ウオッシャー液/水抜き剤/布テープ

ウオッシャー液

水抜き剤

布テープ

ウオッシャー液は冬こそ必需品と言えます。普通に考えると雪道ではフロントガラスは
汚れないように思われますが、常時 氷点下であれば大丈夫なのですが 気温の上下を
繰り返しますので路面は雨降りのように濡れています。気温が低いのでなかなか乾きません。
冬期間道路清掃は行いませんので、汚れた水が路面に漂っているのです。
北海道のコンビニでは冬になるとウオッシャー液のストックが多くなります。
ガソリンスタンドのウオシャー液より割安で品質に問題は全くありません。

注意点

ウオッシャー液を冬期間に使用する際は希釈せずに(水でうすめない)補充して下さい。
ウオッシャーポンプ凍結の原因となります。

水抜き剤とは燃料タンク内の水を分解し除去してくれる商品です。
最近 FRPの燃料タンクが出てきてますが、ほとんどが金属製でタンク内の燃料残量により
燃料と空気部分の比率が変わります。(常時満タンにしている場合、障害はほとんどない)
問題はこの空気部分で燃料タンクが外気によって冷やされ中の空気中の水蒸気が結露し
タンク内に溜まってしまいます。これで気温が氷点下になると凍結し、燃料フィルターから
先へ燃料が行かなくなりエンストしてしまいます。

注意点

注入時期は10月がベストです。

布テープは洗車の時に使用します。ドアの鍵穴に水が浸入するのを防ぐ
ためです。これをしないでキーシリンダーを凍結させてしまいライターで
キーを温めてから差し込み(何度か繰り返す)解氷したことがあります。
北海道の冬道は融雪で路面が濡れている事が多いため、また高速道路は
融雪剤(塩化カリウム)を散布しているので金属部分のさびの原因に
なり、洗車は不可欠です。トランクルームに布テープは常備しましょう。

ワイパー/スノーブラシ/寒冷地仕様車

最近の新車は寒冷地でも常夏の地でもオールマイティーに扱えるように創られています。
しかし 全車両という訳ではありませんので注意する必要があると思います。

参考までに過去の普通仕様車と寒冷地仕様車との相違箇所を列記いたします。
1.バッテリー容量          →オルタネーターに適応した最大容量が最適です。  
2.オルタネーター(ダイナモ)出力 →吹雪の時など ヒーターファン・ワイパー・ヘッドライト・リアウインドー                   熱線などフル稼働させる。
3.リアウインドー熱線       →寒冷地仕様車は雪を溶かすパワーが必要
4.ヒーター容量          →寒冷地仕様車のヒーターはパワフルな熱風がでます。
5.サーモスタット         →ラジエーター循環のサーモスタットは80℃〜85℃です。
6.クーラント           → −30℃でも凍結しないクーラント

寒冷地仕様車

スノーブラシは雪国で必要アイテムです。
雪を振り払うブラシ部分、氷をかきとるスクレーパー部分があり
伸縮自在のものなど様々な形状があり、価格も500円〜2000円位で
D.I.Y店、カーショップ、ガソリンスタンドなどにあります。

スノーブラシ

注意事項

冬期間に屋外に駐車するときなどはワイパーを根元からはね上げ
(右写真参照)
フロントガラスからワイパーを離してから車をはなれましょう。
これを怠るとフロントガラスとワイパーの密着部分が凍結し、無理に剥がすとワイパーの拭き取り部分を傷めることとなり、拭き取りが悪くなったり
ワイパーブレードの寿命が短くなります。

冬用のワイパーはスノーブレード(ウインターブレード)
と言います。右の写真の通り通常のワイパーに薄いゴムが
被服されているものです。これは金属が雪や氷と結合
しやすく、金属よりゴムの方が表面粒子が粗いため
雪や氷と剥離しやすいのです。それもウインターブレード
の被服ゴムは柔らかいのでより一層、剥離しやすいのです。

ワイパー

〔スタッドレスタイヤ〕

〔スパイクタイヤ〕

タイヤ

注意事項

タイヤ交換の手段は乗用車ですと70%位はジャッキーとレンチを使い自分で交換します。(ホィール付き)
あとの30%はガソリンスタンドやディーラー、タイヤショップに依頼。
価格(平均)はホイール付きが1本 500円〜1000円ホイール無しが1本1000円〜2000円
突然 雪が降った朝などはタイヤ交換2.3時間待ちなどは珍しい光景ではありません。

タイヤ交換の時期は北海道内降雪時期が異なるので一概に決められないが、旭川(道内最速)を
基準とするならば11月1日スタッドレスタイヤ装着〜翌年4月20日夏タイヤ装着を奨励します。
(早朝勤務や峠などを通行する方はこれより若干サイトを延ばすことをお勧めします。)
現在の北海道人はスパイクタイヤ時代の習性が残っており降雪ギリギリまで履き替えないのが実情です。
(スパイクタイヤは5年位の寿命がありワンシーズンをできるだけ短い使用期間になるかで寿命が左右した。)
スタッドレスタイヤはそんなに思案しても寿命はほとんど変わらないのですから 
「今晩は寒いな〜タイヤ交換してないけど明日の朝、雪降らないだろうな〜」などと心配せず早めの交換が一番です。

タイヤ交換の時期と手段

スタッドレスタイヤ発売開始(1990年)から 各メーカーの努力と研究の結果、
現在はすばらしい制動力を持ったタイヤに進化を遂げ、これからも向上するでしょう。
しかし このタイヤにも注意事項がありますのでお気をつけ下さい。

1.新品スタッドレスタイヤを装着した場合、アスファルト路面で100`以上走行し
  なければならない。発砲ゴムといわれるスポンジのようなゴムで作られているために
  工場からユーザーの手に渡るまでの運搬時に形状が傷むのを防ぐためフィルムコー
  ティング塗装を施されているので、その塗装が剥がれるには降雪前にアスファルト路
  面で100`程度の走行が必要となります。

2.前述の通り デリケートな発砲ゴムの為、寿命は3年程度(シーズン)とされています。

3.最近 スタッドレスタイヤが摩耗し、来シーズンには使えないとの判断のもと夏タイヤ
  として使用している車両を見かけますが、夏タイヤと比較してアスファルト上での
  ブレーキ制動力はかなり落ちるので注意が必要です。

4. スタッドレスタイヤは見ての通り、細い溝がたくさんあるので小石が挟まります。
  乗用車のタイヤに挟まる位の小石ならほとんど大丈夫ですが大型車のタイヤに挟まる石は
  サイズが大きくなり後続車として車間距離を充分にとらないと走行中、遠心力で小石が
  飛んできてフロントグラスに当たり割れてしまうことがありますので注意してください。

経  緯

スパイクタイヤからスタッドレスタイヤに切り替わり 当時はこんなタイヤがスパイクタイヤの変わりにならないと言われる程 レベルが低く感じました。何故なら1982年頃 タイヤのゴムが柔らかい「アイスコンパウンド(ブリジストン)」というタイヤが発売されこれに「マカロニスパイク」という金属でできたマカロニのようなスパイクピンを打ち込んだタイヤはかなりの制動力に到達していました。

スタッドレスタイヤの

現在、冬に使用するタイヤはスタッドレスタイヤです。
北海道では普通タイヤを「夏タイヤ」スタッドレスタイヤを「冬タイヤ」と言います。
1991年3月31日までスパイクタイヤを使用していましたが、
スパイク(合金)がアスファルトを削り「粉塵公害」で健康に危害を及ぼすため
禁止となりました。(緊急自動車、身障者車両は除く)

[必要装備アイテム]

自動車










自動車

[万全装備アイテム]
北海道内では、旭川に昭和45年にJAF拠点が開設し、以後、釧路、帯広、北見、札幌、室蘭、函館と
7支部体制になりました。1980年位の北海道内のロードサービス受付状況は、年間の救援件数が
17,000件でした。当時のJAFの道内の職員数は7支部合計で25名、ロードサービス車輌は
16台という陣容で道内に指定協力工場が140社という体制でした。
当時は、JAFのロードサービス車輌は札幌市内を中心に出動しており救援件数のうち80%が札幌管内でした。
それから5年後にはロードサービス受付件数が36,000件、ロードサービス隊員30名、車輌20台、
10年後には受付件数65,000件、隊員65名、車輌31台になりました。
現在では、ロードサービス受付件数が103,000件、ロードサービス隊員88名、ロードサービス車輌42台
JAFの指定協力工場は174社となっています。         (JAF本部  廣野様 談)

1970年頃にはこんな最強コンビが誕生するとは思いもしませんでした。
携帯電話しかなかったら 知人、修理工場、ガソリンスタンドに連絡できるが対応が著しく遅い。
JAFしかなかったら 早い対応を受けられるが連絡するまでに時間がかかる。
北海道民のひとりとして JAFと携帯電話各社に深く感謝いたします。

ポイント
1.冬のドライブに出掛ける際は携帯電話のバッテリーは満充電で行きましょう。
2.#8139 は携帯電話のメモリーに登録しておきましょう。

JAFと携帯電話

1.気温がー25℃になるとエンジンがかからない車は珍しくありませんでした。
  −25℃でエンジンがかかった車は下記のような対処によるものです。
 
対処例
 明朝が冷え込むと判断した場合 
  @夜、就寝前に30分程度エンジンを掛けて温める。
  Aエンジンやバッテリーに毛布などを掛けて保温。
  Bバッテリー本体を車から外し室内に置いて温め、明朝取り付ける。
 常時 冷え込むことを想定している場合
  @予備のバッテリーを用意し、朝 この常温のバッテリーでブースターケーブルによりリードする。
  Aガレージに断熱材を張り巡らせ外気とシャットアウトする。
 予期せず冷え込んでしまった場合
  @バッテリーとエンジンに お湯をかけた。(これでエンジンが破損した例もあります)
  Aエンジン始動に成功した友人、知人にリードをお願いする。
  Bタクシーを呼んでリードしてもらう。(1000円程度の謝礼)

2.冬の郊外で突然のエンジントラブル
 
対処例
  @付近を走行する車に止まってもらい事情説明し修理工場や
   ガソリンスタンドまで乗せてもらう。
  A通行する車が運悪く来ない場合、寒い中、近くの民家や
   電話ボックスを歩いて探す。

3.冬の郊外で誤って路外転落
 
対処例
 
 @付近を通りかかった大型車や4WD車(昔の4WD車といえば
   ランクル,パジェロ、サファリなどでフロントにウインチを
   装備している車両が多かった)にけん引してもらう。
  A農家を探しトラクター(4WDより強い)に けん引してもらう。

昔といっても 1980年位は自動車や装備品の技術革新も現在と比較すると
発展途上で激寒・豪雪地帯の北海道ではかなり 厳しいものでした。
イメージとして把握していただくために主な昔のトラブルの実例を列記します。

昔の車両トラブルの場合

JAFと北海道

J A F

〔ブースターケーブル〕

ブースターケーブルはバッテリー上がり時の必須アイテムですが、最近のドライバーは
携帯している人はほとんどいません。
このような状態に陥った場合、JAFやタクシーに依頼する場合が多く
バッテリー性能も向上していますので使用頻度は極少です。

ケーブル

リモコンエンジンスターターのことです。
オートマティック車だけ装着することができますが、近年は新車購入時のオプションとして
用意されているほどメジャーなアイテムとなりました。
冬期間は外気温が下がるのでエンジンのため、ドライバーのためにも
10分程度のウォーミングアップ(暖気運転)が必要です。
通常 寒いガレージに行きエンジンをかけてから一度 家に戻り
10分くらい待ってエンジンと車内が暖まってから出発します。
この作業を家に居ながらして行えるわけですからサラリーマンなら
出勤前に毎日のことですのでかなり重宝します。
メーカー価格は3〜5万円ですがカーショップでは         
2〜3万円程度とかなり安く手に入るようになりました。
                         お勧め品です。

エンジンスターター

これらの2アイテムは現在のほとんどの車両は準備していません。
ただ 枝道をよく通行する車両は 万が一 雪道でうまっても1人で脱出できるので装備しておくと便利です。
カーヘルパーもスパイクタイヤ時代は金属製で重かったのですが現在はスタッドレスタイヤなのでタイヤが
傷まないようにプラスッチック製ですので軽いのです。

カーヘルパー&スコップ

カーヘルパー・エンジンスターター・ケーブル

※4WDのスタートを10(最高点)として各項目を10段階で評価しました。

駆動方式の冬道での評価目安表

       駆 動 方 式  スタート   コーナー   ブレーキ   総    合
  4WD (オールホイールドライブ)   10    8    5      23
  F R (フロントエンジンリアドライブ)    5    7    5     17
  F F (フロントエンジンフロントドライブ)    8    6    5     19
  M R (ミッドシップエンジンリアドライブ)    7    8    5     20
  R R (リアエンジンリアドライブ)    8    7    5     20

1990年頃より4WD車は道内に著しく普及しています。
というよりRV車、ミニバン車への乗り換えが広まり4WDのラインナップ゚も
かなり増えたということです。価格差もFR車と20万円程度と少々縮まってきました。
しかしながら街中を走る車が同じようなミニバンとRV車でおもしろみがなく
スポーツカーはほとんど見られません。北海道の若者はRV車やワンボックスカーを
スポーツカーのように扱っています。またスカートの女性がRV車の高い運転席に
乗り込むのを見ると北海道に住んでいるために車の選択幅が狭いのは少し可愛そうにも思います。
ご存じの通り冬道に強い4WDと言われています。しかしこれは全てに強い訳ではなく発進時のみです。
アクセルを踏むと4つのタイヤすべてが進もうとするのですから強力です。
操舵性(ハンドリング性能)も やや優れますが制動力(止まる能力)は
他種と変わりません。操舵性も やや優れると記しましたが限界点を越えると
4WD車は立ち直れません。それに対称的なのはFR車で限界点で体制を
くずしてからアクセルを離すと体制をまっすぐに立て直そうとする働きをしてくれます。
限界点はその状況によってさまざまですが、例えばアスファルト路面で
直角カーブを100`のスピードで進入したならば横転してしまうように
路面状態でもアスファルト、圧雪、シャーベット、アイスバーンのいずれでも
カーブ角度、進入スピード、車両重量車両重心などの要素により一概には表せません。
安全なスピードでのコーナーリングが一番なのですがオーナー自身がマイカーの
特性を充分把握して限界点を超えることのない運転をしなければなりません。
近年 冬道を走っていて路外に転落している車はほとんどが4WD車です。また重心が高いため横転事故
になるのもRV車、ミニバン車、ワンボックスカーです。4WDの実力を過信した結果だと思います。

4WD車の普及と特性

4WD車

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