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Inside Farming Vol.92



無線LANの無線の到達範囲〜ホットスポット果樹園はいかが〜


 前回、やっとPC3台の家庭内無線LANが構築できた。今回は、我が家における無線の到達範囲について報告するとしよう。我が家は、木造2階建ての純日本家屋であり、壁や1階と2階の間などが断熱構造ではない。多分、最近の工法により建築された家屋よりも、電波の透過性は高い方だと考えられる。

 無線ルータは、そんな構造の我が家の2階の1室、デスクトップPCのCeleron450の脇に設置した。そして、まず、壁をはさんだ隣の部屋でノートPCを使用してみる。この場合、ルータ付属のユーティティによれば電波状態は100%、予測される転送速度は11Mbpsと表示された。実際、全く快適に使用できる。次に、階段を下りて、2階の無線ルータの直下にある部屋や、その直下の部屋に隣接する部屋からもノートPCを使用してみる。ここでも、電波状態は100%、予測速度は11Mbpsだ。結論として、在来工法の家なら、壁1枚+襖+2階の床+1階の天井+ルータからの直線距離7mという条件以下なら100%の能力が発揮できるようである。かなりの性能だ。

 しかし、もう1枚壁を挟んで、壁2枚+襖1枚+床+天井+直線距離7mという状況になると、ルータ電波状態は23%まで低下した。ユーティリティの示す速度予測は11Mbps〜3Mbpsあたりを微妙に変動する。体感では、速度もデータ転送の信頼性もかなり落ちている。我が家ではこのへんが限界のようだ。さらに、壁3枚+床+天井+直線距離9mも試してみたが、やはりそこまでは電波は届かなかった。

 面白そうだからと、家の外に洩れる電波をチェックしてみると、これが案外遠くまで届いている。障害物が家の外壁だけのためか、ルータから直線距離にして15mくらいは通信可能だ。なんと、ルータの設置場所さえ工夫すれば、我が家の裏に広がる果樹園からでもLANに接続できるという性能である。これならモバイルPCを片手に林檎狩りができるという「ホットスポット果樹園」も実現可能だ!(笑)。などと、無意味な事に喜んでいる場合ではない。これだけ電波が洩れるのだからMACアドレスでLAN接続機器を限定することは必須だと肝に銘じなければ!

 それにしても、無線LANはなかなか快適だ。コードを気にせず家中を移動できたり、LAN経由で幾つかのソフトをインストールできたり、3台のPCに必要なデータを自由に転送できる。全てが順調だ。ただ、無線LANがあまりに快調なため、デスクトップPCのCeleron450に差してあるLANボードが10base-Tであることが妙に気になりだす。つまり、有線LANの転送速度(10Mbps)が無線LANの転送速度(11Mbps)より遅く、LAN全体のスループットを下げているという現実はいかがなものか、ということだ。これは、精神衛生上よくない問題である。早急に100BASE-TXボードを購入するとしよう。ボードの価格はこなれていて、1000円前後(2002年6月)で購入できるようである。
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