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ダメなものはダメ!

廃案しかない秘密保護法A

 秘密保護法案は衆院で採決を強行し、参院に送られました。会期末となる今週は日本の命運を左右する重大な週です。

急速に広がる反対世論
 閣議決定から約1カ月、議会へ提案からわずか2週間で成立させようとするのは安倍内閣の焦りと見られています。短期間に国民の間で反対の世論が急速に広がっています。維新の会が衆院本会議を欠席し、みんなの党から3人(2人反対1人退席)、自民党からさえ1人(反対)の造反者が出たのはその世論の反映です。また前日の25日、福島市で開かれた公聴会では7人の公述人全員が反対・慎重審議を表明したばかりです。こうした世論をまったく無視、民主主義も何もありません。
 27日、参院本会議で仁比聡平議員が質問に立ち安倍内閣を厳しく糾弾しました。

公約違反と国際社会の批判
 仁比議員は「あなたは、先の参議院選挙でも一切この法案に触れることはありませんでした。にもかかわらず、何を目的に、ここまでして強行しようというのですか」と迫りました。TPP参加や沖縄では辺野古への基地移転で自民党の公約破りが相次いでいますが、これは公約しないことを強行する安倍内閣の暴走の例です。
 仁比議員は国連人権高等弁務官事務所の表現の自由担当特別報告者の懸念、日本外国特派員協会の法案の全面撤回勧告など、国際社会の批判にどう応えるかと迫りました。

憲法と両立しない法案
 仁比議員は国民主権と言論表現の自由をはじめとした基本的人権の保障、平和主義という、侵してはならない憲法原理と両立しない危険性を指摘しました。
 第一に、特定秘密は「我が国の安全保障にとって著しく支障を与える恐れがある」など広範かつ曖昧な要件で政府が指定し、何が秘密かも秘密とされることです。
 これまでも政府は、軍事、外交、原発、TPPなどで国民に様々な情報を隠した実績があります。この法案でその範囲は際限なく広げられる可能性があります。
 第二に、この法案が懲役10年以下の重罰と威嚇の対象とするのは、限られた公務員の漏えい行為だけでなく、広く国民の普通の日常とその自由です。一般の国民も「特定秘密を保有する者の管理を害する行為により特定秘密を取得した」とされれば、秘密か漏えいされなくても、未遂、共謀、教唆、扇動などで処罰の対象となります。
 第三に、政府が、秘密を取り扱う者に行う「適性評価」の名の下に、「家族、父母、子、兄弟姉妹、配偶者の父母、子、同居人の氏名・生年月日・国籍・住所」にはじまって、広く国民のプライバシーを根こそぎ調べる国民監視の仕組みが作られます。その対象は公務員だけではなく、国から事業を受注して特定秘密の提供を受けたとされる民間企業で働くすべての人に及びます。
 戦争への道を掃き清める法案、ダメなものはダメです。廃案しかありません。