電波方位探知の研究(その8)
現在の研究開発

反射波の影響による誤差は、運用上のテクニックで少なくすることができること を述べましたが、アンテナを小型化したメリットを生かし、複数のアンテナを 使用して合成方位を検出することを検討しています。設置場所の異なる複数の アンテナを使えば、反射による影響を小さくすることができるはずです。 名付けて「ダイバーシティー方位探知計画」です。

また、受信器に手を加えないで済む方法として、FM変調方式の改良を試みて います。ドップラー効果で生じるパルスを旨く捉えるために、ピーク&ホールド 回路を付加し、8本の方位アンテナを使った実験を行なっています。現在、 波形の重ね合わさりを無くす方法が思いつかず、研究が壁に当たっていますので、 FM変調方式で成功するには、まだ時間が掛かりそうです。

改良型FM変調方式

方位探知の技術を使った新しい機能として、ADC(オートディレクション チェイサー)の開発も進行中です。ADCとはオートローテーターともいえる もので、交信相手が移動中の場合に、常にその方位にアンテナ指向性を向ける機能 です。当然、自分が自動車等で移動中の場合でも、交信相手に常に指向性を向けて いますので、モービル運用に適しています。現在、受信時のADCは完成しており、 送信時に対応できるものが完成すれば、無駄な方向に電波を出さないで済みます から、電波資源(バンド)の有効活用に利用できるものと考えています。 回路図

続く


(JR1KNA)