kawai fruits banner

Inside Farming Vol.150


農業の喜びは、良い作柄と共にある


 11月にお伝えしたとおり、昨年(2004年)は、異常高温や台風等の影響で農業にとってはたいへんな1年でした。年が明けていろいろな所で反省会等が開かれていますが、何処でも、「昨年のこの地域の林檎の作柄は、平年の作柄と比べて不本意なものだった」という判断や総括がされています。河合果樹園のある信州の中心の地域は「高品質が売り」の産地ですから、販売に関係するいろいろなところから落胆の声が出たとも聞いています。当園もその例に漏れず、たいへんでした。今まで、贈答林檎の作柄に対して自信がない、という年は一回もありませんでしたので、心残りの一年となりました。

 一方、林檎は急激な高値になることはない作物だと思っていましたが、価格は平年の1.5倍以上には推移していたように思います。しかし、品質が低下してしまった農作物が高い単価で販売されても、そこに、本当の意味の喜びがないということも知りました。農業の喜びは良い作柄と共にある、ということです。いわゆる「豊作貧乏」の方が、救われるような気がしました。

 今までは、レタスなどの作物が天候被害で品不足になり、通常の2、3倍まで高騰するのを横目で見ていると、「いいなあ〜」などと単純に思っていたのですが、そのような価格になる年の、裏の本当の苦労について、初めて知ったというのが実感です。また、そのような年は収穫量が減っていますから、全体は減益になっているというのが実情ではないでしょうか。

 最近は、めっきり兼業農家の園主ですが、農業の喜びがどこにあるのか!という農業マインドの原点を考えさせられた一年でした。



Inside Farming Index
Go to Inside farming index page


kawai@wmail.plala.or.jp

写真、本文とも Copyright(C) 河合果樹園