MOVIEtonbori堂

始まりのあるものには
終わりがある

マトリックスレボリューションズ

製作 ジョエル・シルバー
監督/脚本 ラリー&アンディー・ウォシャウスキー兄弟
CAST
ネオ キアヌ・リーヴス  トリニティ キャリー・アン・モス
モーフィアス ローレンス・フィッシュバーン
エージェント・スミス ヒューゴ・ウィービング
ナイオビ ジャダ・ピンケット・スミス

とうとうここまで来たよマトリックス。ヤマト完結編かマトリックスかということは無いけれど後は無いと言い切ったジョエル・シルバー氏だがほんまかいなと思ってる人も多いだろう。しかしネオの物語は完結したと言っていい。このマトリックスは最初からネオの物語で彼の選択から始まったわけでそれとともに彼を執拗に追跡したスミスの話でもあったわけだ。ならば今更ながらにオラクルやアーキテクツが出てくることによって話が解らんって言っている人にはこの物語の単純な骨格を見逃しているというわけだ。世の映画評論家の方々はかなりこの最終作には辛らつかつ強烈な批判を送っている人も居るがそれはストリップ劇場で最後の真打が看板と違う正直見たくないおっさんだったようなもの(爆)それとともに謎に決着がついていないというものが大半を占めていた。大体こーゆう場合2つの終わり方があるが一つは悪の親玉を倒してめでたしめでたしという終わり方と最後にとっちらかってわけわからんようにしてエンドという方法だ。後のやり方は最近では「エヴァンゲリオン」のTV版がそうでかなり賛否含めて議論が巻き起こったがマトレボ(略してます)はこの二つで揺れにゆれてなんとか軟着陸したと言う気がしないでもない。明確に判定をつけることを避けしかもマトリックスワールドを壊さず決着をつけるという事を無難にしたことによりそーゆう批判を受けることになってしまったのだろうと推察する。それでもVFXは圧巻でザイオンがセンティネルズ(マシーンAIの兵隊)に襲撃を受けるシーンでの倍力スーツの描写やネオとスミスの対決はこれでもかという風に畳み掛ける。しかしリローデッドと同時期に撮られた為にそれほどの衝撃が少なかったのも事実。ちなみにそれぞれの伏線には一応の決着がつけれておりこの手の作品では常套手段だがきちんとした回答は用意されていない。というよりされたほうがいやじゃないだろうか?すくなくとも私は想像する部分が無いほどの回答が用意されると返って冷めるのだが。ただ謎の方ばかりに目が行く人や惑わされ大事な部分を見落とす人たちにとっては不親切に移ることだろう。あとデウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神、舞台で最後に強引な辻褄合わせをしてしまう事やそのためだけに出てくる張りぼて神、最近ではアニメ「ラーゼフォン」でもその単語を使った設定が出た)が予想通りに出てきたのには笑ってしまったが、ラストにはオタク魂も垣間見た。もっともつながりがあるかどうかは解らないけれど。ロード・オブ・ザ・リングのように素晴らしい原作がないことと全てをコントロールしている兄弟のオタクマインドが暴走し収拾がつかなくなったところをいきなり無難にまとめたが故のこの世間の評価だとは思うけれど元々が主人公の覚醒と選択、決断という簡単なお話でそれはロードもそうだしラスト・サムライ、その他あまたの映画や小説に書かれている冒険と同じもの。第1作が異様に評価が高すぎるんじゃないのかとも思う。いや評価されるべき点がそこしかなかった(ブレッドタイム)前作からくらべればさらにオタクマインドが全開だったと感じる。そこはクェンティンと同じで落ち着くところに落ち着いたという事だ。とりあえず3作まとめて観るとしんどいけれどVFXは極致まで来たことを感じさせられる作品となった。それとともに俳優陣としてはモーフィアス役ローレンス・フィッシュバーンは儲け役だった前回から今回は見せ場をナイオビに取られまくりだが最後の一言でケリをつけた点では良かったかなということとスミス役ヒューゴ・ウィービングは同時期公開のロード・オブ・ザ・リング出演で演技の幅を見せておいて良かったねと思った。でもうまい人だわ(笑)そしてキャリー・アン・モス・・・・・・おばちゃんですよね(爆)でもレザースーツ身をまとい華麗に宙に舞う姿はあいかわらずカッコいいけど。ネオ・・・・仕事してるようです(爆笑)ただこの役にめぐり合ったことは彼にとっては幸運だったのでは?でないとブラピほどあくがないし演技派と呼ばれるにはライバルが多すぎる。こういった作品に出れば記憶に残る俳優と言われるし彼こそほんと儲け役だったよね(^^)
アポロシネマにて鑑賞

Vol.27「フォーンブース」をもう一回観る    Vol.29「アンダーワールド」を観る