<番外:鉄道草の表現>

皆さんは線路脇に必ずといって良いくらい生えている雑草をご存じでしょうか?「オオアレチノギク」や「ヒメムカシヨモギ」という、通称「鉄道草」です。 最近は秋に黄色い花をさかせる「セイタカアワダチソウ」も多いのですが、どれもひょろっと背が高く伸びる雑草で、線路には欠かせないアイテムとなります。 但し細長いので1/150で忠実に再現するのはとても難しく、それっぽく見える方法を模索した結果が今回紹介した手法です。
[実物の鉄道草]
パウダーやターフだけで作られた雑草は、色にバリエーションを設けると風景にはなるのですが、どうも単調で、近づいて観るとリアル感に欠け、 車両の精密度とのバランスが取れません。車両をみせる写真を撮っても調和し、しかもレイアウト制作でも採用できる簡単さを目指して、現時点で到達した 雑草(と線路)の表現になります。

パウダーと1回撒きのスタティックグラスを低層の草として、2回、3回撒いてスタティックグラスの背の伸ばし「鉄道草」の茎にみせ、群生している風貌とし、 孤立して生えている「鉄道草」は、乾燥苔を植えて表現する方法にたどり着きました。実物の写真と比べてみると、似ているとはとても言えませんが、 イメージとしては納得しています。観ておわかりの通り、線路と雑草の色温度とばらつきが似ていて、その密度が近ければ、脳が錯覚をしてリアル感が出るのです。 モデルではありますが、個々の物体の形状が似ていることよりも、まさにイメージが似ていることをうまく使う、それが1/150の世界ではないかと思います。


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