千倉発 |
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酷酔夢譚 |
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1996.6.29- |
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その量には個人差があり、その人にとっての適量を目安にするしかありません。 また、俗にいうチャンポンはしないことです。お酒には、蒸留酒・醸造酒など種類がありますが、これらを同時に飲まないようにしましょう。なぜチャンポンが悪酔いするのかについては諸説ありますが、いずれにしても、アルコール量全体が多くなることや、アルコール濃度の違いが消化・分解に負担をかけるためといわれています。
さらに、ダラダラと長い時間飲まないことです。飲む量も多くなると同時に、その間、肝臓は働きっ放し。少なくとも翌日の起床時間から逆算して8時間はあけるようにしましょう。 飲んだアルコールは、そのほとんど(98〜100%)が胃腸で吸収されます。その一部は呼気(0〜5%)や腎臓を経て尿(0〜5%)としてそのまま排泄されますが、残りの約90%は肝臓で代謝されます。 アルコールの代謝は、まず、アルコール脱水素酵素とMEOSといわれる一種の酸化酵素によって、アセトアルデヒドになリます。これが二日酔いのときに頭痛や吐き気、めまいをおこす原因になる、強力な中毒物質です。
そこで肝臓は、これをアルデヒド脱水素酵素によって分解し、アセテート(酢酸塩)として全身に放出します。さらに体内の諸器官で水と二酸化炭索に分解され、ようやく排泄されるというしくみになっています。ただし、この分解は一度の行程で完了するわけではなく、分解されなかったものは全身を巡って再ぴ肝臓で分解されるという過程をくり返すので、血中からアセテートが消えるまで、肝臓は働き続けなければなりません。 肝臓でのアルコールの代謝率は、体車1キログラムにつき、1時間当たリ100〜200ミリグラムとされています。
したがって、体重60キログラムの健康な成人が清酒を1合飲んだ場合、そのアルコールを代謝するためには約2.5時間かかることになります。したがって、二日酔いになりたくないならば、少なくともアルコールが肝臓で処埋される時間を考えつつ、飲む量や時間帯を考慮しなければなりません。たとえば、翌朝7時頃起床しなければならないなら、夜1時以降は飲まない、といった具合です。
わかっていても飲み過ぎ、翌朝、目覚めとともにおそう二日酔いには、残念ながらすぐに効く特効薬はありません。