■満足度・・・8・5(シリーズ1の経験者か否かで評価が変わるかも)
■操作性・・・6・5
■グラフィック・・・8・5
■ストーリー・・・8
■オススメ度・・・7.8
コナミの有名ホラーシリーズの第3弾。
開発中の宣伝の頃から主人公が男性でない事についてかなり賛否両論ありましたが、この「3」は主人公が“彼女”であることが大切だったのだとプレイしてわかりました。
安易に性別をとりかえて新鮮さを出そうとしたのではなく、1,2、3と続いたこのシリーズに一つの結末を迎えさせる制作側の明確な意図が作品にあり、故にストーリーの展開、キャラクターの感情の推移等、かなりの完成度がありました。
ただホラーゲームとしては主人公の少女が性格的に「恐怖に怯え流される」タイプのキャラクターではなかったため(気の強さ度胸の据わり方はシリーズ随一)画面や敵クリーチャーのおどろおどろさとは反比例して「恐さ」という点でいうなら前作より多少劣るような気もします。
ただプレイヤーキャラの少女が目の前の怪奇現象に対していちいち突っ込みを入れるなどの演出から「どうせ主人公をこの娘にした時点で恐さは薄れるんだから気にせずキャラ性を前面に出してしまおう」という製作者側の開き直り・・・もとい視点の切り替え、意気込みのような物を感じました。
上記の通りこの「3」は前作、前々作の存在を色濃く残していて「見たことのある町並み」「入ったことのある建物」が存在するのはもちろん、メモリーカードに「2」のプレイデーターが入っていると出現する、“気付く人は気付く「ちょっとした小ネタ」”も散りばめられていたりします。
以前のシリーズを知らない人でも楽しめる事は楽しめるのですが、ストーリーにより深く入ろうとするにはやはり前作、特に「1」をプレイしている必要があるかと思いました。そういう意味では多少プレイヤーを限定してしまう作品であったかもしれません。
操作上では残念な事にマップのわかり辛さが致命的でした。
基本的にこの作品は敵の攻撃をすり抜けて進んでいかなければならなく、武器の弾薬や回復剤には限りがあるのに、次に行く所がわからなくなることが多々あり(しかも敵がすばやいのも多い)迷っている最中に傷ついて死亡・・・という事がよくあったのでつらかったです。
マップでドアと表記されていない、どうみても「壁」である部分が重要な通り道だったりする箇所があるのには泣かされました。(しかも敵がすばやいのが以下略)
謎解きも「どうしてコレをこうしたらアノ事が出来る様になるのか」という因果関係がはっきりしていないものもあり、フラストレーションのたまる部分もありました。
地図も見つけにくい物もあり、せめて地図だけでも「絶対通る道or部屋にわかりやすい形で」おいて置いて欲しいと思いました。
また敵のデザインがシリーズを経るごとに段々形を捉えにくいものになっていっている気もします。(肉塊に足が生えたみたいなものばっかり)
相手の攻撃方法やこちらの攻略法も、それぞれにあまり差がないのは多少単調に感じました。(サブボスですら)
とはいえムービーとゲーム本編のバランスは相変わらず絶妙だと思いますし、キャラクターの深みを長いムービーで語るのではなくゲームを進めていく中で段々と自然に紐解かせていく演出がキャラクターに思い入れがしやすく良かったです。
オマケ要素のギャグの切れ味もいっそう鋭いものになっていて(笑)、本編のシリアスさに反比例して大爆笑できるものになっています。
オマケ要素のわかりやすさ、出現のしやすさもシリーズの中では一番親切仕様になっているので(要するに2回目プレイ以降勝手に出てくる)初めてこういうものに触れたプレイヤーは「えっ何コレ!?」とド肝を抜かれるのではないでしょうか。^^
霧深い街で綴られた、愛と罪と闇の物語。3部作完結編として素晴らしい作品でした。
2003.12.7
総合評価・・・88点(謎解きの理不尽な難しさとマップのわかりにくさでちょっとマイナス^^;)
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