それは、うだるように暑いある夏の日の午後のことであった。
特殊コマンド部隊の隊長である僕は、
南米のジャングルでの政府要人救出作戦を無事成功させ、
つかの間の惰眠をむさぼっていた・・・。
と、その時・・・、
どこからともなく、
♪ターラリラ♪ターラリラン♪と、
怪しげな音楽が聞こえてきたのである。
それは、あまりに単調で、聞いていると思わず口ずさんでしまいそうな、
安っぽく、しかも調子ッぱずれなメロディーであった。
「何事だ」と、あたりを見回すと、
物陰で青白い2つの目が光り、
白黒ツートンカラーの奇妙な生き物が姿を現した。
「お前は、誰だ?なんてアグリーな奴だろう。」
しかし、その生き物は、なおも
「♪ターラリラ♪ターラリラン♪」
と歌いながら、こちらへ近づいてくる。
「その変な歌をやめろ!
気が狂ってしまいそうだ!」」
僕は勇敢にも、正体を確かめようと
その生き物に近づいていった。
「おまえは一体何者だ?」
しかし、怪しい生き物は答えようとはせず
ただ不敵な笑いを浮かべながら
♪ターラリラ♪ターラリラン♪と
繰り返すのみであった。
そうか、わかったぞ!
お前は、何年かに一度のとりわけ暑い夏に、
宇宙のどこかから地球にハンティングにやってきて
その調子っぱずれの歌で人間を狂わせて虜にする
ブレデター・パンダだな。
よし、それならこのマレスケ・シュワルツネガーさまが相手だ。
退治してやる。
どうだ、参ったか?
しかし、相手は思いのほか敏捷で、
僕の必殺攻撃をスルリとかわして遠くへ逃げ去ろうとした。
おい、こら、どこへ逃げる?
逃がさへんでぇー!
しかし、プレデター・パンダも負けてはいない。
コロコロと転がりながら逃げ回り、
逃げ回りながらも「♪ターラリラ♪」と歌いつづけて攻撃を仕掛けてくる。
さすがの僕の鋭い牙も、むなしく宙を噛むばかりであった・・・。
続く>>>