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国民健康保険制度について

 8月19日、国民健康保険運営協議会が開かれました。中心テーマは平成21年度決算です。

2年しか持たなかった…
 国保税は08年度に税率改正をしたばかりです。一世帯あたり1万7451円、一人あたり1万1093円の引き上げでした。その時点で年度末の財政調整基金残高は1億7644万円と推計されていました。実際は1億9795万1千円ありましたが、税率改正をしたにもかかわらず08年度に2400万円、09年度には1億6550万円を取り崩し、09年度末決算で基金残高は3245万円にまで減少してしまいました。つまり基金はすでに底をついて今年度予算は成り立たないことになります。そこで運営協議会のもう一つのテーマで、今年度の財源不足2億2500万円の対策として「山梨県広域化等支援資金」からの借り入れ(1億6875万円)と一般会計からの繰り入れ(5625万円)を9月議会へ提案することです。
 都留市で一般会計から国保会計に繰り入れをするのは初めてのことです。県下でこれまでこの措置をしない自治体は都留市のほか富士吉田市、甲州市だけでした。

赤字の原因はなにか
 これまで国保会計が赤字だというとその原因として医療費の増嵩(すう)が真っ先に挙げられました。しかし、今回はそうではありません。医療費はそれほど増えていないのです。
 原因の第一は国保税で、1億1700万円もの減収です。不況の影響は明らかです。社会保険を脱退して国保に加入する人たちは、当然のことですが所得が減った状態で加入してきます。さらにこの人たちは前年所得に課税されますから、所得が減って納税が困難な人たちも多いはずです。減額が認められるようになっていますが、それでも滞納対策は市の税務課の大きな仕事です。被用者保険を代表する委員からはその対策について質問が出されましたが、それも限界があります。
 さらに国の支出金の減額があります。税の収納率が低いとペナルティーで減額されるというひどいやり方です。民主党政権になってもこういうやり方はまったく変わりません。民主党政権が自民党政権と本質が変わらないという一つの証明になっています。

全国的に深刻な状態
 国保新聞という一般には知られていない新聞があります。国民健康保険中央会の発行です。その新聞の8月10日号のトップ記事は「20年度繰上充用」でした。
 どこも国保会計は大変で、基金の取り崩しや一般会計からの繰り入れが限界になって、来年度の税収を先取りして使うという措置です。自治体予算は単年度決算が原則ですから、とんでもない措置ですが、背に腹は変えられない都市部の自治体の困難が見えます。
 国保新聞も「構造問題の解決」や国の支援を求めています。制度の矛盾を放置したままの国保加入者の負担増、国保税の引き上げは許されません。