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Story of the househusband Vol.3

子供に見せられるTV番組って、ある?

 昔(もう20年以上も前かもしれないが)PTA指定の有害TV番組というようなものがあったような気がする。私たちの世代ではドリフターズの「8時だよ!全員集合」とか、たけし・さんまが活躍した「俺たちひょうきん族」という番組などがそうであったように思う。有害であることの理由は下品であるとか、食べ物を粗末にしたギャグを放送しているなどであっただろうか。最近ではナイナイの「メチャイケ」という番組の中の、あるコーナーがいじめを助長する表現があるという理由で放送を自粛したようだ。

 有害番組といわれる番組を「見る」か「見ない」かは、チャンネルの自由な選択権限をもっている視聴者が選択すべきことであって、誰かが圧力をかけて自粛を求めるのは筋違いだ!という意見がある。また、まだ判断力のない子供がTVを見る場合は、親が子供の見るTV番組を選択すれば済む話ではないか!という意見もある。まったく同感である。そのとおりだとずーーっと思っていた。
 しかし、子供がTVを見るようになったら、事はそう単純でないことを実感するようになってきた。
 
 子供がTVを見るようになって感じることは「子供に安心して見せられる番組がいかに少ないか」という事だ。それは、いわゆるレッテルを貼られた有害番組のような「番組の内容が教育上よろしくない」番組が沢山あって困る!という単純なものではない。それならば文字通りその番組を子供に見せなければ解決する。

 そうではなくて、ぼーっとTVをつけている時の、無作為的に流される情報(絵や音声)の有害性に今更ながら驚いているのだ。そう意識してTVを見ていると、ドラマやバラエティ番組では暴力シーンや罵声の多さに気づく。情報娯楽番組などでは大げさなリアクションで「キャーッ」と叫ぶ女性タレントの奇声の多さが気になる(子供はすぐに真似して叫ぶ)。グルメ番組ではレポーターの食事の仕方が気になってしかたがない。男女を問わず、カメラに向かってあごを突き出して、少し上を向きながら大口を開けて食べる映像ばかりが頻繁に流される(あれって、おいしそうな表現として記号化されているの?そしてあの映像を見て下品だって思うのはもう古い人間なのでしょうか?)。ニュースでは毎日耳に入れたくないような事件のオンパレード。国会中継は聞き苦しいヤジの嵐。
 
 だから、子供には子供向けの番組しか安心して見せられないという結論になってしまう。もう一歩踏み込んで「子供にTVは見せない」という選択をしなければならないのかもしれない・・が・・それって、なかなかできない決断。なにしろ親がTVを見たいんだもの(そう言う意味では、やっぱり、親の責任なのね・・)。

 そう考えるとTVの登場と同時にTVの影響を警告した大宅荘一はたいしたもんだ、と思う今日この頃、皆さん、どんなTV見てますか?。(2001/2)





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