コラムる

徒然なるままに、愛しのキャラクター達へ思いを馳せる。
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 11     「6代目ジョジョの恋愛シュミレーション/後編」(ジョジョ・ストーンオーシャンより)  
引き続き、徐倫のお相手は「彼だったのではないか」の疑惑の検証です。
 
3人目「ロメオの場合」
紆余曲折の末、一番初めのお相手に帰る、というパターンです。
意外性が結構おいしい展開??ですが「勧善懲悪」を貫くジョジョワールドにおいては残念ながら一番可能性の低いシナリオと言わざるを得ません。
 
裏切られた、という思いが「実は誤解とすれ違いのもつれだった」、とか「運命のいたずらで本来結ばれるべき糸がお互いの意に反してどんどん、離れていってしまう」という二人が最後には嵐を乗り越え再び結びつくいうのもなかなか燃えるなあ、と思うのですが、これはあくまでお互いが思い合っていてこそ成り立つドラマティック要素であり、ロメオの場合は完全な自己保身のための裏切りですからちょっとやそっとの改心では罪をあがなえないでしょうし、引いては「主人公の相手」の地位も取り戻せないでしょう。
 
他のマンガ&ジャンル(婦人雑誌系・・・と・・か?)だったら、もしかしてロメオ君に白羽の矢がたっていたのかもしれませんが。
 
しかし実際、現実的に考えると結婚するならロメオ君を選ぶのが良いかもしれない・・・かも???
 
4人目「承太郎の場合」
これはある意味「誰ともくっつかない」パターンです。
父「承太郎」は徐倫にとって存在が大きすぎる程大切な人であり、ぶっちゃけ理想の男性像そのものだったと思います。
最後の相手が承太郎だった場合というのは「ストーンオーシャン」のラストに置いて、父娘の心のほつれの修正や絆の再確認のテーマが重要視され、描かれる事を指します。
個人的にはこのシナリオが当初の予定の最有力候補だったと思っています。
 
ただ問題なのは「承太郎」があまりにもカリスマ性の高いキャラクターである事、徐倫にとっての父親の占める存在意義が強すぎることが「父娘の和解」イコール「反抗期を乗り越え成長する娘」よりも「理解の少ない娘を包み込み、守る父親」の方をよりピックアップしてしまう結果になりがち、という事です。
それは主人公である徐倫の存在が薄くなってしまう事であり、ひいては成長というより父の影から今一歩脱却できない、「パパの娘」という鞘に納まってしまう印象になるかもしれません。
 
事実、承太郎が復活してからは彼の活躍が目立ち、残念ながら徐倫の出番は抑えられてしまいました。
これで徐倫自身が父のみに目を向けていては6部が父親承太郎の奮闘記になってしまうので「これではいかん」と、荒木先生は思った・・・・・か、どうかは定かではありませんが、父娘の再会後は徐倫の心情よりは承太郎の父としての心情、クールなスーパーマンの彼の「娘への人間的な愛情」、それゆえの「ウィークポイント」の描写に力が入れられていたように思えます。
 
とはいえ徐倫と承太郎の二人のつながりが6部において大きなテーマを持っていたことは事実ですし、徐倫自身海に散ってしまうので「最後の相手が承太郎(誰ともくっつかない)」パターンは玉虫色に遂行された、と言えるかもしれません。
 
徐倫の心の中で何かが決まっていたら話は別ですが、それは想像の域を出ないと言う事で・・・。
 
5人目「他の誰かの場合」
3部パターンです。
何事もなかったようにメインシナリオが終了して、例えばエピローグ的に7部(7部でなくても構いませんが)の始まりが描かれ、7部のジョジョの母親が徐倫であることが描写され父親は不明。でも、まあ水族館の囚人達ではないだろう。みたいな構成がそれにあてはまるのではないかと思います。
ジョジョという作品のパターンからすればこれも結構ありだったかなあ?とも思います。
承太郎のキャラが強すぎるので彼に代わって徐倫のパートナーになれる男性像というのが連載当初は考えにくかった事、「連載当初では徐倫の脱獄は構成に入ってなかった」とも聞きますので無実のまま徐倫が刑務所を出ていたなら、このパターンの可能性はかなり高まります。
ただ、「安易」かつ「いつでも使えるシナリオ」なので保険的において置かれた結果消滅してしまったのだと思います。
 
個人的な意見を言うなら6部で承太郎の既婚判明、さらに離婚も判明でも奥さんの正体不明;・・・というのはちょ〜っとショックだったので、徐倫まで「部を渡った→結婚してた!」のパターンが当てはまらなくて良かったと思っています・・・。
 
まとめ
こう見ていくと一番可能性があった「本命シナリオ」は、「承太郎パターン」であったような気がします。(次点はエンポリオパターンでしょうか?読者的にあまり歓迎されない風だったのでとりやめた、とか^^;)
 
この承太郎と徐倫の関係に「誰かさん」のエピソードが随所に差し込まれたのは「父親カッコ良くなりすぎ」「主人公食いすぎ」を回避するための意図した構成だったのか、キャラクターを動かしていった末の副産物的な結果だったのかは定かではありませんが・・・。
 
しかしジョジョ6部、主人公が女性であるだけにカッコイイ殿方もたくさん登場致しました。
物語の展開とは関係のない場所でドキドキハラハラしながら彼女の恋の成り行きを期待しているのがとても楽しかったです。
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