守り育てるは命の本能。

エコーズACT0 ECHOES ACT0

2016/07/16改訂

本体名:広瀬康一 <ヒロセ・コウイチ>

プロフィールJC34巻P145〜

能力:何もできない卵型スタンド

スタンド形成法射程距離パワー
身体・能力顕現体 不明なし

スタンド解説

■生物からスタンド能力を引き出す特殊な「矢」に射られてスタンド使いとなった広瀬康一から発現した「エコーズ」の最初期形態。その姿は高さ1m弱のただの「卵」で、見た目どおり何もできず、パワーや能力も一切持たない。

■「矢」に射抜かれた者は、「類まれに強い精神力」あるいは「強力すぎる個性」を持っていないと、スタンド使いになれないばかりか短時間で死んでしまう。広瀬康一はそのどちらも充分ではなかったらしく、ゆえに矢で射抜かれて死にかけていたが、そこを東方仗助のスタンド、傷を治す能力を持つ「クレイジー・ダイヤモンド」に救われ、「目覚めさせるべき能力が無い」スタンド使いとなった。このため彼のスタンド体は、形を成さないスタンドエネルギーをとりあえず殻で包んだ、「卵」のスタンドとして発現したと考えられる。(なお、康一のように矢で死にかけている者にクレイジー・Dの能力を使えば、必ず命が助かるのか、そして必ず卵のスタンドが発現するのか等は不明である) 

■そしてこの「卵」の中でスタンドエネルギーは形を成して、幼生体のような姿のスタンド「エコーズ(ACT1)」となって産まれ、最終形態である人型スタンド「エコーズACT3」を目指して、「成長」と「脱皮」を繰り返していくことになる。(ちなみに作中でのエコーズは卵の時点では名前は付けられていないのだが、当サイトでは便宜上これを「エコーズACT0」と呼ぶことにする) 

■成長していくエコーズの各形態の能力は、その根底の部分で共通している。その共通する性質とは、音やその他の「一過性の振動のエネルギー」、そのままではすぐに掻き消えてしまうものを、スタンドエネルギーで包み込み、固めて持続させることである。ACT0はスタンド自身を殻で包み込む。ACT1は「音」を固めて繰り返し響かせる。ACT2は「熱」や「風」などのエネルギーを封じ込めた塊を作り出す。そしてACT3は両拳の殴打で作り出した「重力場の凹み」を持続させて擬似的な「重さ」へと変える。そしてこのように包み、繰り返し、増幅し、堅持する力は、全ての人間が持っている「社会性の本能」に由来している。

繰り返されるは命の営み

エコーズの本体広瀬康一は、杜王町という社会に暮らす比較的平凡な学生である。「社会」とは言うまでもなく「個人」という命の集まりから成っている。そしてこのように「命が集まる」のは、生存本能的な必然性によるものである。広い世界と長い時間の中で見れば、命の一つ一つはまるで小さな音のように、いっとき弱々しく響いて消え去る定めのものである。しかし命は同種のものが寄り添い集まることで、簡単には掻き消えない力強さを獲得でき、そして次の世代を生むことで長い時を響き続けることができる。

人々は集まり、ルールを決めた社会を作り、ルールを守らない犯罪者や外敵があればこれと戦って社会を守り、そうして堅持される社会の中で安心して暮らし、次世代の要となる子供を安全に産み育てる。これらは命の営みとしては動物でもできるかなり低次なものであり、命には学問や技術や思想の発展など、より高次な営みもある。しかし低次であるがゆえにこれらは、命の存続のための最も大事な基盤であり、何よりも遵守されるべきものである。

ある種の人間は時に、赤の他人や社会を脅かす危険に対して、自分の無力さを自覚した上で自分の命を顧みずに行動することがある。自分の命を第一に考える者からすればそれは理解に苦しむことかもしれない。しかし、今の自分が社会からの庇護がなければ存在さえしなかったという想いが強い者や、社会を存続させてきた「内なる命の本能」に衝き動かされる者にとっては、その行動は呼吸するように当然のことである。そして打算も損得勘定もないそれは紛れもなく、「心の強さ」の一つなのである。

内部リンク

『エコーズACT1』
第1形態(幼生体型)。非常に脆弱なスタンドだが、それを逆に利用して微弱な「音」の振動を優しく捕まえ、操ることができる。
『エコーズACT3』
最終形態(人型)。太鼓の膜を叩いて凹ませるように「重力場」を殴って凹ませることで、対象に「重さ」を与えることができる。
『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』
ジョジョ6部に登場するスタンド。「無重力」と「真空」を生み出す能力を持つ。本体であるラング・ラングラーの性格は、広瀬康一とは真逆で極度に利己的である。