<③線路とストラクチャー配置>・・・路面の高さを慎重に:建築基礎はコルクシート/盛土は紙粘土
主な材料:コルクシート、紙粘土、耐水サンドペーパー、マッチ棒、プラ材、エナメル塗料
主な工具:カッター、定規、木工ボンド

地形土台はあくまで地形ですので、次に建築土台として2mmコルクシート(Seriaで購入)を切り貼りします。 コルクシートは線路よりも道路や建物に必要です。 なぜなら線路はすでに枕木という土台が付いているからです。 同じ高さ面に線路と道路を貼ると、線路面はかなり高く(KATOフレキシブル線路で4mm)なりますので、情景のイメージは 大きく変わります。従ってこの時、線路と道路の路面高さに細心の注意を払います。踏切がある場合は特に、路面の高さが合わないと面倒なことになります。 線路や道路の側溝を表現する場合も、この方法で深さを作ります。この2mm厚のコルクシートの重ね張りが実質感を出すためにとても重要です。

さて、ストラクチャーは配置を確認するだけで接着せずにおいておいて、線路と道路を貼り付けます。線路は既製品を、木工ボンドで貼ります。フレキの場合は曲げると戻ろうとして動くので、 要所を画鋲(ピン)で押さえて位置を決めていけば良いです。浮いてしまうところには重しを載せておきます。使えなくなったモバイルバッテリーが役に立ちます。 舗装道路の材料は?というと、耐水サンドペーパー(紙やすり)のヤスリ面をそのまま使います。これは、よく使われている手法だけに、優れています。#240番から#2000番のセット (DAISOで購入)は、 色の濃さの種類がぴったりでした。舗装したては#240、走りこんだ舗装は#2000という感じでいろいろな場面に使い分けできます。注意点は、カッターで切ると研げて歯が直ぐに無くなってしまう ので、ペーパーを裏返して切ることです。全般的にカッター歯をけちるのはNGですので、替え刃は沢山用意しておきます。またサンドペーパーは、木工ボンドをつけると思いっきりカールするので、 重し(特に角を押さえるもの)を用意してから接着剤を塗るのがポイントです。
舗装を表現する別の方法として、コルクシートも使えます。紙やすりでコルク目をやすってから塗装(ダークグレイ) するとアスファルトの感じが出ます。写真のプラットホーム面はコルクシートで作りました。近くで見ると粗目のアスファルト感がサンドペーパー(左側の舗装路)よりもリアルです。
[コルクシートと低ストラクチャー固定]

線路と道路を固着したら、踏切板やケーブル桝と柵などの高さの低いストラクチャーを 木工ボンドで固着します。ここで低いものとは、次の工程(バラストや土)で埋まる部分があるもののことです。例えばホームもバラストで埋まる部分があるので固定したいのですが、 高さのあるものを多く固定すると、その周囲の地肌作りや草撒きが格段に難しくなります。地肌や草撒きを作りこむ必要を考えて、その後で固着するものかどうかを決めます。 写真では、踏切小屋、駅舎と給水塔は最後まで固定しません。

道路用のコンクリート踏切板は、プラ板(タミヤ プラバン)を切り出します。 線路面と高さの合う厚みのプラ板を選んで線路の内側用と外側用を用意するとリアル感が出ます。外側踏板とアスファルトの 間に敷かれる粗いコンクリートの表現にはコルクシートをそのまま使います。また歩道用の古枕木の踏板は、マッチ棒を敷きつめます。マッチ棒は実際の材木幅よりも太いのですが、 少し大げさに表現した方が重厚感が出るようです。厚みは一本づつカッターで削って合わせます。マッチ棒は古枕木の材料となるだけに、鉄道柵などのいろいろなストラクチャーで使えますので、 用意しておくと便利です。 なお、ケーブル桝とは通信用のケーブルを埋設するためのコンクリートケースです。線路に沿って必ず殆どあるものですので、作りこむことで格段にリアル感が高まります。1~2mmプラ板を短冊にしたり、 簡単に済ますなら2mmプラ角棒(タミヤ プラ材)をそのまま使うこともできます。
[踏切板とケーブル桝]
次は、地形土台の角やコルクシートの段差等で不自然な部分を紙粘土(DAISOで購入)で埋めます。高さ10mm以下の地形も紙粘土を盛ります。紙粘土は乾くと若干縮んで元の地形土台との間に 隙間ができたりしますが、この後に地肌を塗りますから、あまり気にする必要はありません。ただし紙粘土は、地形の最終形状になるので作り漏れの無いようにします。 紙粘土を水で溶いてそのまま地肌にしてしまうという方法があるようですが、塗料がにじみ濃さのコントロールが効かないこと、表面が滑らかなため土の粗さや埃っぽさが出ないことから、採用して いません。紙粘土を地肌として出すのはモルタルを盛った部分(アスファルトの穴埋め、建築基礎の補強)等に使うのが良いと思います。
[紙粘土で地形を整える]
そして固着した 低ストラクチャーを塗装します。木材の踏板や柵は、ほんの少量のエナメル塗料(ハルレッドとブラック)を溶いた溶剤を少しずつ染み込ませるようにすると、木目が出て古枕木の感じが出ます。 道路の踏板やケーブル桝・側溝等のコンクリートを表現するプラ材/コルク、及びモルタル部の紙粘土は、溶かないエナメル塗料(デッキタン)をしっか塗ります。
[エナメル塗料]
さらっと書いてしまいましたが、ストラクチャー作りからここまでの土台(地形土台と建築土台)作りが出来てしまうと、ジオラマ製作は7割以上終わっています。 まだ完成の風景は見えていませんが、完成できることはほぼ確実です。後の作業は、塗って撒いて、表面上の処理や色を付けることが主体となります。基礎(土台)は、何事においても 全体の完成度を左右するかなめですので、納得いくまで丁寧に作り込むのが良いようです。


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