みみこ不遇時代
捨て猫はどの子もみんな辛い |
みみこは2004年9月頃、ある家の飼い猫の子として生まれたのだと推測しています。
その、いい加減で無責任な飼い主は、飼えもしないのに飼い猫の避妊手術を怠り、本能のままメス猫を発情させて外に出し、妊娠させました。
やがて、みみこ他可愛い子猫が生まれ、乳離れするまで家に置くことにしました。
可愛い盛りを母猫とともに楽しみましたが、半年程で子猫のみみこも発情し、外に出歩くようになりました。
飼い主は成猫を何匹も飼えないと思い、ある晩、自宅から離れたドラッグストアの駐車場にみみこを遺棄しました。
(注:これは犯罪行為です)
以上は、スージーがみみこを保護するまでの推測です。
素手で抱っこできる程、みみこは人馴れしていましたから間違いなく飼い猫だったと思います。
しかし、まともな飼い方はされていなかったため、小さなみみこには幾つもの苦しみがのしかかっていたのです。
1.回虫 【そうめんより太く、スパゲティより細い】
『みみちゃん癒し写真館V』にも書きましたが、保護して10か月近くなっても回虫が落ちませんでした。
勿論、何回も検便をしましたし、駆虫剤も飲ませました。
お外にいる子は当たり前のように回虫が体内にいます。
回虫は、猫の腸内のみならず、筋肉にまで巣食う侮れない病害虫です。
みみこが苦しむ度、捨て猫の悲しく辛い現実を感じます。
2.芽胞菌(クロストリジウム)、螺旋菌(カンピロバクター) 【下痢は人間が治してあげる】
みみこには、コイツ達がいました。
おかげで酷い下痢症状を起こし、小さな体で大変苦しみました。
カンピロは茸吉の時にも経験しました。
子猫にはたいへん負担のかかる病気で、茸吉の場合1か月間も激しい下痢症状が続きました。
芽胞菌はアルコールでは殺菌できず、どうしたものかと悩みましたが、トイレ・ケージ・寝床の清掃を徹底的に行い
ました。
動物病院には約1週間通院し、毎回注射を打ってもらい、整腸剤を飲ませて無事回復しました。
みみこは腸内が茸吉ほど荒れていなかったのか、予想していたよりも早く治癒できました。
下痢をしている猫はとりあえず「検便→原因究明→治療→完治」の一言に尽きます。
3.FIVキャリア 【エイズ猫と呼ぶな!】
スージー宅にはご存知の通りQちゃんという先住猫がいます。
QちゃんはFIV(猫エイズ)、FeLV(猫白血病)とも陰性なので、みみこは同居するにあたり検査をしました。
捨て猫だったので、ある程度予想と覚悟はしていたものの、動物病院でFIV陽性と言われた時は、泣きたかったです。
母子感染は少ないと言われているので、みみこが交尾した時にキャリアのオス猫から感染したのかもしれません。
ルーズな元の飼い主に憤りを感じます。
みみこの保護当日は体温が40度もありました。
みみこは自覚症状がないかの如く、無邪気に遊んでいましたが、やはり苦しかったんだと思います。
Qちゃんと比べて水をよく飲んでいました。
それから4〜5ヶ月は高い体温が続き、その原因がFIV感染の初期症状であるということが分かりました。
そして半年後、平熱に戻り始めたので、無症状キャリア期に入ったのだと判断しました。
この状態をずーっとKEEPしてあげたいと思っています。
つまり、皆さんにはFIVキャリアはエイズ発症とは全く別だということを理解して欲しいのです。
無症状キャリアの猫は、健康な猫と本当に違いはありません。
(但し、交尾や血が出る程の激しいケンカをすれば相手の猫は感染する危険があります。飼い主は外へ出さない配慮
が必要です。グルーミング程度では感染しません。)
みみこを愛情いっぱいに育て、幸せに毎日楽しく生活させることにより、無症状キャリアとして、エイズを発症することなく
天寿をまっとうさせることができるのです。
FIVキャリア、恐るるに足らんわい!!!とスージーは断言します。
4.妊娠 【苦渋の決断】
みみこは保護してからすごい食欲でした。
動物病院で購入した子猫用の高カロリーフードを与えていましたが、それだけでは足らず、キッチンを開放した時
食パンを袋ごと持っていき、食べようとしました。
体重の増え方も急激で、こちらの方から動物病院に妊娠の検査をお願いしました。
そして、エコーの検査で複数の赤ちゃん猫が確認されました。
スージー宅では、やっとのことでみみこを飼う事を了承してもらったので、更にその子猫を飼う事など到底無理でした。
また、飼う以前に出産させてあげることも無理でした。
みみこの避妊手術は下痢症状が治り次第ということで、すぐに予約を入れました。
みみこは4匹の赤ちゃんのお母さんになるはずでした。(手術の日、獣医さんに聞きました。)
でも、保護主のスージーがそれを阻止しました。
罪のない赤ちゃん猫たちへ、みみこはみんなの分まで幸せになるからね。
スージーは償いの気持ちを忘れず、みみこを立派に育てる決意をしたのでした。
5.歯がない 【でもドライフード派】
みみこには上下の普通の歯が1本もありません。
犬歯と奥歯はあるのですが、保護した時からそうでした。
スージーは永久歯の生え変わり時期かと思っていましたが、未だに生えてきません。
年末に回虫を吐いた時、獣医さんに訊いたところ、
「永久歯は生えていたんだと思います。それが、何か強い衝撃、ぶつかったり、殴られたりして抜けてしまったんだと
思います。」と説明を受けました。
みみこ、どんな暮らしをしていたの?
ウチの子になる前のあなたの暮らしはそんなに酷いものだったの?
みみこは天衣無縫で人間好き、よって、ある程度は人間に可愛がられていたと思うのですが・・・。
獣医さんによると、歯がなくても日常生活に支障はないそうです。
今日も元気にバリバリとドライフードを食べています!
これでも、みみこは捨て猫・外猫の仲間から見れば、かなり状態は良い方です。
みみこにはノミ・ダニはいなかったし、性質(タチ)の悪いコクシジウムもなく、四肢、両目、両耳共正常でしたから。
このページを読んでくださった方々、野良猫たちを敵視しないでください。
室内飼いの猫並みに健康な野良猫など存在しません。
皆、病害虫で苦しみ、寒さ・暑さにひたすら耐え、空腹と戦い、最も恐ろしい人間に怯えて生きているのです。
野良猫を作ったのは人間です。
憎むべきは無責任な人間ではありませんか?
そして、当サイト内で何度も提唱していることですが、“飼い猫には避妊・去勢手術を済ませましょう!”
野良猫・捨て猫を保護できる環境下にある方はドンドンやってください。
スージー自身、常に保護したい子は何匹か目にしているのですが、誠に残念ながら現在の住環境ではできないのです。
家族がこれ以上猫を増やすことに猛反対で、経済的に実家に住むしかないスージーは無力さを痛感しています。
でも、野良猫・捨て猫保護活動をしている方々や団体に寄付をしたり、猫の飼い主さんに飼い猫の避妊・去勢手術の重要性を説明したり、動物病院を紹介したりして、できることからやり始めています。
前述した通り、お外の子達は殆ど病気や害虫を持っています。
勿論、汚れていますよ。
しかし、動物病院での治療と飼い主さん(保護主さん)の頑張りがあれば、驚く程健康で毛艶の良い、可愛い猫に変身させることができます。
(スージーが知る数々の猫の達人は、眼球が飛び出した子や足がちぎれウジがわいてた子等を保護し、見事な飼い猫に育て上げています。)
不幸な猫がこの世の中からいなくなりますよう・・・、猫と人間との幸せな共存を心から願っています。
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みみこ VS Qちゃん |
次回更新時追加予定です。 |
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