ウェルカムフルーツ2

名前がぼくを呼んだので

ぼくはからだになってやってきた
名前はぼくの軽やかな子犬。
からだはぼくの虹。
夏になれば、静かな瀧は舌を垂らして
微塵の熱帯をなめまわす。
ぺろぺろ、夕立、ときどき死体。
おそかったなあ。
もう、ぼくはいくつもの名前を過ごしてきたし、
きみだって、
きみだって、
でもきみはいつまでたってもきみのままだ。
ぼくだってじつはぼくのままなんだし。
ただ名前とからだが変わっているだけなんだけど
次の待ち合わせ場所でも
きみはぼくを分かってくれるかなあ。

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