平成3年 郷ヶ丘練習場増設作業 父兄の手づくり
(5)器具はリサイクル
 
 建物は借りられたと喜んでいても練習器具はひとつもありません。次の難題は肝心の器具をどうやって揃えるかです。器具を購入する運営資金など全くないクラブですから高額の器具をどうやって揃えたらいいか悩まされることになりました。
 体操器具は古くなったり、壊れたりして不用になっても大きく重かったりするため簡単に捨てることが出来ず中学・高校の体育館の倉庫の奥の方に埃をかぶって邪魔モノのように置かれているものです。それらが古くなり捨てるに困っているようなマット・鉄棒・跳び箱・平均台・あん馬・ロイター板等を譲り受けられないものかと考えました。学校に行ったところ「こんなもので良かったらどうぞ持って行ってください」と貰うことが出来ました。ボロのマットでもガタガタの器具でも形さえあれば我々にとっては新品同様の宝の器具です。保護者のトラックで運んでもらいコンクリートに金具を取り付け器具をひとつづつセットし増やして行きました。不足のタンブリングバーンや円馬・補助台・ミニ平行棒等は見様見真似で手作りしました。細やかではあるが念願の体操専用練習場をついにつくり始めました。
 いわきのハーゼンハイデづくりが緒についたのは昭和六十二年十二月のことでした。日曜、祝日はもちろんのこと、平日も学校の部活指導後毎日クラブに通うというほとんど休日のない、過酷な指導生活が始まりました。