そこでゴニオメータの代わりにマイクロストリップラインを使い、マイクロストリップラインから検波器への接続位置を可変にして、その大きさを比較する方法を考えました。この方法は定在波の大きさが伝送線路上の位置によって異なることを利用したもので、原理的にはゴニオメータを利用した場合と同じことになります。(定在波型方探と名付けた)
しかしこの方法も方位の分解能を上げようとした場合に、スイッチの数を増やしたり可動部を作る必要があるため、アマチュアの手による高性能化は難しいことが判りました。
定在波型方探
そこで、数年前に雑誌(*1)等に取り上げられたAM変調方式の方探と、FM変調方式(金沢方式?)の方探を製作してみることにしました。
最初にトライしたFM変調方式の方探はドップラー効果を利用したもので、市販の無線機の音声出力から検出信号を取り出せることを特徴としています。ほぼ製作記事の通りに作り実験を開始したのですが、うまく方位を探知できない場合がありました。改良を繰り返し、オシロスコープとのにらめっこを続けるうちにどうも様子がおかしいことに気がつきました。この方式には原理的な問題があったのです。
(*1: HAM Journal 1991 No.71/No.75 , CQ ham radio 1991 June/September)