(3)いつでも使える練習場がほしい
  
  毎週土曜日の午後をラビットの指導に拘束されることの負担を辛く感じるようになりながらも、週1回の練習を楽しみにやってくるこども達のために、挫けず休まず仲間と指導に精進しました。真面目に三年間続けたこどもは結構上手になり県のジュニア大会にも出場するようになりました。意欲のある子は週1回の練習では物足りなくなっていました。練習回数を増やせないものかと話し合いましたが勤務や体育館の使用時間割り当てなどから無理でした。もっと練習したいと言うこども達の欲求に応えてやれないもどかしさが残念でなりませんでした。
 せっかくやる気のあるこども達がいるのに体操競技の練習に使えるような体操場が市内にないのが無念でした。池上のような練習施設に恵まれればもっと技を磨き技能を高め体操の楽しさを思う存分味わわせることが出来るのにと練習環境に恵まれない悲哀を感じるとともに羨ましくなりました。
 活動開始から4年になろうとした時、練習場がなければこれ以上ラビットの発展は望めないし、こども達の伸びも期待できないものと、体操場が無性に欲しくなりました。そんな気持ちになっているとき、東京から移ってきた4年生の男の子がクラブにやってきました。一目見てそれまでにあつかったこども達にはない将来性のある素質を見抜きました。この子はきっとよい選手になるになれる、この子を育てなければ何のために選手育成に苦労して来たのか分からなくなってしまう。この子は絶対に育て上げなければいけないと思いました。そのためには毎日のように練習出来る場所がなければならない、その子のために練習場をつくることを決心しました。
 つくるための何の目安もないままに決めてしまった無謀さが現在のクラブに発展しています。