抗炎症作用が強く、炎症症状をよくおさえます。
局所副作用としては、ホルモン作用により皮膚を構築する繊維の増殖を抑制しますので、皮膚が薄くなり、特に皮膚の膠原線維の少ない老人では打ち身のときに内出血しやすくなります。ステロイド外用を継続すると膠原線維が減少するので、家の柱を失うように皮膚が薄くなり、血管を取り巻くクッションがへり外からの力に負けやすくなります。 薬の吸収がよい顔面では、毛細血管拡張・にきびなどもよくおこります。 長期間連続して使用したときは、皮膚がステロイド外用剤へ依存することがあり、外用を中止時にリバウンド(皮膚症状の強い悪化)がみられます。 (参照:脱ステロイド療法を受ける「成人型アトピー性皮膚炎」の患者さんへ) 小児は、皮膚が薄く外用剤の浸透が高いために外用薬の効果も高いのですが、同時に副作用も生じやすく、全身に毎日外用すると、皮膚から吸収されて※副腎抑制をおこしたことが古くから報告されています。 (参照:ステロイド嗜癖(しへき)) アメリカのステロイド外用剤添付文書には、小児に対して長期外用の効果と安全性は確認されていないと記載されています。 アトピーは成長とともに自然治癒していきますからステロイド外用剤にできるだけ頼らず、使用するときは炎症の強い部分に局所的に短期間使用すること、連用せずに間歇的に使うことをおすすめします。 ステロイド内服薬は、小児アトピー性皮膚炎の患者さんには原則使用しません。ステロイドを内服した場合免疫を抑制し、種々の副作用を生じることがあるからです。 ※からだがもっている副腎皮膚ホルモン(ステロイド)をつくるはたらきがおさえられてしまうこと。 |