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据え付け現場から 2

曼珠院織部燈籠と甲州鞍馬石の水鉢を使って、蹲(つくばい)の景色を作ることになりました.。

曼珠院織部燈籠(まんしゅいんおりべとうろう)は京都曼珠院に本歌(ほんか)がある、織部燈籠の変わり型です。

 曼珠院織部燈籠          甲州鞍馬石水鉢5寸     生駒石

 (まんしゅいんおりべとうろう)  (こうしゅうくらまいし)    (いこまいし)

                 蹲(つくばい)の海部分は伊勢砂利1寸5分、周囲は大磯砂利8分

   *蹲の海(中央部分)に使用する砂利は、あまり細かすぎないほうが見た目にも美しく、掃除などの管理も楽です

    ここで使用している伊勢砂利1寸5分は約4.5〜5cm。周囲の大磯砂利8分は約3cmです



曼珠院織部燈籠の各パーツです。この燈籠は石造品の産地、筑波の名工によってひとつずつ丁寧に作られています。

据えてみると全体のバランスがとても洗練されています。石の表面に特殊な着色をほどこして、野趣を感じさせる仕上げになっています。


石全体の向きを確認しながら据える位置を決め、燈籠の竿部分を生けます。水鉢の周りには役石(やくせき)を配していきます。

向かって左が手燭石(てしょくいし)、右が湯桶石(ゆとういし)、手前が前石(まえいし)です。手燭石は、湯桶石よりやや低めにしてあります。

石が決まったら土を突き固め、水鉢に水を注ぎ、水の落ち方を確認します。水鉢は、水を注いだとき手前から水が落ちるよう

手前をやや低めに据えます。


蹲部分から和室入り口に向かって飛石を打っていきます。飛石は、蹲の役石と同じ生駒石と一部美濃石(みのいし)を使用しました

最後に燈籠です。生けておいた竿は、蹲とのバランスを見てさらに低めに生け直しました

高さが決まったら竿の周囲の土をよく突き固めます



燈籠の据え付けまで私たちの手で行い、あとはお施主様ご自身が土留めや砂利などを施工され、

美しい景色が完成しました。木の植え込みや手入れなどもすべてご自分でなさっているそうです

蹲の役石には亀の置物がちょこんと置かれて、お施主様のお庭への愛情がうかがえます

 上の設置例と同じお宅で、今度はこの玉手燈籠を設置することになりました

 この燈籠は小ぶりで搬入は容易なのですが、問題は燈籠を乗せる台石です

 こちらのお宅は庭が玄関と逆側でクレーンが全く届かず、通路も狭いため

 人力で担いでの搬入となりま
した。

 台石は筑波石で厚さ35cm位、幅が46cm、重さが140キロ、二人で担げるぎりぎりの重さです

 現在の住宅事情を考えると、重い石を入れ込むのは本当に大変になってしまいました

 ホームセンターなどで販売されている、薄くて軽い飛び石用のものを使うという手もありますが

                 当店で設置までさせていただく以上は、台石も重厚感のある自然石にこだわりたいと思います


140キロの台石をかつぎ建物横の通路を庭へと向かいます
慣れていてもきつい作業です

台石を設置します
自然石のため上部は完全な水平ではありません

台石が決まったら燈籠を乗せて
いきます

部屋から眺めるとこんな景色です
燈籠は庭の奥にさりげなく
据えられています
まわりの砂利を敷きなおし、燈籠が一段と引き立ちます

さらに同じお宅で三重の塔くずし型を新たに設置しました




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