ジャンピン・ジャック・フラッシュ JUMPIN' JACK FLASH

2017/01/22改訂

本体名:ラング・ラングラー

(名はブランド名「WRANGLER:ラングラー」から)

能力:無重力と真空を生み出す

スタンド形成法射程距離パワー
身体・能力加形体 2m

当ページの要点

  • ジョジョ6部の主舞台であるグリーン・ドルフィン刑務所には特殊な力が宿っている。
  • それはこの土地の重力の弱さと罪人たちの魂のパワーによる「宇宙の縮図」としての力場である。
  • 極度に利己的で何者にも縛られない本体ラング・ラングラーはこの「宇宙の縮図」で、「スペースデブリ」としてのスタンド能力を与えられる。
  • その能力は、自分自身と自分に触れたものを無重力化し、またその周囲を真空化することである。

社会という名の重力

我々の生きる「地球上」と「宇宙空間」には、言うまでもなくさまざまな物理的な違いがある。それらは大別すると、空間内の物質の「密度」の高低、それによって生じる「重力」と「抵抗」の大小、さらにそれらによって空間内に作り出される「基準座標」の有無である。そしてそれらの違いは、それぞれの空間での「物体の運動」にも大きな差異を生み出す。

物質の密度が宇宙空間より遥かに高い地球上は、重力や抵抗によって「全ての物質が互いに束縛し合う絶対的な空間」である。地球上では、物質は地球という巨大な塊の重力により大地に縛り付けられ、その中を移動する物体は地面や空気との摩擦で抵抗を受け、移動するためのエネルギーを与え続けられなければいずれ停止する。また、地球上では束縛され固定された物質たちにより、重力の向きが「上下」を、大地が「位置」を、地軸が「方角」を、というように、空間内に「基準座標」と呼べるものが作り出されている。

これに対して物質の密度が極端に低い宇宙空間は、「個々の物質が勝手に運動する相対的な空間」である。宇宙空間では、物質を束縛する重力や抵抗がほとんど無いため、ある速度で移動する物体は半永久的にその速度でまっすぐに移動し続け、静止する物体は半永久的に静止し続ける。また、個々の物質が全く固定されていない宇宙空間には、地球上のような「基準座標」と呼べるものも存在しない。(地球上で生まれ育った我々には馴染みの薄いことだが、本来「空間」それ自体には「基準座標」は存在しない。このため例えば宇宙空間で物体AとBが10の速度で離れていく場合、それは「静止するAに対してBが10の速度で離れていく」「静止するBに対してAが10の速度で離れていく」「AとBがそれぞれ5の速度で離れていく」など、どこを基準に見るかによってさまざまに解釈できる) 

宇宙での物質は基準座標も抵抗も無い空間を、それぞれ自らを基準に勝手に飛び交っており、このためそれら物体同士の「相対速度」は、時に地球上では考えられないほどの異常な速度となる。地球の衛星軌道上を漂う宇宙ゴミ、通称「スペースデブリ」は宇宙開発において問題視されているが、これは宇宙施設や人工衛星を基準に見たデブリの相対速度が、ライフル弾以上になってしまうことがざらだからである。 

そしてこの両極端な「宇宙空間」と「地球上」の性質は、地上の人口密度の増加による「社会」の形成過程に上手く符合させることができる。まだ地上にほとんど人が居ない時代には、人々は個人から家族単位の小さな塊として、宇宙空間を飛び交う岩石のように、各々の基準だけで勝手に生きていた。しかし人口密度が増加してくると彼らは、宇宙空間の岩石が重力で引き寄せ合って衝突と一体化を繰り返し巨大な岩塊と化していくように、戦いと融和を繰り返しながら村から国へとどんどん大きな社会を作り出していく。そして社会が大きくなればなるほど、その中で個人は勝手に生きることができなくなり、社会の「善悪」や「常識」は重力のようにその思想を、「人間関係」や「体裁」は抵抗のようにその行動を、社会を基準に与えられる「立場」や「評価」はその人生を、否応無しに束縛されることになる。

スタンド解説

■「ホワイトスネイクのDISC」により与えられ、グリーン・ドルフィン島内でのみ効力を発揮できる特殊なスタンド能力。グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所は、外界から隔離された環境のなか、強い魂のパワーを持つとされる罪人たちが集う場所であるためか、地球上で最も引力が弱く宇宙に近いケープ・カナベラルの一帯に位置するためか、神秘と力を宿し「宇宙の縮図」としての力場を発生させている。(ちなみにこの刑務所は別名「水族館」とも呼ばれ、これは即ち「海の縮図」である) 

■そしてこの刑務所の囚人にして、社会が課する善悪や人間関係や立場といったものを全て無視して自分勝手に生きる本体ラング・ラングラーは、この「宇宙の縮図」の中において、「スペースデブリの縮図」としての力を与えられ、「無重力」と「真空」を生み出すスタンド能力を獲得する。

■そのスタンドの姿は岩石のような質感の体表を持つ人間型で、その両腕の肩から前腕にかけての側面にはクッションのようなものが付いており、またその胸部から腹部にかけては、火を噴いて飛ぶロケットの形が描かれている。またその本体肉体とスタンド体は、J・J・フラッシュの能力が作り出す無重力状態に適応して発達しており、本体の手足指先は無重力状態で移動するために吸盤状に変化しており、スタンド体の両手首には無重力状態で攻撃するための「回転弾発射器」が備えられている。

■本体ラング・ラングラーの肉体はJ・J・フラッシュの能力により、常に無重力状態となっている。(これはどうやらDISCが刺さっている限り解除できないらしい) このため彼は普段から重力に縛られることなく、床・壁・天井を蹴り、空気抵抗で減速しつつも空中をまっすぐ移動して、空間内を自在に飛び回って移動できる。ただし日常生活での彼は他の囚人の目があるためか、物理的に明らかに異常に見えない程度にきちんと床を移動している。例えば歩く際には、床を押す反動で体が浮き上がってしまわないよう床面をなるべく水平方向に蹴って歩き、それでもわずかに生じてしまう浮き上がる力は両足指先の吸盤の密着力で抑える。また、走るほどの速度で移動する際には、そのぶん強力に床面を押さねばならず、両足指先の吸盤の密着力だけでは足りなくなるため、両手指先の吸盤も床面に付けて這うように走る。

■本体肉体が常に無重力状態にあるJ・J・フラッシュは、その拳で敵を普通に殴るだけでは敵にほとんどダメージを与えることができない。なぜなら、敵の肉体に「力を叩き込む」ためには、重力により自分の肉体が地面に押しつけられて「固定されている」必要があり、そうでない浮遊状態では、拳を繰り出しても拳が前に出たぶん体は後ろに下がってしまい、さらにそうして威力の半減した拳を敵に当てたとしても、踏ん張りの利かない自分の体の方が反作用で跳ね返されてしまうからである。このためJ・J・フラッシュは、低質量・小面積の物体を高速で撃ち出すことで、無重力でも敵にダメージを与えられるよう発達した、両手首の「回転弾発射器」で攻撃を行う。

■「回転弾発射器」は、手首の関節部分に直径10cm強の球体が埋め込まれたような外観を持つ。この球体は中が空洞で前方(拳側)に向かって6〜8箇所ほど穴が開いており、腕の軸を中心に高速で回転させることができる。(この穴は外からは見えないが中に「弁」があって開閉できるようである) この球体内に本体がボルトやナットなど適当な物を放り込むとそれらは球体内で無重力化し、球体を回転させると物質には回転速度に比例した「遠心力」がかかる。そしてこの状態で「弁」を開くと、物質は遠心力に比例した速度で穴から飛び出し(宇宙ゴミスペースデブリのごとく)まっすぐ飛んでいく。その発射速度は拳銃の弾丸程度といったところで、さらに両手併せて10数発をまとめて撃ち出すことができる。

■「スペースデブリの縮図」としての能力を持つラング・ラングラーは、自分に触れている床や空気にも能力の効果を及ぼし、半径20mの範囲内を真空・無重力の「宇宙空間」へと変えることができる。通常空間がこの「宇宙空間」へと化していく際には、範囲内の空気はどんどん外へと流れ出ていき、逆に外の空気は見えない壁に阻まれているかのように内には入って来れず、そうして範囲内がほぼ真空になるとその状態で安定する。そしてもちろんこの範囲内にある全ての物質は無重力状態になる。

■ただしこの能力をラング・ラングラーが自身を基点に使うと、自らを真空状態に晒してしまうことになるため、この能力は「敵の肉体」を基点に使用される。(そしてそのためにはまず、回転弾発射器から撃ち出した「デブリ」や本体が放出した「唾」など、無重力化した物体を敵に触れさせなければならない) 

■真空化していく空間内では敵の体内の空気は気圧の低い体外に流れ出ていき、体内の血液も傷口や粘膜など強度の弱いところを破って体外へと噴き出す。また空気の圧力が失われていくことで、液体が気化する「沸点」もどんどん下がっていき、気圧が下がるほどに皮膚下の血液は熱湯のように暴れて体表を破壊し、沸点が体温にまで下がると噴き出す血液は体外に出た瞬間に沸騰・気化し、最終的にその肉体をカラカラに干からびさせて死に至らしめる。

内部リンク

『エコーズACT3』
ジョジョ4部に登場するスタンド。物体を「重く」する能力を持つ。本体である広瀬康一の性格は、ラング・ラングラーとは真逆で極度に利他的である。
『エコーズACT0』
広瀬康一のスタンド能力と利他的な性格が彼の強い「社会性」によるものだという解説。
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