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田植えをした。ブドウ農家である我が家にも田んぼはある。とは言っても出荷はしていな
い。自家消費分を作る、米に関して言えば飯米農家である。2反ほどの田んぼで米を作る
ために、いったいいくらのコストがかかっているのだろう。
細かい金額は挙げるつもりもないが、まず土地の税金、用水の分担金・使用料、苗代、
肥料代、薬代、田植え以外に使い道のない田植え機の償却費、面積の狭い我が家にはコ
ンバインはないが、その代わりに業者に稲刈り・もみすりを委託している。玄米にして収め
てくれるので真に手軽ではあるが、かなりの金額である。
すべてを自らの汗で賄っていた時代と比べれば、ずいぶん高い米になる。これじぁ買っ
たほうが気楽だ、という声も聞かれる。
しかし、だからと言って米作りはやめない。米は何と言っても農家のバックボーンである。
米が作りたくて、田んぼがほしくって、と言う時代を生きてきた人間が、やめるわけがな
い。それが農家の意地であり、誇りでもあるのだから。 |