2    ボ ル ダ リ ン グ
2004.04.15 Thu.

奥秩父 三峰ボルダー

ロック・クライミング
ジャンルとしては岩を登るということでロッククライミングの分野に入ります。もともとロッククライミングには大きく分けてアルパインクライミング(山頂を目指したり高所で行う一般的にホンチャンと呼ばれるクライミング)とフリークライミング(あらかじめ登るルートがボルトで設定してある箇所などを自分の体だけを使って登ること)である。今現在ではフリークライミングも多くの室内ジムができており、ただ単にフィットネス目的で行っている人も増えてきている。そのためか最近ではスポーツクライミングとも呼ばれメディアからも注目を集めるようになった。
 
ボルダリングとは?
フリークライミングの中で最もシンプルなスタイルで通常使用する確保ロープなど一切使わずに落ちても平気な程度の高さ(〜5m程度)の岩や岩壁の一部を登ることをいいます。結果として技術的困難性を追求したクライミングといえるでしょう。わずか数mの岩でも実際登ろうとすると全くといっていいほど手がかりがなかったりなど、多彩でより複雑な動き(ムーブ)が要求されてきます。
 
その特徴
◇ 一人でも楽しめる
ロープを使ったクライミングと違いボルダリングは一人で行うものなので仲間がいないときでも気軽に楽しめます。しかしここで注意しなければいけないことはスポッターの存在です。スポッターとはボルダラーが不安定な体勢や下地、高い所から落ちた場合に下で支える人をいいます。より困難な課題ほどスポッターの存在は重要になってくるので、くれぐれも一人のときは無理をしてはいけません。そしてスポッター以外いにボルダラーを守ってくれる必需アイテムとしてボルダリングマット(クラッシュパッド)があります。2万円前後で少々値段は張りますがあると非常に助かります。
◇ 大勢でも楽しめる
ロープを使って長いルートを登るわけではないので、次々に交代して登ることができます。そしてルートと違い自分のすぐ目の前で登っているのでより臨場感や緊迫感も伝わってきますし、みんなでセッションして楽しむこともできます。
◇ 極限のクライミング
短い課題の中にその難しさが凝縮されているわけで、より高度なテクニックや瞬発力を要求されます。このように高いスポーツ性が今日ボルダリングの飛躍につながっているといえるでしょう。もちろんロープを使ったクライミングでもそうですがボルダリングは無限の可能性を秘めているといえます。
 
マナー ・ 注意点
まずあたりまえのことですが全てのアウトドアスポーツにおいて基本的には全て自分自身の責任となります。そのことを常に頭に入れておきましょう。
クライミングの世界でよく問題視されることとしてチッピング(人工的に岩を削ってホールドを作ったりなくしたりすること)があります。ある誰かがルートを開拓、設定する場合のチッピングはその人に行使の権利がありますが、やはり自然でありのままにこしたことはありません。それ以外の再登ルートに関しては絶対にチッピング行為をしてはいけません。なぜならその課題には確実に初登者がいて課題の歴史もありますし他にそのルートを登る人もいるからです。
それと必ずしもボルダーの下地がよいとは限りません。中には下が川ということもあります。そこでスポッターが活躍するわけですが基本的にその役目は受け止めるというよりは着地後のフォローをするといった感じで落ちた際に頭部やマットから出た部分を岩にぶつけたりしないようにしてあげるのが基本である。あとマットを複数枚使用する場合には端を重ねて足首を捻ったりしないようにする。
 
◆ 小川山 ◆
長野県小川山は言わずと知れたクライミングのメッカであり古くから日本のクライミングシーンをリードしてきた場所である。ここ数年ではボルダリング地としても大きく飛躍し今では全国から多くのボルダラーが足を運ぶ日本一のボルダーエリアとなった。
ボルダーの数も多く現時点でも400を超える課題が設定されている。質も良いものが数多くあり易しいものから日本最難の5段のものまであり初心者から上級者まで思う存分楽しむことができる。
岩質は粒子の滑らかな花崗岩で指にも優しく見た目にも美しくキレイで、下地も平らなところが多く安心してトライできる。シーズン春から11月くらいで観光地にもなっているのでキャンプとあわせてもより楽しめるだろう。
 
◆ 御岳 ◆
東京都奥多摩の御岳駅付近にあるボルダー群で都心から非常に便がよいため休日には小川山同様に多くのボルダラーが訪れる。その理由として便がよい他に『忍者返しの岩』の存在が大きいと。このボルダーは御岳の象徴とも言われるもので一つの岩に質の高い多くの高難度課題が設定されており、常に誰かが取り付いているといった状況である。しかし課題数にも300を超えてあり、初心者でも十分楽しめるような課題も数多くある。
岩質は主にチャートでエッジング主体のクライミングが多い。シーズンは通年だがやはり夏場は暑く春か秋が快適だろう。より困難な課題を目指すなら小川山、三峰同様に冬場がベストである。
 
◆ 三峰 ◆
埼玉県奥秩父の荒川沿いにある点在するボルダー群で、その数は関東最大である。現在手に入るトポ資料(通称 黒本)では一番まとまったエリアの約300の課題を掲載しているが、三峰ボルダー全体ではその何倍ものボルダーが眠っているといえよう。
ボルダーの特徴としてはツルッと磨かれたものが多く、その代表として『ペタシ/初段』などがある。岩質はチャート、石灰岩、緑岩片岩などで見た目にも美しく楽しめる。シーズンは通年だが暖かいほどフリクションが効かなくなるため夏場をのぞいた涼しい時期がよいだろう。厳しい課題ならやはり冬場がベストだ。
このエリアの注意点は下地の変化が激しいことで、大雨の降った後などはかなり増水してボルダーが浸かってしまうこともあるくらいなので十分に注意されたい。ちなみに私はよくここへ来る♪



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