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Inside Farming Vol.148


台風、猛暑、今年の作柄は・・・


 林檎の作柄には、天候から予想できる作柄と、収穫してみて初めて判る作柄とがあるように思います。

 天候から予想できる作柄とは、例えば、台風や雹の直撃を受けたような場合の凶作があります。また、夏は暑く、初秋に向けて気温が低下し、鮮やかな紅葉が目立つような気候(最近では忘却の彼方にあるような日本の典型的な四季の気温の変化)であれば、順調な作柄が期待できるというものです。

 そこで、今年の天候を振り返りますと、ご存知のように今年は記録的な数の台風が日本に上陸しました。しかし、幸いにも河合果樹園は直撃を免れました。そのため、ある程度は良い作柄が見込まれました。また、昨年の冷夏に対して、今年は夏が夏らしく暑かったので(今年の真夏日の連続は記録的だったようです)、夏に果実が程よく肥大し、甘味も増すのでは、と考えられました。

 しかし、収穫して初めて判る作柄は、予想されたものとは、少し、異なるものでした。

 具体的には、果実の肥大がバラバラで、例年に比べて小玉が多かったのです。夏の暑さが適度な暑さではなく、高温すぎたために、逆に果実が肥大しなかったと分析されています。温度と関係する作柄としては、蜜の入り方が例年に比べて少ないという問題も発生しています。蜜の量と味とは比例するものではないのですが、大量に蜜が入っていることが当たり前として毎年購入されているお客様には、申し訳ない気持ちになります。
 また、先刻ご報告したように、地域的に病気が発生し、広がりました。これは、台風の直撃はなかったものの、例年では考えられないような時期に上陸した台風の雨により、通常では予想できない時期に病気の菌が運ばれて、潜伏していた結果ではないかと考えられています。また、台風の直撃はなかったのに、果実と枝が擦れて傷になったものが多いこと!。これは、再三の台風が通り過ぎた後の吹き返しの風によって、付けられたものだと考えられます。
 さらに、例年、殆ど発生することがなかった果実の表面の亀裂が見られます。これは、夏に肥大しなかった果実が秋に肥大し始めたところに、台風等の雨が降ったことにより発生したものと考えられているようです。

 などなど、今年は、大変な年でした。河合果樹園では、なんとかご予約いただいたお客様のご贈答分は確保できる見通しです。しかし、巷では、贈答林檎が足りない!という状態になっているところも多いようです。

 野菜の高騰と同様に、市場では林檎も高値が続いてるようです。やはり、高値になるにはそれだけの理由があるということです。また、高値がつくような年は農産物生産にとっては過酷な年であるということです。つくづく、難しいですね、農業は。





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