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Story of the househusband Vol.01

米国務省ルービン報道官が主夫になる

 4月26日、アメリカ国務省のジェームズ・ルービン報道官(40歳)が退任した。クリントン大統領のスポークスマンを3年間勤めた彼の退任理由は「今年生まれた長男の世話をする「主夫生活」に入るためだ」という。退任を報告した最後の記者会見では、今まで厳しい質問を連発してきた記者達も暖かい雰囲気で祝福していた。
 
 もちろんクリントン政権がいわゆる任期終焉の”レームダック”にあるという現実もあるが、米国政府の報道官にまで駆け上がった人間が「主夫生活」の為に退任すると宣言して辞めるなんて、私はちょっとびっくりした。そしてなんだかうれしい気分になった!きっとルービン氏の奥さんが米CNNテレビの花形記者で、彼女の才能を子育てで埋もれさせてはならないという彼の愛情がこの退任の一番大きな理由だろう。そして当然、生まれてくる子供に対する責任は夫婦(男も女も関係無い)共同という強い意識が根底にある事を感じる。

 だけど、これって凄くアメリカ的な感じ。いくら日本政府が広報で「育児をしない夫をパパとは呼ばない」と言ったところで「日本の政治に携わる人の中にルービン氏の行動を理解する感覚があるのか?」と問い掛けたくなってしまう。国会議員に産休・育児休業制度が(橋本聖子議員妊娠の)ついこの間まで無かった事を見るまでも無く(そもそも国会議員の年齢は自分の子供より孫の顔を見る年齢だし)政治と育児は無縁のように見える。会社でも男性が育児休暇を取るなんて事はほとんど無いのが現状だろう。日本にはまだインフラが出来ていない。

 日本とアメリカの文化の違いもあるのだろうが、特に日本のある一定以上の年代には「男は育児なんてしない」という根強い発想があるように思う。自営業で家にいる時間の長い私(30歳代中盤)は時間があればいつでもオムツも替えるし、ミルクも離乳食も食べさすし、お風呂も入れる。それって今の時代はけっこう当たり前になってきていると思うのだが、その年代以上には「ヨメサンの尻に敷かれてカワイソウ」と映るようだ。ぜんぜんそんな事無いのに、それがその世代の価値観のようなのだ(私の住んでいるところが田舎だからかな?)。なんだか寂しい。

 ルービン氏やジョン・レノンのように経済的に余裕があれば職を辞してでも育児に専念してみたいと思う男性は今や少なからず存在する。そこまでいかなくても若い世代には育児に積極的に携わりたいパパは相当多くなってきたと思う。それは日本でも確実に、子供に対する責任は夫婦(男も女も関係無い)共同という意識が根付き始めているという事かもしれない。イヤイヤ本当は、毎日成長するこの不思議な生物を観察する楽しみをママだけのものにしておく手はないとパパたちが気づきだした・・・ということかも(2000/5)。

p.s. イギリスのブレア首相も育児休業(5/25)だそうです。国民はおおむね好意的だそうです。やっぱ欧米は進んでますね。





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