上手と下手の対照20ケ条(下)
11.上手の石は恰も舟を行る(やる)如く、下手の石は繋がれた舟の如し。
12.上手はコウを利用し、下手はコウを怖る。
13.上手は敵の疲るるを待ち、下手は敵のつまずかんことを希う。
14.上手は黒を持ちては治らんことを欲し、白を持ちては乱れんことを欲す。
15.下手は黒を持ちては取らんことを欲し、白を持ちては潰さんことを欲す。
16.上手は黒を持ちては数目の勝ちを理想とし、白を持ちては一目の勝ちに
満足す。
17.上手は考えて後に石を持ち、下手は石を持ってから考える。
18.上手は投げる時期を選び、下手は最後のトドメを刺されるまで打つ。
19.上手は決して負け惜しみをいわず、下手は負けると愚痴をこぼす。
20.上手は負けても決して腹を立てず、下手は負けると腹を立てる。
野次馬談議
C:これを見ると時代を感じるね。14条はコミのない先番必勝を理想とし
た時代の話だろうね。。古人の頃はコミが無かったのではないか。
A:17条以下はマナーの気味もありますね。
B:マナーについてはサンサンでも時々問題になったことがある。外国人
の囲碁愛好者が増えてきている現在、マナーもこの時代とは少しづつ
変わってきているのではないかな。「囲碁はゲームであるから、ルール
に違反しないで勝てばいいのだ」 という発想と「囲碁は芸であって、
その内容についても勝敗と同じ位大切である」という発想、或いは「囲
碁は棋道という一つの道であって、人間の修練の場である」という発想
では、マナーに対する考え方が全然違ってくる。それらはその人の囲
碁観であって、どれが良い悪いというものではではないでしょう。
A:マナーの前に、マナーが拠って立つOSみたいなものがあるから、OS
が合っていないと良い悪いの議論にならない、という事ですか。
(郡山市 塚本記)