電波方位探知の研究(その3)
AM変調方式

FM変調方式が単純には動作しないことが判ったので、 AM変調方式を作ることにしました。

AM変調方式はアンテナの指向性による検波レベルの変動を利用することを特徴と してます。 製作記事の回路よりもICの数を減らすことを考え、FM変調方式で使用していた CMOSのICを使用して製作してみると、とりあえず問題なく動きました。 TTLのICで製作するよりもかなりすっきりした回路になります。 回路図 (アンテナの回路は製作記事を参照して下さい。)

実際に自動車に取り付けて運用してみると、アンテナがちょっと大きい ことが気になり、アンテナへつなぐアンテナ切替え信号4本とGNDの配線が面倒な ことを改善したくなります。また、方位の調整が360°全方位でできる機能が 欲しくなります。

性能面では、十分な検波レベルが無い場合や検波器が飽和 した場合、つまり受信電波が微弱な場合と非常に強力な場合に正しい方位を示さない ことが問題でした。特に電波の発信源を探す場合は、近付いていくほど電界強度 が強くなるので、検波器の飽和を防ぐことが課題と言えます。

また、強力な反射波がある場合、つまり複数方向から電波が到来する様な場所での 方位探知も困難です。但し、この問題は電波の伝搬性質によるものですから、 方位探知のテクニックとして運用の形態を工夫することで解決できなくありません。

製作上においては、受信器に手を加える必要があります。 検波回路を探して、受信電波の強度に応じて電圧が変動するノードから 配線を引き出すことは、それほど難しい作業ではありませんが、ハンディタイプの 受信器では部品実装の密度が高いため、配線を引き出すことに無理があります。 受信器に手を加えないで済む方法が望まれます。

続く


(JR1KNA)