語源 ・ 発祥
もともとCaving(ケイビング)とは英語であり、Cave + ingの形で一般に洞窟探検という意味である。日本でも多くはこの形で使われている。しかし洞窟探検発祥の地は中世ヨーロッパと言われておりSpeleo、Speleology(洞窟学、洞窟探検)などと言われる。
洞窟の種類
一般的に知られている岩石の多くには洞窟が形成され、そしてそのでき方などから種類を分けることができます。中でもケイビングの対象としてはその規模や数の多さゆえに石灰洞(鍾乳洞)が多くの割合を占めています。その他に我が国では溶岩洞などが有名です。氷中にできる氷河洞というのもあります。
洞窟のでき方
石灰洞 ・ ・ ・ 石灰岩中にできる洞窟のことで炭酸カルシウムの結晶を主とする方解石(カルサイト)からなる石灰岩に、大気中や土壌中で二酸化炭素を含み酸性になった雨水が石灰岩を溶かし地下に洞窟を形成します。そしてその空間に石灰岩をよく溶かした水が滴り落ちるなどする時に再結晶しそれが多彩な鍾乳石を作りだしていきます。
溶岩洞 ・ ・ ・ 火山の噴火でマグマが流れだした際、外界との温度差により外側の溶岩は硬くなります。そしてその中を流れ続ける溶岩の去った後の空洞が溶岩洞窟といわれます。しかし溶岩洞を形成する要因としては前者よりも溶岩に含まれた水蒸気の膨張によるものが多い。
日本の洞窟
洞窟の形状には大きく分けて『横穴』と『竪穴』の2つがあります。日本一の横穴は岩手県にある安家洞でその総延長は分かっているだけでも12000mを超えています。1万mを超す洞窟は日本では唯一で第2位の山口県、秋芳洞でも8700mである。ただし横穴といっても全体としての意味で実際は大きな段差やロープを使わなければならないところが多くあります。竪穴に関しては新潟県の青海カルストにある百蓮洞でその深さは−450mである。この他に青海カルストには−300mを越す竪穴が3つもあるが現在その全てが入洞禁止である。入洞できる竪穴としては山口県の入見穴見戸の穴が−200mほどで最深である。
ケイビング(洞窟探検)
最低限探検に必要なものとして、つなぎ服、ヘルメット、ヘッドライトで、それともしものためのサブバッテリーやサブライト、レスキューシートなどです。しかし実際に洞窟探検をする際は最寄のケイビング団体等に入会していることが望ましいです。竪穴では横穴の装備、技術に加えてロープやワイヤーラダーなどの特殊な技術を使わなければいけないため、十分な練習と経験を積まなければ決して足を踏みいれてはなりません。
1.いざ地下世界へ
高鳴る気持ちを抑えつけ暗闇へと足を踏みいれます。入り口(洞口)からは季節によって風が吹き出していたり吹き込んでいたりします。それとケイビングが長時間及ぶ場合にはトイレを済ませておきましょう。
2.暗黒の空間
ふとヘッドライトの明かりを消すとそこは微かな光もとどかない真の闇です。いかにライトの光が大切なのかということを改めて実感します。サブライトやバッテリーの予備は必ず多めに持って行きましょう。
3.地下川
洞窟内に水が流れているということはよくあり、時にはその水が大きな滝を形成していることもあります。どっぷり浸かりながら進むこともあるのでインナーには乾きやすい速乾性素材のものを着るとよいでしょう。
4.迷路状の洞内
通路は1本とは限らず右に左に、はたまた上や下にも支洞は延びています。帰り道で迷わないためにも自分が進んだルートのその先々で振り返り、形状を目で確認しておくことが大切です。
5.狭洞の先へ
こんなところを!?と思うくらい狭い場所を体をひねったり棒のようにしたりして通ることもあります。つなぎのポケットなど引っかかる箇所をなくしておくことがポイントです。しかしくれぐれも無理をし過ぎないようにしましょう。
6.巨大空間
大きな洞窟では光のとどかないほどの巨大ホールが存在することがあり、一瞬夜の洞外へ出てしまったような錯覚にとらわれることもあります。反響音など聞いてみるとその大きさを実感できるでしょう。
7.神秘的な世界
辺りを見回すとつらら石や石筍、石柱、カーテンなど多くの鍾乳石が迎えてくれ、そこはまるで地下宮殿です。中にはケーキのような珍しい形のものもあります。鍾乳石は非常に貴重なため折ったりしないように細心の注意をはらいましょう。
8.地の底へ
SRT(シングルロープテクニック)という竪穴探検の技術を活かして暗闇へ吸い込まれるかのように地の底へ降りていきます。ロープを使うため、より確実な技術やレスキュー体制なども整えておかなければなりません。
9.さらに奥へ
洞窟の最奥部は地底湖となって終わっていることが多くあります。しかし実際はこの地底湖の先にもまだ続いているのです。そしてケイブダイビングという特殊な技術を使えばこの先に新たな巨大空間を発見できるかもしれません。
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