MOVIEtonbori堂

Isn't it funny?
You hear a phone ring , and it could be anybody
But a ringing phone has to be answered , doesn't it

フォーン・ブース

監督 ジョエル・シューマッカー
脚本 ラリー・コーエン
CAST
コリン・ファレル/フォレスト・ウィティカー
ケィティ・ホームズ/ラダ・ミッチェル
キーファー・サザーランド

正月映画公開前に観た一本だけど公開前からスポットを観て気になっていた。舞台はニューヨークの公衆電話BOXで、殆どそこからカメラが動くことは無い。そこでお話は進んでいく。主人公のスチュが愛人との連絡用に使っていた公衆電話。そこで鳴ったベルに反応してつい取ってしまったばかりに彼は人生最悪の時を過ごすことになる。物語としてはこれだけ。だけどこれがいいのだ。BOXから出られない状況に追い込まれさらに精神的にも追い詰められる。周りは次第に大騒ぎになる。ローラーコースターライドのようにどんとん加速し雪だるまのように騒ぎが膨れ上がる。スチュはパブリシスト、口先だけで相手を丸め込み契約を成立させるいわば虚業を生業にしている今を代表する人間。そんな彼がいきなりBOXに閉じ込められ今までしてきたことに対し向き合わせられる。そんな人物造詣もこういった状況を盛り上げるに役立っている。また終始声だけで彼を監視し見張る男も声だけながらこれまた人間の恐ろしさを際立たせる。ただラストがちょっと不満だけどそれは些細なことで実際に気にしなくてもいいとは思うがそれが引っかかっている人もいるようだ。上映時間は81分と短いがそれだけワンシチュエーションで引っ張っているのだから無駄を殺ぎ落として作りこんだと言えるのではないだろうか?犯人の目的がいまいち解らないと言っている人がいるが彼は罪人を断ずる裁判人であり処刑人だと思っている。それだけのことだ、しかもそれは全ての人間に向けられる刃でもある。ここらへんでも神を信じている国の映画だからこそ出てくる発想で日本だとそのへんがうまく理解できないという弱点があるが一人の罪深い男が追い詰められていく様と人生最大の危機にとった行動を追うという点ではこの映画出色の出来上がりだと感じた。流石職人シューマッカー監督。それと主人公を演じたファレルも良かった。この後はアル・”説教”・パチーノとの「リクルート」が控えているがこれからもチェック。それと警察の警部役ウィティカー、彼を見るといつも鶴瓶師匠に見えるとは愛嬌としてもやっぱりいい味だしている人だ。かなりオススメ度高いです。DVDでたらチェックして欲しい一本
南街シネプレックスにて鑑賞

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