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ジョンと呼ばれてワンダふぅ〜


初めて犬をいました(後)


梅雨明け近い 7月中旬と記憶している。
降ったりやんだりの蒸し暑い天候だったが、えもいえぬ気持ちで
気分は晴れ晴れといった感じだった。というのも、よほどのことが
ないかぎり子犬の予約をするつもりだったからであろう。
冷静に書き起こしてみるが実際はかなり舞い上がっていた。

小高い丘を上りきった場所だった。
高崎といっても、市内を離れれば意外に田舎である。
普通の民家のブリーダーを想像していたが、どうやら個人が経営
する業者といったほうがピンとくるようだ。
ただ、いろいろと雑談してくれる気さくな主人には好感をもてた。

紹介された犬舎には、やや小柄な母犬と一緒に 3匹の子犬(うち
オスは 1匹)がいた。私はオスを希望していたので選択の余地は
ないわけだ。普通に元気そうだし断る理由はないし、どの子犬に
しようか迷うこともない(笑)。
心の中で即決だった。
ひととおり見学して父犬も拝見して、予約と相成り手付金を払う。
そして 2週間後の引き取りを約束した。

入手先は(犬に愛情のある)個人のブリーダーからとする理念は、
子犬の出産タイミングや価格を考慮してなおかつ近場で条件に合
うものが他にはなかったので、結果的に営利主義を否めない繁殖
業者になってしまった。しかも後で気づくという失態ぶりだったが、
そんなことは子犬と対面してしまっては、もうどうでもよかった。
(とはいえ今後への反省点である)


2週間後。
子犬を持ち帰るのに適当なダンボールを用意して引き取りへ向か
った。 3匹の子犬は健在だった。どうやら同胞兄弟は、この 3匹で
すべてのようだ。
ちょうど食事の時間に当たったので見学する。なんとなく足取りに
おぼつかない様子で、歩きがぎこちない。こけながら歩くといった
感じだ。でも元気はあるし、まだ生後40日余りなので、こんなもの
じゃないのかな。そう思いながら、なにより洋々たる前途を描いて
いるのだから気にも留めないのだった。

残金を支払い、ついでにドッグフードを購入して、用意したダンボー
ルで帰途についた。車中では懸念していた脱糞に見舞われる。
急には止まることもできず、子犬はダンボールの中で動き回るので
汚物は散乱した。
浮かれて舞い上がった様は一瞬のうちに、犬育ての現実を思い知
らされてしまった。


そして強烈な臭いとともに辿り着いたのである(笑)。




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