MOVIEtonbori堂

人質は日本国民1億3千万人
この国の運命は一人のスナイパーに託された

恋人はスナイパー

監督/六車俊治 脚本/君塚良一
原作(華麗なる誘拐)/西村京太郎

CAST
王 凱歌/内村光良 円道寺きなこ/水野美紀
船木健一/田辺誠一 范 火清/中村獅童 八雲九平/古田新太
コー・村木/竹中直人 上杉審議官/田口トモロヲ
神宮寺正午/阿部寛

上に書いたキャッチだけを観るとどんな凄い映画だろうと思われるかもしれない。だが実際にはそれほどの狙撃が行われない。いやビルの屋上からの撃ち合いはあるし狙撃のウンチクも語られているがぎりぎりの狙撃のみを描いているとは言えないのだ。「山猫は眠らない」(1の方です念のため)のような狙撃のストイックさというのは無い。ただしアクションファンタジーとしては楽しめるし私はTV版2本の延長線上としては面白かったと評価は出来る。物語は謎の犯罪組織「1211」が政府を相手取り日本国民を誘拐したというところから始まる。彼らは要求が受け入れられない場合人質を殺すと言い何人かを無差別狙撃という手段で示威行動をした。その後マスコミを通じ免罪符としてバッジを買ったものには狙撃はしないという。とここまではサスペンスも盛り上がり緊張感もあるのだが彼らに対抗するために呼ばれた男ウォン・カイコー、元「1211」のスナイパーだったこの男をつかい彼らに対抗しようとするが・・・・といった筋立てなのだが主人公を演じる内村光良がコメディアンということでお笑い要素をちょこっと入れたりするのでそれがTV版ではエッセンスとなり面白くもあったが今回は殆ど機能していない。ようするにすべっている(^^;物語のリズムに乗っていないところが散見された。それとスナイパーは「一撃必殺」なんである。狙撃合戦では一撃で勝負が決まるっていう風に書いて欲しかったなぁ・・・。それでも水野美紀はよく動く。彼女のアクションアクトレスぶりがよく出ておりもっと活かせる映画にださせて上げたい。実をいうと前作のTV版ではクンフーバトルとワイヤアクションが売りでウッチャンもそれに関してはうまいのだが今回タイトルロールの「スナイパー」にこだわりかような結果になったと思われる。ここらへんはもう少し前述の「山猫」や「スターリングラード」を参考にしたりコーディネーターなりをつけて意見を聞けば良かったんではないだろうか?それと獅童くんの怪演は評価できるがラストの見せ方には疑問。中途半端な感じが残ってしまうのだ。シリーズものの悪影響だが次に繋げるよりこういった話はきっちり終わらせたほうがいい。それは竹中直人扮する「1211」ボスコー・村木の扱いにも言える。だから最後のシーンが活きないと思っている。ずいぶん辛口に書いたけど前作も好きだしウッチャン、水野美紀という2人のコラボはいい組み合わせだと思っているので出来ることなら別の設定でシリアスでもコメディでもいいから2人の活躍を観たいものだ。

Vol.38「R・O・T王の帰還」をもう一回観る    Vol.40「CASSHERN」を観る