⑥小物配置/ウエザリング・・・汚れは軽くがスッキリ:エアブラシなんて要りません
主な材料:エナメル塗料、パステル
主な工具:筆

全てのストラクチャーと情景小物を配置したら、車両をのせてみると、もう充分ですね。実はウェザリングで失敗したことがあったので、汚すのが怖いんです。 ここまでの作業を台無しにしてしまう可能性があるからです。また折角、春の爽やかなイメージを風景にしたので、 暗く汚いイメージにしたくはありません。 よくレトロ感をウェザリングで表現したような事例を見ますが、暗い汚い=レトロではありませんから、少し無理があると思います。ストラクチャーデザインや その配置でその時代感が出るのであって、廃墟を再現したいわけではないのです。そしてその当時は朽ちていないので、生活上の仕方なく発生する汚れ だけを表現すればよいと考えます。
ということで最低必要と思う汚しだけを紹介します。舗装道路の端は、乾いた土が埃っぽく溜まっています。また古いホームの側面は、ブレーキシューの鉄粉が付着している ものです。このようにぼやかした色を付けたい場合は、絵画用の パステル (画材屋で購入)をサンドペーパーでおろした粉を、乾いた筆で撫でるようにして塗ります。 使う色は白、黄土、茶です(ちなみにタミヤのウェザリングマスターでは欲しい色が作れませんでした)。
[ウェザリング例]
[パステル]
屋根の上の汚れや線路上の油のように 黒っぽいものと、樹木や茂みの埃っぽさ(白)は、パステルではうまくぼやけませんので、極薄のエナメル塗料を筆で塗るのがお勧めです。 いずれにせよウェザリングはほんの僅かな細工なので、大げさな道具を使う必要は全くないと思います。そもそも、ここまでの工程で主要な風景 (線路、地面、雑草)のグラデーション(濃淡)は、作り込んできた手法なのです。
[Finish]
雑草に咲く花や低木(ミニネイチャー製)などをアクセントに置いてみれば完成!! 
自作ジオラマに完成という言葉はありませんが、人に見せられる状態になりました。お疲れ様でした。
[1/150ジオラマ(西濃鉄道 乙女坂踏切(2020/6)]
[1/150ジオラマ( 茨城交通 阿字ヶ浦駅(2020/5)]


いかがでしたでしょうか。上手で手の込んだジオラマを目指すのではなく、鉄道模型レイアウトを完成させるための手法として紹介したつもりです。 常識的なことも多かったかと思いますが、「そんな作り方/考え方、聞いたことなかった」という部分がありましたら幸いです。 納得のいくジオラマを創るには、まだまだ研究が必要とは思いますが、「車両を運転するレイアウトを作りたい」という想いを遂げるコツは欲張らないこと。 そして、見た目を誤魔化す錯視リアリティを、簡単な方法で実施すること。というスタンスの内容でした。 最後まで読んで頂いた皆様のレイアウト完成を心からお祈りいたします。 (ご質問・意見・ご感想をメールにてお受け致します。お気軽にご連絡下さい。)
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