来てくださるお客様のために
今年もばあちゃんはがんばります。ブドウ園の直売所で
今年も看板娘としてお客さんを迎えます。
でも売っているブドウはこのばあちゃんの手作りブドウなんです。
もちろん私たちも手伝ってはいますが・・・
美味しいブドウが出来ますように・・・
何日も続いたジベ付けでさすがにトリばあちゃん
疲れました。ここはばあちゃんの指定席。
我が家には特別豪華な物は何もありませんが
このマッサージチェアーだけは居間にデンとあります。
27万円もしたんだよー。と言う自慢の装備です。
仕事を終えて、テレビを見ながらついでにチラシも見て
マッサージの気持ち良さについ・・・・・
ばあちゃんにとって至極の時です。
ビールケースの上り下りで足も疲れたでしょう
でもそれが元気の秘訣なんでしょうね
お疲れ様でした・・・
お盆が近づきました。
直売所を娘に任せて、お盆の準備です。
すぐ下のブドウ園の中で、飾りに使う縄をないます。
お盆は直売所も忙しいので、今のうちに作っておきます。
こんなもの、どこでも買えるのですが、
ばあちゃんは毎年作ります。
これからもそうするのでしょう。



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